みなさんこんばんは、鷹です!
10月に入った途端、急に涼しくなりましたね。
というより朝晩はかなり冷え込んで少し寒いぐらいです^^;。まあ当然と言えば当然なんですが、やはりこの季節が来ると毎年少し寂しくなってしまいます。
ところで私は国産クワガタについては、夏の暑さを避けるために約27℃前後を維持できる『自作温室兼保冷庫』で飼育しています。
しかし季節の移り変わりを感じているのでしょうか?
夏場あれだけ元気に動き回りゼリーを食べていたクワガタたちも、ここのところ少し落ち着いた様子を見せるようになりました。
また今後は気温も下がり急激に冷え込むことも予想されますので、今後は常温飼育に切り替え、越冬(冬眠)の準備を始めることにしました。
目次
クワガタの越冬(冬眠)
皆さんご存知かもしれませんが、クワガタやカブトムシなどの『甲虫』は爬虫類などと同じ『変温動物』で、外気温が下がると体内の温度も下がり、それとともに運動機能も低下してしまいます。
そのため元々成虫寿命が数か月という種は別として(代表的なのはノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ等)、成虫として数年活動できる種(主にオオクワガタ、コクワガタ等のドルクス属)は、外気温が下がり運動能力が低下すると、少しでも体温を確保できる場所(木の洞の中等)に身を隠し、体力の消耗を抑えて寒い冬を乗り越えることが可能なのです。
これが一般的に言われるクワガタの越冬(冬眠)で、クマなどの哺乳類の冬眠とは少し意味合いが変わってきます。
またクワガタが越冬(冬眠)に入ってしまう気温には種によって若干の違いはありますが、概ね18℃~15℃前後と言われており、10℃前後になると完全に越冬(冬眠)体制に入ってしまうようです。
ちなみにクワガタの成虫は活動すればするほど体力を消耗し、寿命が短くなると言われています。
自然界においては『餌場やメスの取り合い』・『外敵から身を守る行動』・『繁殖活動(交尾)』などにより、多大な体力を消耗してしまいます。
しかし飼育下においては、『個別飼育』・『計画的な繁殖活動』などを行うことによって、意図的に体力の消耗を抑えることができます。
また温度管理を行えば越冬(冬眠)する種であっても1年中活動を続け続けますが、その分体力を消耗し寿命が短くなる傾向があります。
そのため少しでも長生きさせたいのであれば、自然界と同じようにしっかりと越冬(冬眠)させる必要があります。
クワガタの越冬(冬眠)の方法
さてそれではクワガタを越冬(冬眠)させる方法ですが、基本的な方法としてはそれほど難しいものではありません。
ただいくつか注意点がありますので、ここではそれについてご説明させて頂きたいと思います。
1:飼育環境の温度
まずクワガタを越冬(冬眠)させるには当たり前のようですが、『しっかりと越冬(冬眠)させる』ということが重要になってきます。
クワガタを越冬(冬眠)させる場合、ほとんどの方は『雨ざらし』のような場所で飼育されることはないかと思います。
多くの場合は『室内』、もしくは屋外であっても最低限、雨は凌げる場所で飼育されると思いますが、ここで気を付けなければならないのが『最低・最高気温』です。
国産のクワガタは自然界の厳しい環境下で越冬(冬眠)しますので、基本的には低温にも非常に強く、0℃を下回らなければ、ほぼ問題はありません。
そのため室内で飼育していれば低温に関してはそれほど気を遣う必要もありませんが、注意が必要なのは『最高気温』で、種によっては15℃前後で活動を始めてしまうこともあります。
実際、私の飼育経験においても、コクワガタやオオクワガタが12℃前後の気温でゼリーを食べている姿を何度も目にしたことがあります。
つまりしっかりと低温を維持できる場所で飼育しなければクワガタが冬眠中に目覚めて、活動してしまうことがあるということなのです。
クワガタを越冬(冬眠)させる際はしっかりと低温(できれば10℃以下)を維持できる場所で飼育し、途中で目覚めて余計な体力を使ってしまわないように注意が必要です。
湿度を保つ
何もクワガタが自ら水分を摂取するわけではありませんが、カラカラに乾燥した状況はクワガタにとって良くありません。
実際にこのような環境下では最悪死に至ってしまうこともあるようですが、これはクワガタが自ら体温を調節できないこととも関係があるようです。
もしかすると体内の水分まで失ってしまうのかもしれません。
そのためマットに十分な水分を含ませ、適度な湿気を与えてあげることが必要です。
身を隠す場所を作る
自然界でクワガタが越冬(冬眠)する際は、木の洞の中などに身を隠しています。
これは外敵から身を守るという意味合いもありますが、本能的に気温変化の少ない場所を好んでいるとも考えられています。
そのため飼育下での越冬(冬眠)の際も、飼育ケースの中に樹皮や登り木などを入れてあげ、身を隠す場所を作ってあげることが好ましいです。
また越冬時期のクワガタは、気に入った場所を見つけるとなかなかそこから動こうとはしませんが、逆に居心地が悪いとより良い場所を求めて動き回ってしまうこともあります。
以上のようなことから飼育ケース内には、必ずクワガタの体が十分隠れるだけのスペースを確保してあげ、越冬期間中はたとえ気になってもむやみやたらと取り出したりせず、そっとしておいてあげることが重要です。
エサを切らさない
基本的にクワガタは越冬(冬眠)前に十分な栄養を摂り、飲まず食わずで寒い冬を乗り越えます。
そのため越冬(冬眠)から目覚めた直後は、かなり長時間の間、食事を摂っている姿がよく見られます。
ただ飼育下においては保管場所によってやむを得ず気温が上がってしまうことや、様々な要因によってクワガタが活動を開始してしまうこともあります。
そのため、いつクワガタが活動し始めても大丈夫なように、エサは絶えず入れておくことをお勧めします。
しかし昆虫ゼリーを使えば気温の低い冬場は劣化も少なく、交換頻度は1週間~2週間に1回程度です。また活動時期のようにたくさんの量を与える必要もありませんので、半分に切って使えば経済的です。
特にエサに関しては、
- 冬眠に入る時期=10月~12月初旬
- 冬眠から目覚める時期=3月~5月ごろ
までは要注意です。
この期間は例え全く消費がなくても、絶えずエサを入れておくことをお勧めします。
クワガタの越冬(冬眠)の準備
さてそれでは、我が家では先日、国産クワガタたちを越冬(冬眠)用の飼育ケースへ移動させましたので、そのご報告であのす。
越冬(冬眠)用飼育ケース
私はクワガタの越冬(冬眠)の際は、こちらの飼育ケースを利用しています。
クワガタの大きさに合わせて、3種類の深さの物を用意しています。
ふたには無数の穴を開け通気性を確保していますが、こうすることによってある程度の湿度も保て、頻繁に水分を補給する手間も省けます。
コクワガタ
コクワガタは現在3頭飼育しています。
今年のブリードに使用したカップルと、同じくブリードに使った7月採集のメスです。
コクワガタは基本的に体が小さいため(左端のオスで約49㎜)、飼育ケースも小さいものが利用できます。
また隠れ家としては上の画像のような樹皮であれば大きさも十分です。
ヒラタクワガタ・メス
次にヒラタクワガタのメスですが、こちらは昨年知人から譲り受けた1頭と今年我が家で羽化した4頭、計5頭が今も元気に暮らしています。
ヒラタクワガタもメスに関してはコクワガタよりも一回り大きくなったぐらいですので、飼育ケースも画像のような大きさのものであれば全く問題ありません。
ヒラタクワガタ・オス
続いてヒラタクワガタのオスですが、こちらは現在3頭飼育しています。
左と中央の2頭は昨年の秋に知人から譲って頂いた個体で、右端は今年我が家で羽化した個体になります。
ヒラタクワガタのブリードに関しては今年はいまいちな結果となってしまいましたが、3頭ともよく頑張ってくれました。
特に昨年我が家へやってきた2頭は2度目の冬を迎えることになりますが、できればこの冬を乗り越えて来年も元気な姿を見せて欲しいものです。
ちなみにヒラタクワガタのオスは左から『約40㎜』・『約65㎜』・『約59㎜』ほどの体長で、飼育ケースは昨年も使用したものになります。
オオクワガタ・メス
オオクワガタのメスは4頭です。
いずれも昨年の秋に我が家へやってきた個体で、今年は2度目の冬になります。
ただ2頭は今年よく産卵してくれましたのでこの冬はどうでしょうか?
オオクワガタ・オス
最後はオオクワガタのオスです。
こちらは今年我が家で羽化した2頭(中央と左)と、昨年の秋に我が家へやってきた1頭です。
今年羽化した2頭ははじめての冬ということになりますが、来年はブリードさせたいと思っていますので、この冬は十分休養させたいと思います。
また昨年の秋に我が家へやってきたオスは、今年のブリードで大活躍してくれました。
2度目の冬になりますが何とか乗り切って、来年も元気な姿を見せて欲しいですね。
ちなみにオオクワガタのオスも、昨年越冬(冬眠)に使用した飼育ケースを今年も使用しています。(大きさはいずれも70㎜前後です)
最後に
飼育ケースの入れ替えも完了し、現在は全て『自作温室兼保冷庫』から常温の場所へと移動させました。
中には今年が2度目の冬という個体もおり、乗り切れるかどうか気がかりではありますが、来年の春を楽しみにしておきたいと思います。
ただこちらにも2度目の冬を迎えるクワガタたちがいます。
この飼育ケースはコクワガタを集団飼育しているもので、現在、6頭のオスが生活しているのですが、全て昨年の夏に採集した個体になります。
つまり今年は2回目の冬ということです。
WDの個体がどこまで長生きしてくれるのか?
私の過去の経験ではWDのコクワガタが2度目の冬を越したことはありませんでしたが、いずれも今現在はとても元気に活動していますので、少しは期待できるかもしれませんね。
コメント
とても参考になります。我が家では最近三階に移動させたのですが、20~28℃です。東京ではここ何日か暑いので、先ほど見に行ったら夜なのに28℃でびっくりです。
産卵セット組んでるのですが、夜中に♀がウロウロ、ブンブンしてるのですが、こんなもんですかね?
コメントありがとうございます!
記事を参考にしていただき、とても嬉しく思います。
ただあくまでも飼育事例の一つであって、
地域や飼育環境によって変わってくる部分もあるかと思います。
クワガタたちをよく観察して、それぞれに合った飼育方法を探してみて下さい。
ところで産卵セット内のクワガタのメスですが、
あくまで私の飼育経験からになりますが、
その行動は個々それぞれで多様であると感じています。
基本的に夜行性であるため、
夜になれば地上に出てきてゼリーを食べたりするのはよく見られます。
ただ産卵しているのであれば飛び回ることはほとんど見られないと思います。
いずれにしても産卵に関しては
ケースの底や側面からしか判断のしようがありませんし、
全く見えなくても産卵している場合もあります。
その為一度産卵セットを組んだのであれば1か月はメスを入れておき、
痕跡がなければメスを取り出す際に割り出しを行ってみてはいかがでしょうか?
無事、産卵してくれているといいですね。
今年から、孫が虫好きで、採集飼育しています。いつも参考にさせていただいています。
特に今年はカブトムシの幼虫が捕れまして、飼育方法参考になりました。
今現在カブト、ミヤマ、ノコギリは死ぬ前に捕獲場所に逃がしまして、ヒラタ、オオクワ
を越冬させようと考えています、で上記の中の保湿ですが、最初にマットに水分を与えた後、どうしたものでしょうか? 適時に霧吹き等で水分補給するのか、春までほっておくのかいかがなものでしょうか? 何分初めてなもので簡単な質問で申し訳ありませんが宜しくお願いします
やすみん様
コメントありがとうございます。
また、ブログを参考にしていただいているようで、
重ねてお礼申し上げます。
さて『保湿』の件ですが、
あくまでも『私が実践している方法』としてご説明させて頂きます。
最初に水分を入れながら十分にかき混ぜたマットを入れますが、
(目安としては手で握ったときに塊ができ、水が染み出てこない程度です)
その後は1週間に1回ぐらいの割合で中の様子を確認しています。
そこでもしマットが乾燥しているようであれば霧吹きで水分を補給しますが、
この時は『水分の与えすぎ』にも注意が必要です。
そのため私はそれを避けるために軽くマットの表面をめくり、
もし1㎝以上乾いているようであれば水分を与えるようにしています。
ただもしお時間があればブログ内の過去の記事もご覧いただきたいのですが、
昨年から今年にかけての越冬では、
1度も水分を補給することがありませんでした。
これは飼育容器や3月頃からブリードの都合で、
自作温室内に移動させたという理由もあります。
いずれにしても3月下旬まではそれほど補水する機会はないと思われますが、
ポイントはあくまでも『軽く湿っている』ということです。
不安かもしれませんが、ぜひともチャレンジしてみて下さいね。
ご返答ありがとうございました
越冬している間は、いじらないのが良いのかと思い質問させていただきました
適度な保湿でチャレンジしてみます