スマトラオオヒラタの幼虫、菌糸ビン飼育とマット飼育の経過②

みなさんこんばんは、鷹です!

今年初の試みとなる『スマトラオオヒラタの菌糸ビン飼育とマット飼育の比較』ですが、以前マット飼育組、数頭のマット交換を行った際には、予想以上に大きく成長していてくれました。^^

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ところで1月に菌糸ビン500㏄に投入して以来、静観(放置^^;)していた9頭ですが、そろそろ菌糸ビンの交換が必要な幼虫が見られるようになりました。

目次

遅すぎた?菌糸ビンの交換

それでは5月5日時点での菌糸ビン飼育組の様子がこちらです。

食痕の広がり具合にもばらつきがありますが、前列、左から2番目のビンはかなり目立ってしまいますね。^^;

それではちょっと並び方を変えてもう1枚。

上段の4本は今すぐにでも交換が必要な状況です。^^;

実は全く観察せずに放置していたわけではありませんが、どうもスマトラオオヒラタは居食いの傾向か強いようです。

そのため数日前まではほとんど幼虫の姿が見えず(←言い訳)、ここまで食痕は広がっていなかったのですが、幼虫の姿が見えるようになったと思ったらあっという間にこの有様です。^^;

下の5本はまだもう少し引っ張ることができそうですが、上の4本、特に左から2番目は今すぐにでも交換の必要があります。

そこで5月5日に急遽菌糸ビンを購入し、上段4本の菌糸ビン交換を行いました。

ちなみに菌糸ビンの外から幼虫を見たところ、上段の4本はオスで下段の5本はメスと思われます。

菌糸ビンの交換と幼虫の体重

というわけでゴールデンウィークの真っ只中、急遽菌糸ビンが必要になったわけですが、今回はいつものように菌糸ブロックを購入して菌糸ビンを作っている余裕なんてありません。

そこで今回は大阪府東大阪市にある『COLORS(カラーズ)』さんに出向いて既成の菌糸ビンを購入し、そちらを使用することにしました。

今回はビン越しに見ても幼虫もそこそこ大きくなっているようですので、800㏄の菌糸ビンを使ってみたいと思います。

さすがに既成の菌糸ビン、こうして見ているだけでも非常に綺麗に詰められているのがわかりますが、さらにフタを開けて中を見てみると、

やはり私が作ったものとは比べ物になりませんね。^^;

ということで事前に幼虫を入れるための穴を開けておきますが、幼虫の大きさを考慮して少し大きめの穴を開けておきます。

それではいよいよ幼虫を掘り出していきますが、ちょうどいいタイミングですので同時に体重測定も行っていきたいと思います。

まずはこちらから、

幼虫が暴れてオガを掻き回し、まるでマットが詰められているように見えますね。

こちらは外から幼虫の姿が見えませんので、少しずつ慎重に掘り出していきます。

すると、

空洞らしきものが見えます。

そしてさらに掘り進めていくと、

幼虫が姿を現しました。

そこそこの大きさのようですが、気になる体重はと言うと、

なんとか20g台にのってきましたね。^^

続いて2本目。

こちらは8割ほどが食べつくされており、外から幼虫の姿が見えます。

で、幼虫を取り出していきなり体重測定です。

先程より一回り大きめの22gでした。

3本目。

こちらは2本目とほぼ同じぐらいの食痕の広がりです。

慎重に掘り起こし幼虫とご対面。

今度は逆に少し小さめです。

やはり13gほどしかありませんが、菌糸ビンに投入しながらよく観察してみると、

あら?

あらら?

卵巣っぽいものが見えますが、、、、

これはメス、ほぼ確定ですね。^^;

それでは最後、

こちらも約7割~8割ほどの食痕の広がりですが、外から幼虫の姿が全く見えません。

ということで3本目ということもあり、期待もせずに掘り起こしていくと、

あれ?

ひょっとして今までで一番大きいかも。^^

頭部も大きくてこれはちょっと期待が持てそうですが、体重の方は?

やはり思った通りでしたが、これまでの菌糸ビン飼育組で最大の26gありました。

ということで今回新たな菌糸ビンへ移動させた幼虫のうち、最大は26gでした。

マット飼育組の変化

とりあえずは菌糸飼育組も順調に育ってくれているようです。

ところでマット飼育組はと言うと、一部の菌糸ビンで少し驚くような変化が見られるようになりました。

これは間違いなく蛹室を作っているようです。^^;

比較のために外から幼虫の姿が見え、蛹室を作っていないと思われる菌糸ビンと並べてみると、

間違いありませんね。^^;

マット飼育組でこのような変化に気づいたのは5月初旬のことだったのですが、蛹室を作っていると思われる個体は外から見る限りではほぼ同じ大きさのようで、すべてメスだと思われます。

この幼虫たちは12月の下旬に割り出しを行いましたので、孵化から約4~5ヶ月での蛹化ということになりそうです。

5月7日時点で5頭が蛹室を作っているのが確認できました。

そしてさらにもう1頭。

これは5月10日のことですが、マット飼育組で1頭、幼虫がマットの上に上がってきていることに気が付きました。

こちらの幼虫は3月22日に8gで800㏄のビンに投入したのですが、外から見る限りではかなり大きくなっているようです。

どちらにしてもマットの上に上がってきており、マットの交換も必要なようですので、移動がてら体重を測ってみることにしました。

まずは取り出しから。

かなり押し上げられたマットを少しずつ取り除いていくと、少しずつ幼虫の頭部が見えはじめました。

さらにマットを取り除き、いよいよ幼虫とご対面。

この時点で想像以上の大きさです、、、

さらに『これでもか!』というくらい威嚇してきます。^^;

手を近づけるのも危険なくらいですが、とにかく体重測定を、

なんと驚きの36g!

菌糸ビン飼育組を10gも上回るという結果となり、2か月足らずで28gも増量しているという、驚きの結果が得られました!

これには使っているマットの効果もあるようですが、改めてDOSさんの3次発酵クワガタマットは、安価ながら効果絶大なようです。^^

最後に

こうして一つの産卵セットから取り出した幼虫たちに違った飼育方法を行ってみると、本当に色々な新しい発見があります。

まだまだ飼育データは十分ではありませんが、

  • 菌糸ビン飼育組=管理温度:約23℃
  • マット飼育組=管理温度:約25℃~26℃

ということもあり、両者の成長速度の違いは単に『菌糸』『マット』ということだけではなく、『管理温度』も大きく影響しているように思えます。

そう考えると一般的によく言われる、

『3齢初期までは比較的高温で管理し、その後は低温で管理する』

という飼育方法は、非常に理にかなっていると考えられます。

そうなれば次に興味をそそられるのは、

『高温管理下での菌糸ビン飼育とマット飼育の差』

ということなのですが、これは次回のブリードでぜひともチャレンジしてみたいと思います。

とりあえず今回の菌糸ビン飼育とマット飼育の比較は続けていきますが、マット飼育組では早くもメスが蛹化の準備をしていることもあり今後注目していきたいのは、

  • 菌糸ビン飼育組がどこまで成長してくれるのか?
  • マット飼育組のオスたちがいつ蛹化するのか?

ということです。

菌糸ビン飼育組は成長速度そのものはゆっくりですが、そのスピードで今後どこまで大きく育ってくれるのか?

そしてマット飼育組は早期羽化せずにどこまで大きく育ってくれるのか?

今後も報告していきますので、楽しみにしておいてくださいね。^^