バイクの燃費ランキングはあてにならない?燃費のいい走り方とは?

ここのところまたしてもガソリン価格が高騰してきましたね。近年は世界情勢が不安定なこともあり、その影響もあってか原油価格の変動が特に激しい気がします。

また経済の悪化も私たちの生活に影響を与え、毎日のようにバイクや車を使う環境に置かれている方々にとっては、ガソリン価格から目を離すことができません。

そしてこのような時代背景の元、四輪車だけでなく二輪車においても低燃費=高性能ととらえる風潮が広がっています。

そこで今回は、バイクの燃費について少しお話しさせて頂きたいと思います。

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目次

そもそも燃費って?

そもそも燃費とは、燃料消費率を略した言葉です。

一般的に『km/ℓ』と表示され、その意味は『燃料(ガソリン又は軽油)1ℓで何km走行できるか?』ということです。

もちろん走行距離が延びれば伸びるほど『燃費がいい』と表現され、逆であれば『燃費が悪い』と表現されます。

ちなみに燃費を表す言葉で『低燃費』『高燃費』というものがありますが、

  • 低燃費=使う燃料の量が低い(少ない)=燃費がいい
  • 高燃費=使う燃料の量が高い(多い)=燃費が悪い

このような意味合いですので、間違わないように注意してください。

バイクのエンジン

さてここで基本となるもの、バイクのエンジン(原動機)の基礎について軽く説明していきたいと思います。なおここでは現代の二輪社会を考慮して、ガソリン4サイクルエンジンについてのみご説明させて頂きます。

そもそもバイクのエンジンは、ピストンの上下運動をコンロッドを介してクランクシャフトに伝え、そこで回転運動を発生させます。それを様々な動力伝達装置を使い、後輪を回転させることにより走行しています。

ここでパワーの源となるのがピストンの上下運動。大雑把に言えばピストンの上下運動を生み出しているのがガソリンなのです。(大雑把すぎですね^^;)

もう少し詳しく説明すると、ピストンの上の空間(燃焼室)に混合気(空気と気化したガソリンが混ざったもの)を送り、そこに火花を飛ばすことによって爆発を発生させます。

そうするとピストンは爆発力によって下に押し下げられますが、惰性によって再度上に上がってくるのです。この時に排気という作業が行われます。これは先の混合気が爆発することによって発生する燃えカス(排気ガス)を燃焼室から外へ出す作業です。

排気ガスを外へ押し出したピストンは、そのままの勢いでさらに1回転。再度上がってくるとまた爆発を起こすのです。

この一連の作業を連続して行うことで、エンジンは止まることなく動き続けます。

燃費をよくする=燃焼効率を上げる

それではいよいよ本題ですが、先のピストンを押し下げる際に混合気を爆発させるというのを思い出して下さい。

この爆発がより良いものになれば、結果として燃費の向上につながるのですが、そのためには大きく分けて以下の2点が要求されます。

  1. 爆発力は強い方がいい
  2. 使う燃料は極力少ない方がいい

これは何もガソリンエンジンに限ったことではありません。電化製品もそうですし極論してしまえば人間にも同様のことが言えます。『少ないエネルギーで大きな力を発生させる』これが理想であることはお分かりいただけるかと思います。

つまり燃費を向上させるためには『爆発の効率を上げる=燃焼効率を上げる』ということが要求されるのです。

そのため現在では様々な最先端技術が使われています。『インジェクション』『可変バルブ』『点火タイミング』など、どこかで聞かれたことがあるかもしれません。これらは全て燃費を向上しつつ理想的な力を生み出す為の技術なのです。

バイクの燃費に影響するもの

エンジン本来の燃費や性能は上記のような内容によって決まってくるのですが、最終的に燃費を決める要素は様々なものが存在しています。これらを順に見ていきたいと思います。

重量

これはひょっとすると最も影響するかもしれません。

例えば重量が2000㎏の車であれば、50㎏や100㎏重量が増えたところでそれほど大きな影響は考えられません。

しかし重量100㎏のバイクに体重50㎏の人が乗った場合と80㎏の人が乗った場合を考えてみれば。

先の車の例と合わせて考えてみると、その増加率は説明するまでもありませんね?

転がり抵抗

例えばバイクの車輪をその場で回してみた場合を想像してみて下さい。軽く回しただけで何回転もするものと、1回転もせずに止まってしまうもの。

どちらがより多くの力(燃料)を必要とするのかは明白です。

ちなみに空転させた場合だけでなく、路面との摩擦抵抗も影響してきます。摩擦抵抗が大きいほどより多くの力を必要とし、小さいほど少ないさい力で済みます。

路面状況

これは先程の摩擦抵抗にも影響しますが、坂道が一番分かり易いと思います。上り坂ではより多くの力が必要なのは説明するまでもありませんね?

しかも元が200ps(馬力)のエンジンと10ps(馬力)のエンジンを比べてみれば、上り坂を登る際10ps(馬力)のエンジンの効率がより落ちてしまうのは、先の重量と同じ理屈です。

風の抵抗

向かい風が強い日にその方向へ向かって歩くには、より多くの力が必要です。さらに雨が降ってきて傘を広げると、普段の何倍もの力が必要です。

バイクもこれと同じ目に遭っているのです。

しかもバイクの場合は自然の風だけではなく、走ることによって自らが発生させる『走行風』も受けています。

実際の使用下ではこれら様々な要因が影響して、そのバイクの燃費が決まってくるのです。

バイクの燃費ランキングはあてにならない?

さて記事のタイトルにも使わせて頂きましたが、ネットで検索してみると出るわ出るわ『バイクの燃費ランキング』

排気量別やカテゴリー別、実に様々なものがあって非常に参考になります。ただメーカーがカタログに記載している数値を順に並べただけのものが多いようです。

ここで一つお詫びですが『あてにならない』というのはちょっと言い過ぎです。私の捉え方としては『あくまで参考資料の一つ』というのが正しい言い方です。

その理由としてはバイクというのは使用される人や使用状況によって、大きく燃費が変わってしまう乗り物であるということ。さらにバイクの利点である『軽い』ということが燃費データという側面においては、不安定である要因となってしまうのです。

バイクの燃費を知るにはどうすれば良いか?

では実際のバイクの燃費を知るにはどうすれば良いか?理想はお住まいの近所に、燃費を知りたいバイクを保有されている方がいれば、その方から聞いてみるというのが確実です。様々な要点を自分の使用状況に置き換えることが可能です。

しかしそんな都合の良い例はそうそうはないかと思われますので、その際は近所のバイク屋さんで情報を集めるのが一番確実でしょう。

ちなみに私は、日常的にこのような会話を良くしています。

お客さん:「~ってリッタ○○km/hはしるんでしょ?」
私:「えっ?何で?誰に聞いたん?」
お客さん:「ネットで調べてん」
私:「あ~そう。いや、うちのお客さんからは聞いたことないですね、、、」

これが現実のようです。

バイクの燃費をよくするには?6つのポイント

それでは最後にバイクの燃費を良くする方法についてご説明していきます。

といっても先程の『バイクの燃費に影響するもの』にほとんどのヒントが書かれているのですが、より具体的に説明していきます。

要点は『燃焼効率を上げるように使う(乗る)』ということです。

1.しっかり暖機運転をする

ガソリンエンジンは温度が低いと燃焼効率が落ちるという特性があります。つまりエンジンをかけてすぐに乗り始めると、しばらくは非常に効率の悪い状態で運転しているということなのです。

それを避けるために運転前の暖機運転(エンジンをかけた状態で空ぶかし等をせずに放置しておく)は燃費を向上させるうえで非常に効果があります。

「暖機運転中のガソリンがもったいない」との意見もありますが、暖機不十分で運転する方が何倍ものガソリンを消費します。

なお暖機運転の時間については様々な環境があり一概には決められないのですが、私は最低ラインとして、

  • 夏場(5月~10月)=2~3分
  • 冬場(11月~4月)=5分

上記を推奨しています。お住いの地域の気温等によって参考にしてみて下さい。

2.アクセル操作を工夫する

これは特に排気量の小さいスクーター(125㏄以下)でよくお話しします。

このクラスのスクーターだと、出る速度や加速力にも6か月も使用すれば大抵の人は慣れてくるでしょう。具体的には『遅い』と感じ、無意識にアクセルを開けすぎる運転をしてしまいがちです。

特に発進時や上り坂等でよく見られます。

加えてスクーターはオートマチックによるベルト駆動(無段変速)を採用しており、これもロスやタイムラグが多いため効率を下げてしまいます。

これの改善は文章では説明しづらいのですが、『速度に合わせたアクセル開度』というのを心がけて見て下さい。

例えば50㏄のスクーターで言えば、『スタートと同時にアクセル全開』といった操作ではなく、『速度に合わせて徐々にアクセルを開けていく』といった感じです。

3、ミッション車は適正ギヤで

ミッション車はスクーターと違い、道路の状況や速度に合わせて自分でギヤを選択し、エンジンの回転数を選んで乗ることができます。

つまり『その状況で一番効率のいいエンジン回転数』を自分で選ぶことができるのです。

ただこれは経験によるところが多いため言葉には表しにくいのですが、一般的には『最大トルク発生回転付近』というのが、いちばん効率がいいと言われています。

4、タイヤの空気圧は適正値に

実はこれも燃費に大きく影響します。テレビCMなどではよく車のタイヤが宣伝されていますね。摩擦抵抗という部分に直接影響を与えます。

ここで注意点は『タイヤの空気圧は高すぎても低すぎても良くない』ということです。

どちらの場合にも燃費には悪影響を及ぼします。イメージとしては

  • 空気圧が低い=重すぎて押すのも一苦労するバイク。
  • 空気圧が高い=アスファルトの上をプラスチックのタイヤで走っているようなもの。滑って前に進みません。

5、余計な荷物は積まない

もちろん軽い方が燃費には有利です。近年はメットインの容量が拡大されたり、簡単に大きいリヤボックスが取り付けられたりと、何かと重い荷物を積んでしまいがちです。

しかしそれらが燃費に大きな影響を与えているということをお忘れなく。

ちなみに大きすぎるボックスは風の抵抗に対しても振りです。

6、バイクのメンテナンスはしっかりと

あなたのバイクの車輪は軽く回りますか?ブレーキが引きずっていたりしませんか?スパークプラグエアクリーナー、そしてエンジンオイルはエンジン本来の性能(燃費においても)を発揮させるためには、最も重要かつ基本となる部分です。

バイクのメンテナンスをきっちり実施して、本来の性能を引き出してあげて下さい。

最後に

以上、バイクの燃費について私の経験に基づく情報をまとめてみました。

バイクの燃費を向上させるには様々な部品をつけたりケミカルを使うよりも、使用方法を見直すことが重要です。

よろしければ参考にしてみて下さい。

ただ私の経験上、こちらは是非ともお勧めです。

ワコーズ フューエルワン

定期的に使用してエンジン内部をきれいにすることも、本来の性能を引き出す上では重要です。

実は私の愛車『デリカスペースギア』でも愛用しています。^^

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