パラワンオオヒラタクワガタのブリード再始動

みなさんこんばんは、鷹です!

11月に入り朝晩の冷え込みが日に日に増していますね。

季節の変わり目、特に今年のように急に冷え込む時は、どうしても体調を崩してしまいがちです。特にこれからは年末年始に向けて追い込みの時期となり、無理をしてしまうことも増えてしまうかもしれませんが、体調管理には十分気を付けて下さいね。

さて本題ですが、私が初めて飼育した外国産クワガタであるパラワンオオヒラタクワガタですが、ブリードを始めたころは何もかもがうまくいきませんでしたが、2期目はそれなりの個体が羽化してくれました。

ところで前回の投稿から少し時間は空いてしまいましたが、ようやく種親候補のオスが成熟してくれたため、先日からブリードを始動しています。

目次

種親のご紹介

それではまず今期のブリードで頑張って頂く種親をご紹介させて頂きたいと思いますが、パラワンのブリードも4ライン目になりますので、少しこれまでのブリードを振り返ってみたいと思います。

P-1ライン

こちらは私がはじめてパラワンのブリードにチャレンジしたラインで種親は、

  • オス=WD 92㎜
  • メス=CBF1 50㎜

という組み合わせでした。

オスはネット通販のショップから購入し、メスはヤフオクで落札させて頂きました。

2017年1月からブリードを開始しオス4頭・メス4頭の幼虫を飼育していましたが、私の管理・経験不足から無事成虫として後食まで持っていけたのは、メス1頭(約47㎜)のみでした。

P-2ライン

P-1ラインがメス1頭のみということで新たなオスが必要になったこと、そしてパラワンのブリードを継続していきたいとの考えから2017年11月に、新たにオス1頭・メス2頭を補強しました。

この3頭は全て同腹の兄妹で累代はCBF3です。

本来はP-1ラインのメスの成熟を待ってオスとペアリングさせる予定でしたが、ブリードラインを増やすという狙いもあったため、同腹ペア(CBF4)でのブリードを2017年12月から開始しました。

このラインからは2018年10月から12月にかけてメスが6頭、翌2019年6月には98㎜のオスが羽化してくれましたが、特にメスは50㎜~53㎜が3頭羽化し、メスの大きさが目立ったラインでした。

が、前回の記事でご紹介していた最後の1頭のオス。

こちらは残念ながらさなぎのまま☆となってしまいました。

P-3ライン

こちらはいよいよ待望のP-1ラインのメス(49㎜)を使用したラインです。

オスはP-2ラインと同じく98㎜のオスで、メスの成熟を待っていたため2018年3月からブリードを開始しました。

こちらのラインでは2018年10月~2019年3月にかけてメスが5頭、2019年6月にはオスが2頭完品羽化してくれました。

特にオスは101㎜と98㎜ということで、パラワンで初の100㎜越えを見ることができました。

P-4ライン

ということで今期はP-4ラインとなるのですが、いよいよ種親のご紹介です。

オスはもちろんこちら、

P-3ラインの101㎜のオスです。

そしてメスはこちら ,

メスもオスと同じP-3ラインになり、2019年3月末に羽化した約49㎜のメスになります。

実は当初メスに関してはP-2ラインで最大だった53㎜を予定していたのですが、これがなんと今年の初夏に突然死。P-2・P-3ラインの他のメスはブリードの予定がなかったため既に里子に出してしまっていました。

そのため残されたのはこのP-3ラインのメス1頭となってしまい、必然的に今回の種親に決定したというわけです。

やはり常にブリードを継続していくためには、数頭の種親候補を確保しておかなければいけませんね。^^;

いい勉強になりました。

またこのメスは羽化後半年以上経過していることもあって顎先が少し欠けていますが、私はパラワンの産卵セットには産卵木を使わないため、特に問題はないと思われます。

パラワンオオヒラタクワガタのハンドペアリング

ということでメスは既に十分成熟していましたが、6月19日羽化のオスが後食を開始してから2ヶ月が経過しました。

ゼリーを食べる量も増え動きもかなり活発に、そして何よりパラワン特有の狂暴性も見せ始めたことから成熟したと判断し、10月17日にハンドペアリンを開始しました。

メスがオスの下に潜り込んでいますが、まだこの時点では目視でのペアリングは確認できていません。

で、ここからはリスクもあるためお勧めできませんが、私はこれまでどの種でもペアリングの際に顎縛り等は行っておりません。

ただ注意していることは、

  • 必ずメスが隠れることができる場所を作る
  • 十分な成熟(最低でも羽化から3ヶ月以上)を確認する
  • 観察は最小限にし、できるだけ暗くて静かな場所でペアリングさせる

といったことです。

これは以前にも少し触れたことがありますが、自然界でのクワガタの行動を考えた上でのことです。

まず自然界では成熟していないオスとメスが出会うことはありません。また一度ペアリングしたメスは産卵行動に移るため、他のオスと出会うこともありません。

またオスとメスが交尾を行う際、自分の身に危険が迫ってくれば当然交尾を中止するでしょうし、そもそも危険を感じている状況で交尾することも考えられません。

確かにブリードを行う際はペアリングを目視できることが理想ですが、このようなクワガタの習性を考えると、なかなかそうもいきません。

そこで今回はペアリングケースでの同居は半日のみとし、翌日からはこちらのケースで同居させました。

元々オスを飼育していたケースです。

これも気休めかもしれませんが本土ヒラタクワガタは、縄張りを持っているオスのところへ複数のメスが集まってくることがあります。

それとよく似た環境を作るための苦肉の策ですね。^^;

すると翌日にはこのような様子に、

メスがハスクチップの中に隠れています。

そこでこれ以上の同居は必要ないと判断し、翌19日にメスを個別飼育へ切り替えました。

そしてメスにはたっぷりと栄養を蓄えて頂きます。

産卵セットの作成とメスの投入

今回はペアリングの開始と同時に産卵セットの準備を始めていました。

まずは1週間十分にガス抜きを行い、

今回は少し多めに幼虫を確保したいため、左側の少し大きめのケースを使います。

ニッソー プラケース 中 です。

これにマットを固く詰めていき、

今回は少しでも多く産卵スペースを確保するため、13㎝ぐらいの深さを確保します。

後は転倒防止の倒木そしてゼリーを入れ、最後にメスを投入します。

本来はセットを組んでから2,3日待った方が理想的ですが、この時期は飼育スペースもマットの置き場所もそれほど温度差がなかったため、すぐにメスを投入してみました。

最後にマットが乾燥しすぎるのを防ぐため、フタとケースの間に新聞紙を挟んで完成です。

後は暗い静かな場所において静観するのみですが、しばらく様子を見て産卵しない(ペアリングできていない)ようであれば、オスを産卵セットに投入したいと思います。

ちなみに今回も使用するマットは、DOSさんの3次発酵クワガタマットです。

最後に

産卵セットの管理も人それぞれですが、私はゼリーの劣化(腐敗)やメスの動向を観察するためほぼ毎日、もしくは1日おきに中の様子を確認するようにしています。

ゼリーには全く手を付けずマットの中に潜ったままのようです。

が、よくよく見てみると、

少し画像では見えにくいですが、僅か1日で早速産卵してくれていました!^^

とりあえずペアリングは成功、あとはメスがたくさん産卵していることを祈るのみですが、実は現時点では側面や底面に数個の卵を確認出来ています。

先程も少し記載しましたが、これまでのパラワンのブリードでは確保できる幼虫が少なかったため、今回はできるだけ多くの幼虫を確保したいと考えています。

その為割り出しは1ヶ月以上を予定していますが、ご報告を楽しみにしておいて下さいね。

^^