パラワンオオヒラタクワガタの基礎知識

パラワンオオヒラタ
パラワンオオヒラタ

クワガタの魅力には様々な種類があります。

もちろん好みというものは人それぞれなのですが、色・形・大きさ・生態・性質などなど。クワガタが我々人間を惹きつける要素というのは本当にたくさん存在しています。

その中でもクワガタは昆虫という種族の中ではカブトムシと並んで頂点に位置する存在であることから、やはりその大きさや強さに惹かれてしまうというのは、少なからずともクワガタ好きならば誰しもが抱いてしまう魅力ではないでしょうか。

そこで今回は狂暴なことで知られるヒラタクワガタの一種であり、その中でも世界最大とも言われている、『パラワンオオヒラタクワガタ』をご紹介したいと思います。

目次

パラワンオオヒラタクワガタの生息地

基本的にクワガタやカブトムシの仲間は、生息地や有名な産地から名前が付けられているものが多いです。

パラワンオオヒラタクワガタもその一種で、生息しているのはフィリピンのパラワン島になります。

パラワン島はフィリピンの南西部に位置し、『フィリピン最後の秘境』と呼ばれるほどに多くの自然が残された島です。

北東から南西に伸びた比較的永細い島で、北部・中部・南部で気候が分かれているのも特徴です。

  • 北部=サバナ
  • 中部=熱帯モンスーン
  • 南部=熱帯雨林

パラワンオオヒラタクワガタの特徴

パラワンオオヒラタクワガタとは?

パラワンオオヒラタクワガタは『コウチュウ目・クワガタムシ科・オオクワガタ属・ヒラタクワガタ亜種』に属しており、世界中で20種類以上存在しているヒラタクワガタの一種です。

もちろんオオクワガタ属であることからドルクス種で、日本に住むヒラタクワガタとも近い種類になります。

確かに形状をよく見てみると、若干スマートな体形や長めの大顎など、日本のヒラタクワガタをそのまま大きくしたような印象を受けます。

同じオオヒラタクワガタの仲間でも、その体系はスマトラオオヒラタクワガタとは少し違っているのがお分かりいただけるかと思います。

パラワンオオヒラタ

スマトラオオヒラタ

本土ヒラタ

パラワンオオヒラタクワガタの産地

現在、日本国内で流通しているパラワンオオヒラタクワガタは、ほとんどがブルックスポイント産のものです。

ブルックスポイントのガントン山で採集されたものがほとんどのようです。

それ以外ではリザルマンタリンガハン山のものも流通しているようです。

ただブルックスポイントもリザルもパラワン島の南部に位置しており、この辺りは熱帯雨林気候であるため大型のパラワンオオヒラタクワガタが生息しているのではないかと考えられます。

またこれ以外の産地はほとんど見られないため、パラワン島の中部から北部にはあまり生息していない、もしくは大型の個体は見られないのかもしれませんね。

例えるならば日本の本土ヒラタクワガタが関東地方より西で多く見られるようなものでしょうか?

ちなみにパラワンオオヒラタクワガタに関しては『ブルックスポイント産』『ガントン山産』と表記されていることが多いですが、ガントン山というのはブルックスポイントにある山のことです。

例えるなら『富山産』『富士山産』のようなものですね。

そのため呼び名だけの差で、大きな差はほとんどないと考えても差し支えなさそうです。(ほとんどがガントン山で採集されているようです)

パラワンオオヒラタクワガタの特徴

パラワンオオヒラタクワガタの特徴は、何といっても世界最大のヒラタクワガタであるということです。

横幅や太さではスマトラオオヒラタクワガタに一歩譲るようですが、体長そのものはパラワンオオヒラタクワガタの方が大きく、最も大きくなるオスの個体では体長110㎜mを超えるものも存在しているようです。

また他のヒラタクワガタと同様(というより飛びぬけて)気性が荒く、大変狂暴であることも知られています。

さらにその巨体に似合わず、動きが俊敏であることも特徴の一つとして挙げられます。

よく比較対象とされるスマトラオオヒラタクワガタと比べてもその差は歴然で、威嚇対象に対しても瞬時に向きを変えたり襲い掛かったりします。

パラワンオオヒラタクワガタの飼育

巨大・狂暴・さらに俊敏と、とても危険なクワガタであるパラワンオオヒラタクワガタですが、飼育そのものは比較的容易な部類に入ります。

日本のヒラタクワガタと違い比較的暖かくて四季のない地域に生息しているクワガタですから、当然のように越冬(冬眠)をすることはできません

そのため冬場は温度管理が必要になりますが、一般的には10℃を下回らなければ大丈夫だと言われています。

ただ理想とされる温度は、20℃前後が最適であると言われています。

また幼虫に関してはもう少し温度が高い方が理想で、20℃以下を避けて23℃~25℃前後が理想であると言われています。

寿命に関してはスマトラオオヒラタクワガタとほぼ同じで、

  • 幼虫=10か月~12か月
  • 成虫=1年~2年

というのが平均的な寿命のようです。

最後に

大きくて強く、さらに俊敏さまで兼ね備えたパラワンオオヒラタクワガタ。

スマトラオオヒラタクワガタと1・2を争う人気と強さを誇っており、とても日本のヒラタクワガタと同種であるとは思えない程の迫力を兼ね備えています。

飼育もし易くて入手も容易なことから是非とも一度は飼育してみたいクワガタです。

ただしパラワンオオヒラタクワガタは本来、日本に生息しているクワガタではありません。飼育する際は絶対に放虫などせず、最後まで責任をもって飼育していきましょう。

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