バイクの盗難裏話

バイクと切り離すことのできないものの一つとして『盗難』というものがあります。

特に私の住む大阪は、悲しいことに過去連続で盗難件数ワースト1を記録しており、『バイク=盗まれるもの』という悲しい方程式が、バイクに乗り始める前から頭の中に叩き込まれてきたものです。

しかし一口に『バイク盗難』と言ってもその内容は様々で、現在出回っている情報を見てみても、参考になるものやならないもの、また鵜呑みにできないものがあるのが現状です。

そこで今回は二輪車業界に携わっている私の知識を含めて、バイクの盗難の現状と裏話をご紹介させて頂きたいと思います。

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バイクはなぜ盗まれる?

今更?みたいな質問ですが、あなたはなぜバイクが盗まれるのかご存知ですか?『欲しいから』みたいな回答はだめですよ。

もちろん『欲しいから』というのも、れっきとしたバイク盗難の一要因ではあるのですが、バイクの盗難というのは、言い換えれば単純に『窃盗』という犯罪です。これを大前提にお話を進めて行きたいと思います。

そこで先程の質問の答えですが、これはごく当たり前のことで『バイク=お金・財産』というのがバイクが盗まれてしまう理由です。

さらにバイクが盗難の対象とされる理由は、以下の理由も考えられます。

  1. 多くの場合、屋外に置かれている
  2. 『搬送』できる大きさ・重さのものが多い
  3. 換金しやすい
  4. 犯罪を覚えだした未成年者が目を付けることも多い

概ねこんな感じですが、これらがバイクが盗まれる理由であると言えます。

バイクを盗む2つの人種

それでは一体どんな人間がバイクを盗むのか?これには大きく分けて以下の2つのパターンが考えられます。

  1. 窃盗のプロ=バイクを盗むための専門知識を持った者
  2. 素人=主に未成年者など

1.窃盗のプロ

これは文字通りプロの犯罪者です。バイクを盗みそれによって利益を得ることを目的としています。単独であったり数人がグループを構成して窃盗を行っている場合もあります。

バイクを盗むことを生業としているため様々な専門知識も持っており、彼らに盗難されたバイクは発見される確率も低く検挙率も低くなっています。

また近年は日本人だけでなく外国人の窃盗集団というのも確認されています。

2.素人

こちらは専門的にバイクの窃盗を行っている訳ではありませんが、未成年者などが遊び目的などで盗んで乗り回すケースや、部品欲しさに盗んでいくケースがこれに当たります。

盗まれたバイクが見つかるケースや、窃盗を行った者が検挙されるケースも多数見られます。しかし基本的には盗難に遭っているため、見つかっても破損していたり部品が盗まれているケースも多数見られます。

またバイクを盗むということに対し専門的な知識を持っていないため、その損害は酷いものが多く見られます。

盗難被害の現状

バイクの盗難はかなり以前から存在する社会問題の一つですが、実際の発生件数(盗難認知件数)は2000年をピークに大きく減少しています。

2000年
平成12年
2005年
平成17年
2010年
平成22年
2011年
平成23年
2012年
平成24年
2013年
平成25年
2014年
平成26年
253,000件 104,000件 73,491件 67,767件 59,469件 51,588件 43,720件

これを見ると実にピーク時の約5分の1まで減少していますが、それでも1日当たり約119台のバイクが盗難被害に遭っていると言えます。

さらにこれを都道府県別で見てみると(2014年)、

1位 大阪府 6,511件
2位 福岡県 5,267件
3位 神奈川県 4,271件

という結果となり、兵庫県・東京都・埼玉県・千葉県・愛知県と続いています。

盗難被害の背景

上記の数字を元に見ていくと、バイクの盗難には以下の傾向が見られます。

  • バイクの盗難そのものは全国的に減少している
  • 都市部(人口の多い場所)での盗難が多い
  • 大都市での盗難は減少傾向にある
  • 大都市周辺の都市での盗難が目立っている

そしてその背景としては以下の理由が考えられます。

  1. バイクの盗難そのものが難しくなった
  2. 盗難が認知され盗難防止対策が浸透してきている
  3. 警察の防犯対策により、窃盗集団の犯罪が減少している
  4. 二輪車の保有台数そのものが減少している

バイクの盗難がピークにあった2000年(平成12年)前後から、バイクには様々な盗難抑止対策が施されるようになりました。

  • メインキーそのものの強化、複雑化
  • キーシャッターの標準装備
  • 盗難防止アラームの開発
  • イモビライザー機能の標準装備

これらにより新しいバイクほど容易に盗むことが困難になってきました。

またバイクの盗難が社会問題として取り上げられるようになり、バイクユーザーの盗難に対する考え方防止対策もどんどん強くなってきました。

それと同時に強化された警察の防犯活動、そして日本国内の不景気による二輪車生産台数の減少保有台数の減少も盗難件数の減少の要因であると言えます。

それでも今現在でも毎日100件ほどのバイク盗難が発生しています。これはやはり日本国内で発生している窃盗犯罪としては、かなり多いと言えます。

バイクの盗難裏話

それではここでバイクの盗難に関する裏話を少しお話ししたいと思います。少し大げさかもしれませんが、一般に出回っている情報とは違う部分もあるのでよく覚えておいて下さい。

どんなバイクが盗まれる?

よくネット上で『盗まれやすいバイク ランキング』などがありますが、自分のバイクがこれに入っていないからと言って安心してはいけません。

基本的に『どんなバイクでも盗難に遭う』ということを覚えておいて下さい。

ランキングというのはあくまでも統計を取ったものの結果にすぎません。バイクを盗む者は先に説明した通り、お金目的であったりバイクそのものが欲しかったり、その目的は様々です。つまり犯罪者の希望に合ってしまえばそれは窃盗の対象となってしまい、犯罪者の種類も様々です。

またバイクは基本的に動くもの(運転できる状態)であれば、多かれ少なかれ金銭的価値が存在し、これもバイクの盗難が頻繁に行われてきた原因となっています。

人気のあるバイクは盗難に遭う?

これは先の説明と重複する部分もあるかもしれませんが、『盗難における人気』『一般バイクユーザーにおける人気』には、少し違いがあるということを覚えておいて下さい。

確かに盗難に遭ったバイクのランキングを見ていると、『ホンダ CB400SF』『ホンダ ホーネット250』『ホンダ APE50/100』など、二輪車市場でも人気のバイクがランキング上位に上がっているのが分かります。

しかし特にプロの窃盗集団にとっては、世間での人気度などは二の次なのです。

彼らはあくまでもお金を得ることを目的にしており、バイクを盗むということは一番の目的ではありません。そして『盗んだバイクをお金にする方法』というのは多数存在しており、それがどうしても世間一般で言う『人気がある』とは、どうしても相違してしまうのです。

自分のバイクが俗に言う『不人気車』であったとしても、盗難に遭う危険があるということは忘れないようにしておきましょう。

盗難されたバイクの行方は?

それでは盗難されたバイクは一体その後どのようになってしまうのか?

これは盗んだ者がプロなのか?素人なのか?で大きく変わってきます。

1.素人がバイクを盗んだ場合

素人の多くは盗んだバイクを乗り回したり、部品を取ることを目的としたケースが多く見られます。また中には『単にバイクを盗んでみたかった』という犯罪者からの犯行理由が聞かれることもあります。

そのため盗まれたバイクが発見されるケースも多いのですが、その多くは大きく破損していたり、原形を留めていなかったりするケースがほとんどです。

また大阪ではかなり以前から見られたケースなのですが、盗んだバイクをさんざん乗り回した後、海や川に沈めてしまうケースもあるようです。私も近所の川などでこのような目に遭ったバイクを数え切れない程、目撃したことがあります。

こうなれば発見するのはもはや不可能に近く、例え発見できてもそれはただの残骸でもはやどうすることもできません。

2.プロがバイクを盗んだ場合

これに対しプロはあくまでもバイクをお金にすることを目的としています。これまでに確認できているケースでは、

  1. 海外に輸出する
  2. 分解してパーツとして販売する

などといったケースが多く見られるようです。

ちなみに盗んだバイクをそのまま日本国内で流通させるようなことは一切しません。そのようなことをすれば一瞬で足がついてしまいますからね。

また海外に輸出されるケースも幾つか存在しており、

  • 人気の高級バイクを海外で高く販売する
  • 日本では使い古したバイクでも発展途上国では需要がある

というのが主なケースのようで、これが盗まれるバイクが多岐に渡っている理由でもあります。

特に海外では『必要とされるバイクの種類』が日本とは大きく変わってきます。過去にバイクの盗難に遭われた方の中には『何であんな古いバイク盗まれたのかな?』という経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、これはこういった理由によるものなのです。

つまりこれが先に説明した『人気のあるバイク』ということで、窃盗集団にとっては海外で需要のあるバイク、海外から要望されているバイクが『人気のあるバイク』であるということなのです。

また近年はインターネットの普及により、盗んだバイクを分解してネットオークションなどで販売することが容易になってしまいました。バイクの場合はメインフレーム(車体番号が刻印されている)以外はまず判別することが困難で、パーツの中には高価で取引されるものも多数あります。

以上の2つのケースを見て頂くと、盗まれたバイクが見つかるケースや見つからないケース。さらに犯人が検挙されるケースや検挙されないケースの理由や背景が少し見えてくると思います。

最後に

この記事ではバイクの盗難の現状とそれにまつわる裏話を、私の知識と共にお話しさせて頂きました。バイクの盗難を未然に防ぐには犯罪者の心理盗難の実情を良く知ることが重要です。

たとえその盗難件数は減少しているとは言っても、バイクがこの世の中で走り続けている限り、犯罪者がこの世に存在する限りバイクの盗難がなくなることはあり得ません

自分の愛車を守るためには自己防衛(セルフディフェンス)が重要になるのですが、それについてはまた別の記事でお話しさせて頂きます。

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