バイクの保険 基礎知識

基礎知識

みなさんこんばんは、鷹です!

バイクを購入した時や譲ってもらった時、もちろん運転する時もそうですが必ず頭に『保険』という文字が浮かび上がってくると思います。『バイクを所有するには保険に入らなければならない』これは皆さんもちろんご存知ですよね?

Q:なぜ保険に入らなければいけないの?

A:法律で決まっているから

Q:どんな時に必要なの?

A:事故を起こした時?

Q:では誰にどのようにして支払われるの?

A:、、、、、、、。

割とよくかわされる会話です。

皆さんバイクを所有する際には、保険に加入しなければいけないということはよくご存じなのですが、実際どのような保険があってどのような時に保険金が支払われるのか?となると、詳しくお答えできる方は少数のようです。

そこで今回はバイクの保険の種類とその役割について、基礎的なことをお話ししたいと思います。

目次

そもそも保険って何?

皆さんは保険についてどのように解釈されているでしょうか?

『保険料を払う』

『事故を起こした時にお金を貰える(払って貰える)』

このように考えてはいないでしょうか?

もちろん間違ってはいませんが少しお堅い話をすると、そもそも保険とは『貯金』という概念を持っています。

通常保険に加入するには『保険料の支払い』が必要になります。これをすることによって加入者は定められた期間内、補償を受けることが可能になります。

例えば○○保険会社のバイクの保険に、10,000人の人が10,000円の保険料を払い込んで保険に加入したとします。そうすればそこには100,000,000円(1億円)のお金が集まることになります。そして仮に加入者の中の1人が100万円を支払わなければならない事故を起こした場合、集められた1億円の中から100万円が支払われるという仕組みになっています。

実際に集められる保険料には保険会社の利益(人件費や運営費)等が加味されていますが、このような仕組みの元に『保険』というサービスが成り立ち保険会社が運営されているのです。

しかし実際には様々な要因が絡んできます。事故をよく起こす人、全く起こさない人。事故が多い年度、少ない年度。特に何十年も保険に加入しながら一度も事故を起こしたことがない人は、保険料を支払うのみでその恩恵を受けることはありません。

そのため『保険料』=『保険会社に支払うお金』と捉えてしまいがちですが、保険とは万が一に備え多数の人が集まって共同で行っている貯金。そしてそれを管理・運営しているのが保険会社というわけです。

何のために保険に加入するの?

ではなぜ保険に加入しなければいけないのか?

これには大きく分けて2つの理由があります。

1.被害者救済のため

普段日常的にバイクを使っている人でも、いつ何時事故を起こしてしまうか分かりません。

そして万が一バイクを運転していて事故を起こし、被害者(けが人)を出してしまった場合、バイクの運転手は被害者に対して様々な補償をする責任が発生します。これが『賠償責任』と呼ばれるものです。

この時の賠償額は事故の状況や被害者の状況によって様々ですが、一般的にはかなりの高額となってしまうケースが多いものです。そしてそれは多くの場合、一個人が支払える額を超えてしまうケースがほとんどです。

こういった事態に陥った場合『被害者が十分な補償を受けられない』ということを極力防ぐために保険が存在しています。

また自分がバイクに乗っていて事故に遭った場合、自分が被害者となってしまうケースもあります。この時相手から十分な補償が得られればいいのですが、必ずしもそのようになるとは言えません。

その為こういった際に、自身を守るための保険も存在しています。

2・加害者救済のため

図らずも事故を起こし加害者となってしまった場合、運転者には様々な責任を負う義務が発生します。(基本的には民事上の責任と刑事上の責任)

そしてその際の金銭的責任(負担)を少しでも低減するための保険というのも存在しています。

バイクの保険の種類

それでは実際にバイクに関係する保険とはどのようなものがあるのか?これには大きく分けて以下の3つの保険が存在します・

1・自賠責保険

正式には『動車損害保険』と言います。(黒文字の部分を取って自賠責保険と略して呼ばれることが多いです)

これはバイクの所有者または使用者すべてに加入が義務付けられています。つまり自賠責保険に加入していないバイクで行動を走ることは違法になります。

また軽二輪(126㏄以上~250㏄まで)は自賠責保険に加入していなければ、ナンバープレートを取得することはできません

小型二輪(251㏄以上)も同様ですが、こちらは新たなナンバープレートの交付を受けられないだけでなく、継続検査(車検)を受けることもできません。(つまり公道を走ることはできないということです)

自賠責保険の目的は被害者救済というところにあります。

つまり例を挙げて説明すると、バイクを運転していて自分の過失(悪さの度合いと考えて頂ければ良いかと)によって事故を起こしけが人を出した場合、その被害者(けが人)に対して治療費や慰謝料が支払われます。

この時注意すべき点は、

  • あくまでも相手に対して補償される保険である。
  • 対人(人に対するけがや後遺障害など)のみが補償され、対物(相手の乗り物や持ち物など)には一切保証されない。
  • 加入者本人には例え過失がない場合や、被害者となってしまった場合でも補償されない。

つまりあくまでも相手の人(対人)のみを補償する保険であるということです。

2.任意保険

先の自賠責保険は対人のみの補償で、その保証額も現実的には十分であるとは言えません。しかし実際に事故を起こしてしまった場合は、対人のみならず対物の賠償責任が発生することがほとんどで、自身も何らかの被害を受けてしまうケースも多数見られます。

これらを金銭的に補うために、補償内容等を事前に組み合わせ加入するのが任意保険です。

この保険の加入はその名のとおり任意(自由)で、加入を義務付けられている訳ではありません。しかし現代社会が交通事故を切り離して生活することが困難な状況や、近年の様々な要因による、事故を起こした際の賠償額が増加している状況などから、加入率は非常に高いものとなっています。

任意保険は通常、幾つかの保険の目的を組み合わせて加入するのがほとんどで、一般的な組み合わせは以下のようになっています。

  • 対人補償(人の治療費や慰謝料など)
  • 対物補償(事故を起こして賠償すべき物に対する補償)
  • 搭乗者傷害(自分自身や同乗者のけがなどに対する補償)
  • 車両保険(事故により損害を負った、自身のバイクの修理等の補償)

ちなみにバイクの場合は、車両保険の加入率は大変低いものとなっています。この理由としては

  • 保険料が以上に高い
  • 保険を使う場合の免責金(自己負担金)が設定されている
  • 盗難が補償されない
  • そもそも保険会社から加入を断られる

などといった理由があります。

3.盗難保険(補償)

自身のバイクが盗難という被害を受けた場合、それに対して受ける補償。

四輪車の場合は先の任保険の車両保険に盗難保険が含まれているのがほとんどですが、バイクの場合は盗難保険が含まれていないため、別途盗難保険(補償)に加入するというのが一般的です。

どんな時にどんな保険が適用されるのか?

それでは具体例を挙げて、どんな時にどんな保険が適用されるのか?見ていきたいと思います。

例:Aさんがバイクを運転していて、信号待ちをしていたBさんのバイクに追突してしまった。Aさん、Bさん共にけがで病院に運ばれバイクは2台とも修理が必要になった。

この場合は一方的にAさんに過失があるため、基本的にはBさんのけがバイクの修理代をAさんが補償しなければなりません。しかしAさんは任意保険(対人・対物・搭乗者)に加入していたため、そこから補償を受けることもできます。具体的には、

  • Bさんのけが:Aさんの自賠責保険。不足分は任意保険から。(対人)
  • Bさんのバイクの修理代:Aさんの任意保険。(対物)
  • Aさんのけが:Aさんの任意保険。(搭乗者傷害)

ちなみにAさんは車両保険を付けていなかったため、自分のバイクの修理費用は全額実費負担となります。

最後に

バイクに関係する保険についてその概要を説明させて頂きましたが、何となくでもご理解いただけたでしょうか?

実際の保険の内容や交通事故、そしてそれによって発生する賠償責任などはもっと複雑なものですが、バイクを所有する(運転する)際は、最低限これらの知識を身につけておきたいものです。

またそれぞれの保険の内容に関しては、今後別の記事で詳しくご説明させて頂きます。

最後に一言だけ。

『バイクを運転する際に大事なことは、保険に加入すること以上に事故を起こさないように心がけることです』

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