田野岡大和くん行方不明事件をあらためて振り返ってみる

5月28日の夕方北海道七尾町の山林で行方不明になり、6月3日に約10㎞離れた陸上自衛隊駒ヶ岳演習場の宿泊施設内で無事発見された北斗市追分の小学2年生、田野岡大和くん(7歳)。

その後順調な回復を見せ6月7日の午後2時過ぎ、入院先の函館の病院を退院しました。

この事件、後から振り返ってみれば自衛隊まで出動する騒ぎとなってしまったのですが、その一方で様々な疑惑や、『置き去り』『しつけ』『虐待』などの論争も巻き起こしてしまいました。

そこで今回は『田野岡大和くん行方不明事件』が社会に与えた影響と、それによって感じたことをまとめてみたいと思います。

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数々の疑惑

この事件で数々の疑惑が取りざたされた原因は、まぎれもなく父親が当初警察に対し嘘の証言をしていたことによるものです。

「山菜取りの最中にはぐれた」⇒「しつけのために置き去りにした」

このことが報道で特に強く報じられたため、『父親=嘘つき』という方程式がその後のすべての報道内容の裏側に、強く根付いていたように感じます。

詳しくはこちらの記事を参照してください。

・田野岡大和くんは今どこへ?深まる謎と疑惑の真相は?

・田野岡大和くんが生還できた『たった一つの理由』

そしてここではっきりと記載しておきますが、大和くんが行方不明になったのは人為的なもので何者かの影響、つまり誰かが大和君を行方不明にしたというのが、世間一般的な見方へと変化していきました

発見後も消えない疑惑・さらなる疑惑

この風潮は大和くんが保護された後も、なくなるどころかさらなる疑惑をもたらすことになってしまいました。

  • 7歳の子供に歩ける距離なのか?
  • なぜ、演習場にたどり着けた?
  • 30日の自衛隊の見回りの際には、なぜ発見されなかった?
  • 水だけで一週間近くも7歳の子供が生きて行けるのか?

その他、警察犬が発見できなかったことや、事細かな証言内容との違いもクローズアップされ何かにつけて事件性が注目されていました。

大和くんの証言

しかしその後、回復した大和くんの話により、当時の状況がおぼろげながらも明らかになっていきました。

  • 置き去りにされた後泣きじゃくっていたため、父親の車を追いかけたつもりが山道の方へ行ってしまった。
  • 夜の林道を5時間ぐらい歩いた。
  • 宿泊施設を見つけ、寒かったので中に入った。ドアのカギは開いていた。
  • 父親や母親が自分を探していると思い、そこでじっとしていることにした。
  • 一人でいる間は、誰にも会わなかった。

つまり大和くんが宿泊施設にたどり着けたのは、あくまでも偶然だったのです。道を知っていたわけでもなく、見えるわけでもない。ただひたすら歩き続けた結果、たまたまそこに宿泊施設があったのです。そして運良くカギが開いていたため中に入ることができ、偶然マットが置いたままになっていたのです。

そこからはまさに大和くんが本能のままに行動したことが、全てにおいてプラス方向に働いたのです。

  • マットで暖を取る。
  • その場から動かない(体力を消耗しない)
  • 水分を取る。

その結果、大和くんは無事保護され、この事件が第三者によるものではなく、運悪く行方不明になり、運良く無事発見されたものであったことが明らかになりました。

先入観がもたらした疑惑

こうして振り返ってみると、様々な疑惑をもたらす原因となったのは、やはり父親の嘘の証言が原因だと言えます。

それに加えて「しつけの為に置き去りにした」「日常的な虐待を疑われると思ったため、本当のことを言えなかった」、このような置き去りの理由と言い出せなかった理由がさらに人々の想像力を掻き立て、助長させてしまったのは間違いありません。

そして残念なことに、世の中が悲劇に注目するという風潮も、この事件を通して明るみになってしまったような気がします。これは一連の報道や、様々な書き込み、サイトを見てみても明らかです。

もし世の中がもっと違った目でこの事件を見つめていれば、大和くんはもっと早い時期に発見されていたのかもしれません。

置き去り・しつけ・虐待

そしてもう一つ議論を巻き起こしたのが、父親が取った置き去りという行動が、しつけなのか虐待なのかという捉え方です。

しかし思い返してみれば、世の中の様々な場面でこれと似たような場面は目にするものです。例えばスーパーやデパート、娯楽施設などで泣きながら親の後を追いかける子供の姿。もしくは何もできずにその場に立ち尽くしてしまう子供の姿。

「言うこと聞かないんだったら置いていくからね」
「悪いことばかりする子はそこにいなさい」
「わがままばっかり言ってると家に連れて帰らない」

何もこれらは今に始まったことではなく、大昔から見られたごく日常的なしつけの場面です。中にはこれと同じようなことをされた方、あるいは自分の子供にしたことのある方も、多数いらっしゃるのではないでしょうか?(私はどちらも経験があります)

確かに今回の事例は、自衛隊まで出動させてしまうという前代未聞の置き去りとなってしまいましたが、父親は常識の範囲内で大和くんを車から降ろした地点に引き返しています

これが放置を目的とした置き去りなら、それは虐待と呼べるでしょうが、しつけを目的にしていたのは明らかであり、虐待とは似ても似つかない行動であったと感じます。

大和くんの笑顔と言葉

病室で大和くんはこのような会話をしたと伝えられています。

・「お父さんのことは許す?」

・「お父さんは優しいから許すよ」

この大和くんの言葉ですら世間では様々な捉え方をされているようですが、この一言にすべてが込められていると私には感じられます。

  • 大和くんは事態の重大さを理解している
  • 大和くんは自分の身に起こったことを理解している
  • 大和くんは置き去りにされた理由を理解している
  • 大和くんはお父さんの優しさを理解している

若干7歳の子供が、たった一人で夜の林道を5時間も歩き、たった一人で6日間も家族が迎えに来てくれることを信じて待ち続けた。これを可能にしたのには大和くんの生命力の強さ、小学生らしからぬ判断力があったことは間違いありません。

また両親は30日の夜、捜索隊にこのような依頼をしていました。「山の上の方を重点的に探して欲しい」これは『当たらずとも遠からず』といったところでしょうか?

私にとってこの事件は、『お父さんは優しいから』と信じ続けた大和くんの想いが届いた奇跡そして大和くんを想う家族の願いが通じた結果であったと思えてなりません。

この大和くんと父親の笑顔を見ている限り。

田野岡大和 退院

田野岡大和 退院2

出展:毎日新聞

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