日本には意外と多くの種類のクワガタが生息していますが、世界に目を向けるとさらに数え切れないほど多くのクワガタが存在しています。
さらに日本とは気候や自然環境が違うことから、様々な形や色、そして驚くほど大きなクワガタも存在しています。
近年は輸入量も多く飼育技術も進歩していることから、ひと昔前から比べるとより身近な存在になってきたと言えるでしょう。
今回はそんな海外に住むクワガタの中でも1,2を争う強さを誇る『スマトラオオヒラタクワガタ』をご紹介したいと思います。
目次
スマトラオオヒラタクワガタの生息地
スマトラオオヒラタクワガタはその名が示す通り、インドネシアのスマトラ島に生息しています。
スマトラ島はほぼ島の中心部を赤道が通っており、気候は高温多雨の熱帯雨林気候となっています。また島の多くに広大な密林や湿地帯が見られ、多種多様な生物が生息していることでも知られています。
スマトラオオヒラタクワガタの特徴
スマトラオオヒラタクワガタとは?
スマトラオオヒラタクワガタは、
『コウチュウ目・クワガタムシ科・オオクワガタ属・ヒラタクワガタ亜種』に属しており、世界中で20種類以上存在しているヒラタクワガタの一種です。
つまりオオクワガタやコクワガタと同じドルクス属で、日本に住むヒラタクワガタの仲間ということになります。
スマトラオオヒラタクワガタの有名産地と内歯
スマトラオオヒラタクワガタはスマトラ島全域に生息していますが、有名な産地として知られているのは北部から、
- アチェ
- リアウ
- パダン
- ベンクル
などがあります。
スマトラオオヒラタクワガタのオスの大きな特徴として『山地によって内歯の位置が異なる傾向がある』というのがあります。
内歯というのは画像赤丸の大きな歯のことで、これが大顎の先端方向にあれば『内歯上がり』、大顎の根元方向にあれば『内歯下がり』と呼ばれています。
一般的にはスマトラ島の北部(アチェ)では内歯下がりの個体が多く見られ、南部(ベンクル)ではウチバ上がりの個体が多く見られる傾向があるようです。
また内歯が大顎の中間位置にある個体も見られ、リアウ・ペダンなどで多く見られる傾向があるようです。
ただしこれらはあくまでも『傾向』で、必ずしもこうなるとは限らないようです。
ちなみに日本ではアチェなどで特見られる『内歯下がり』の個体が人気があるようです。これはあくまでも好みによるものですが、内歯下がりであれば大顎がより太く見えるというのが影響しているようですね。
スマトラオオヒラタクワガタの特徴
スマトラオオヒラタクワガタの最大の特徴は、やはりその大きさと凶暴性でしょう。
ヒラタクワガタの仲間であることから体はかなり平べったいですが、大きなオスは自然界でも100㎜を超え横幅もかなり太くなります。
長さだけで言えばパラワン島に住む『パラワンオオヒラタクワガタ』が最長と言われていますが、体や大顎の幅はそれを凌ぐほどに太くなります。
全体的な印象としては『オオクワガタとヒラタクワガタ中間』といった体形をしているようにも見えます。
性格もかなり攻撃的で狂暴、これは日本のヒラタクワガタと同様です。さらに大顎の筋肉も強力で挟む力も強大なことから、クワガタの中パラワンオオヒラタクワガタと並んで『最強』とも呼ばれています。
スマトラオオヒラタクワガタの飼育
スマトラオオヒラタクワガタはその迫力もさることながら、比較的丈夫で繁殖も飼し易いことから、日本でもかなりの数が流通し飼育されている方もたくさんおられます。
基本的な飼育方法は日本のヒラタクワガタとほぼ同じで大丈夫ですが、押さえておくポイントとしては以下のようなものが挙げられます。
飼育温度
成虫:23℃~25℃前後
幼虫:18℃~25℃前後
スマトラオオヒラタクワガタは熱帯雨林気候の地域に生息しているため越冬(冬眠)できません。そのため幼虫・成虫共に温度管理が必要になってきます。
特に日本の冬の気温には全く対応できませんので、冬場の温室は必ず必要になってきます。
ちなみに成虫であれば20℃、幼虫であれば16℃を下回らないように管理が必要です。
寿命
幼虫:10か月~12か月
成虫:1年~2年
飼育環境や温度管理、またオスやメスによってこれらは変動してしまいますが、基本的には幼虫期間を含めると2年~3年は平均して飼育することになります。
成虫に関しては冬眠しない分だけ日本のヒラタクワガタより短いといった感じです。
最後に
大きくて強いスマトラオオヒラタクワガタは、日本に生息しているクワガタたちにはない程の迫力と魅力を兼ね備えています。
一度実物を目にするとその迫力に圧倒されることでしょう。
飼育もし易くて入手も容易なことから是非とも一度は飼育してみたいクワガタです。
ただしスマトラオオヒラタクワガタは本来、日本に生息しているクワガタではありません。飼育する際は絶対に放虫などせず、最後まで責任をもって飼育していきましょう。
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