本土ヒラタクワガタの同居飼育

みなさんこんばんは、鷹です!

カブトムシ・クワガタムシの飼育には、本当にたくさんの飼育方法が存在しています。これには様々な要因がありますが、その一つとして挙げられるのに『飼育の目的』というのがあります。

これはつまり成虫を基準として考えた場合、『ブリードを目指すのか?、目指さないのか?』ということに大別できると思います。

ブリードを目指さない場合は個別飼育(1頭につき1つの飼育ケースで飼育する)、もしくはケンカの恐れのない種であれば(ほとんどいませんけど^^;)、1つの飼育ケースで集団飼育も可能ですが、ブリードを目指すのであればそういう訳にもいきません。

それぞれの種の特性、飼育環境、ペアリングとその相性、さらにはペアリング(交尾)後の産卵場所まで考慮に入れた飼育が必要になってきます。

そこで先日、今期のブリードで最も力を入れている本土ヒラタクワガタについて、その飼育方法を変更しましたので、ご報告させて頂きたいと思います。

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目次

本土ヒラタクワガタの飼育

一般的にカブトムシ・クワガタムシの成虫を飼育する際は、少しでも長生きさせようとするなら、ペアリング(交尾)の時期を除いて個別飼育が望ましいとされています。

これは言うまでもなくカブトムシ・クワガタムシが比較的寿命の短い昆虫であり、外的要因を除けばその寿命に大きく影響するのが『運動量』と考えられているからです。

集団飼育によるエサやメスの奪い合い、さらには交尾行動そのものも相当の体力を奪ってしまうのです。

しかしそれ以外にも理由があってカブトムシ・クワガタムシの種にもよりますが、中には相手が死亡してしまうまでケンカをしてしまう種も存在しているのです。

そして更には相手が自分と同種のメスであってもお構いなしにケンカを仕掛け、時には死に至らしめてしまうクワガタも存在しています。

その代表例がヒラタクワガタの仲間なのです。

そのためヒラタクワガタの仲間の飼育に関しては、どこを見ても個別飼育が基本であると推奨されており、ペアリングでさえも極力短期間、もしくはハンドペアリング(目視による交尾)が推奨されています。

ヒラタクワガタは普段は樹洞や樹皮の裏に身を隠して潜んでおり、食事の際には樹液に集まってきます。基本的には身の危険を感じるとすぐに逃げ出したり身を隠そうとする臆病な性格をしていますが、その一方で特にオスは縄張り意識が強くて気性が荒いという性質も併せ持っています。

そのため自分の縄張りに『敵』とみなした存在が近づくと、すぐさまケンカを仕掛けるという気の短い一面を見せることもあるのです。更には大顎で挟む力も強くて、一度相手を挟むとなかなか力を緩めず離さないといった習性もあります。

加えてヒラタクワガタのオスとメスでは一般的に倍ほどの体長差があり、大型のオスにメスが挟まれてしまった場合、最悪は死に至ってしまうこともあります。

これが一般的に『メス殺し』と呼ばれるもので、飼育下では度々事例が報告されています。

そのためクワガタの中でも特にヒラタクワガタの仲間は、個別飼育が基本とされていることが多いようです。

本土ヒラタクワガタの同居飼育

私もこれまでは様々な情報を参考に個別飼育を行ってきたのですが、これまでにパラワンオオヒラタクワガタやスマトラオオヒラタクワガタといった外国産クワガタでは、ペアリング期間(約一週間前後)は同居飼育の経験がありました。

もちろん『メス殺し』は一度も発生していません。

また今年の3月~4月にかけて羽化したメスたちもすでに一か月以上前から後食も開始しており、そろそろペアリングの準備を始めることもできそうです。

そこで本来ならば約1週間ほど飼育ケースでペアリングさせてからメスを産卵セットに投入するというのが通常の流れになるのですが、今回は以下の理由から産卵セットでの同居飼育をさせてみることにしました。

  • ブリードを予定しているカップルが3組である
  • ある程度広い空間で飼育すれば、オスとメスが出会う確率はぐっと低くなる
  • 自然界では『メス殺し』が起こっていることは考えにくい
  • 本来、クワガタが屋外で活動する第一の理由は繁殖活動である

つまりクワガタ飼育における『メス殺し』とは人工的要因、例えば

  • 狭すぎる空間
  • オスが興奮しやすい環境(明るい、音がうるさい)
  • エサ不足

などが影響して起こっているように感じるのです。

そのためこれらをできるだけ感じさせないような環境を作り、そこで3組のペアをしばらくの間同居飼育してみることにしました。

3つの産卵セット

さて、今回のヒラタクワガタの同居飼育は、産卵セットを組んでその中でオスとメスを同居させてみることにします。

同居期間は今のところ未定ですが、メスに産卵の兆候が見られるまで続けてみたいと思います。

ところで今回は、本土ヒラタクワガタに関しても今までとはちょっと違った方法で産卵セットを組んでみました。

まずはマットはこちら、

フォーテック ヒラタ・ノコ1番 10L

これまで何度も『ブヨブヨ病』に悩まされた経験もあり、今回は産卵セットに使うマットも変更してみました。昆虫用品で有名なフォーテック製で、ヒラタクワガタやノコギリクワガタなどの『根食い系クワガタ』専用に作られたマットです。

袋から出してみるとこんな感じで一般的なクワガタ用マットと大差がないような気もしますが、いかがなものでしょうか?

とりあえず今回はこちらのマットを使用してみます。

まずは飼育ケースの底に硬く詰め、

今回は再度、産卵木もセットしてみます。

ここ数回のヒラタ系の産卵セットでは産卵木は使わなかったのですが、より自然に近い環境を作り出したいとの考えから、今回は使用してみることにしました。

そして産卵木がほぼ隠れるくらいまで、マットを軽く詰めていきます。更により身を隠す場所を多く作るためと、転倒防止のために産卵木から剥した樹皮を一面に敷き詰めておきます。

で、ゼリーとヒラタクワガタのペアを投入して完成したのが、こちらの3セットです。

  • オス=WD 約40㎜ 2016年採集
  • メス=WF1 約33.6㎜2017年3月羽化

オスは知人から譲って頂いた個体で、昨年の夏、採集されたものです。約40㎜と小さめですが、かなり元気が良いため子孫を残してあげたくなりました。

メスは同じ知人から幼虫を譲って頂き、私が羽化させた個体になります。

  • オス=WF1 約57.8㎜ 2017年4月羽化
  • メス=WF1 約35㎜ 2017年4月羽化

こちらは共に頂いた幼虫を羽化させた個体になります。度々当ブログでご紹介させて頂いてきましたが、今回記載の体長は改めて計測してみた数値になります。

  • オス=WD 約65㎜
  • メス=WF1 約35㎜

そして最後、オスは度々活躍してもらっている我が家で最も大きな本土ヒラタクワガタで、メスは他のメスと同様、4月に羽化した個体です。

ちなみにこれらの3セットには、WD、WF1と入り混じっていますが、産地は全て同一となります。

最後に

現在のところ本土ヒラタクワガタに関してはまだ1頭も幼虫が採れていないため、今年はこちらの3セットと、こちらのセットに期待したいと思います。

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ただ採集及び新規採取ポイントの探索も少しづつ進めていますので、WDのメスが採集できれば話は別ですが、こちらはまだ何とも言えませんね。^^;

最後に今回ご紹介した飼育方法は、私が個人の考えのもとに自己責任において実行したものであり、決して皆様にお勧めしているわけではありません

先にも記載したようにヒラタクワガタはとても気性が荒く、一歩間違えれば取り返しのつかない事故にもつながりかねません。

ただ私は『より自然環境に近い状態で飼育したい』という考えを持っており、そのような状況下では『メス殺し』は起きないのでは?と考えています。今回の飼育方法への切り替えは少し実験的な意味も込められているのです。

もしこの記事を読んで同様の飼育方法にチャレンジされる方がいらっしゃいましたら、その時はくれぐれも細心の注意を払い必ず自己責任にてお願いいたします。

また、この3セットの経過は、随時ご報告させて頂きます。

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