バイクの盗難についての基本的な内容については、以前こちらの記事でご説明させて頂きましたが、読んで頂けましたでしょうか?
記事の最後にも記載しましたが、バイクを所有する限りは盗難のリスクは切っても切り離すことができません。そして盗難に遭わないようにするには、やはり自分で愛車を守る工夫をするしかないのです。
そこで今回はバイクの盗難防止対策と盗難保険(盗難補償)についてお話しさせて頂きます。
目次
バイクは何をしても盗まれる?
まずは少し悲観的なお話になってしまいますが、バイクはどれだけ防犯対策が施してあっても、盗まれる時には盗まれてしまうものです!
これを言ってしまっては身も蓋もありませんが、実際『自宅の敷地内』や『シャッター付きのガレージ』、酷いケースでは『バイク屋の倉庫や店舗内』などから盗まれたケースというのが多数存在しています。
それだけバイクの窃盗犯、特にプロは大胆かつ豪快な犯行を行うことがあります。
ただバイクの盗難はその8割~9割が駐輪場や駐車場、もしくは一戸建て住宅や集合住宅で起こっていることなどから、『長時間の定置場所』に集中していることが分かり、そこに最も注意を払わなければなりません。
これらを頭に入れておいて、バイクの盗難防止対策について考えて行きたいと思います。
バイクの盗難防止対策
1.バイクを隠す
まずは窃盗犯にそこにバイクが置いてあるということを知られない、隠すというのが盗難防止対策において最も有効な手段となります。
すごく単純なことなのですが、知られなければ狙われることもありません。逆に常日頃目立つ場所に置かれていれば、それは窃盗犯にとっては『お金のなる木』が転がっているようにしか見えないのです。
お住いの環境や状況によっては難しい部分もありますが、バイクを隠すというのは盗難を防ぐということに対して、最も単純で有効な手段であることは間違いありません。
それでは具体的にどんな対策ができるのか?見ていきたいと思います。
外からは見えない場所に入れてしまう
自宅敷地内に隠してしまえる場所があればベストです。とにかくポイントは普段見えない場所が理想だということです。
シャッター付きガレージを借りる
もし集合住宅等にお住まいで自宅にバイクを隠せる場所がない場合は、思い切ってシャッター付きガレージを借りるのも有効です。
注意点
上記2点のような防止対策が可能だったとしても、それだけで安心してはいけません。重要なのは窃盗犯にバイクがそこにあることを知られないということなのです。
そのため特に自宅から離れたシャッター付きガレージの場合は、
- 出し入れは迅速に行う
- ガレージ付近に長時間長居しない
などといったことに気を付ける必要があります。無人となったシャッター付きガレージなどは、窃盗犯にとって絶好の犯行チャンスだと言えます。
2.できるだけ盗みにくい状況を作り出す
上記1.のバイクを隠すという方法は、お住いの環境や経済的な負担も発生することから、なかなか実践できる方は少ないと思われます。
そこで次に挙げる対策は『できるだけ盗みにくい状況を作り出す』ということです。
仮にあなたがバイクの窃盗犯になったと想定してみて下さい。そこで頭に浮かぶ優先順位は
1.狙っているバイク
↓
2.盗みやすいバイク
(カギが付いたまま、ハンドルロックされていない、
U字ロック等が取り付けられていない)
↓
3.盗みにくいがどうしても盗みたいバイク
という風になりませんか?
たとえ犯罪者であっても犯行が発覚すること、検挙されることは望んでいません。むしろ最も避けたいことなのです。そのためには犯行はできるだけ短時間で、誰にも目撃されないように行うというのが、彼らの基本的な考え方であるはずです。
そしてそれを逆手に取り、『盗むのに時間がかかる状況』『盗みにくい状況』を作り出してしまうのです。
地球ロック
バイクの盗難防止対策と言えば『U字ロック』『ディスクロック』『ワイヤーロック』等のハンドルロック以外の補助ロック装置を併用することが良く知られていますが、これらの装置の使用方法としておすすめなのが、『地球ロック』というやり方です。
これは厳密に言えば地面に埋め込んだアンカーなどに、スチールチェーンやワイヤーロック等を使いバイクを固定してしまうのですが、自宅の柵やブロックなどでも代用することができます。
要は『バイク単体にロックをする』のではなく『他の固定物と連結してしまう』というのが有効なのです。
少しバイクが盗難される状況を想像してみて下さい。例えハンドルロックがされていて、前輪・後輪共にロックが取り付けられ回転しないようにされていても、そのまま持ち上げられて台車等の上に乗せられてしまったら、いとも簡単に運ばれていってしまいます。
しかし何かと固定されていれば、まずはそれを壊す・取り外すことをしなければ、窃盗犯はそこからバイクを運び出すことはできません。
またこれが困難な場合は、バイクが2台あればそれらを連結してしまう。又は自転車等を連結してしまうというのも有効です。
つまり『バイクを単体で置かない』ということが重要なのです。
補助ロックの併用
これは先程の内容と重複する部分もありますが、補助ロックは複数を併用することをおススメします。
使用の際のポイントは、
- 車輪を回転できないようにしてしまう
- バイクを簡単に移動できないようにしてしまう
- 簡単に壊せたり切断したりできないものを使用する
ということです。複数あれば当然盗難に時間がかかってしまうため、窃盗犯に狙われる確率も下げることができます。
アラームを取り付ける
こちらはバイクを盗みにくい状況を作り出すというより、バイクが盗難の危機に遭っているということを早期に発見する役目と、窃盗犯を威嚇する目的があります。
さすがに窃盗犯は人に目撃されている状況で、わざわざ犯罪を犯すような真似はほとんど行いません。また騒ぎになれば逃げ出すというのがほとんどです。
そのため盗難抑止アラームを取り付けるというのは、バイクの盗難を未然に防ぐ有効な手段の一つなのです。
しかしこれにもいくつかポイントがあって、
- 盗難に遭いそうになっているのを発見したらすぐに110番
- 単独で窃盗犯に向かっていかない
- 人気の少ないところではいくらアラームが鳴っても無意味である
- すぐに壊せたり取り外せる場所にアラームを取り付けない
このようなことが重要です。
少し前からスズキ製の50㏄~125㏄のオートバイには盗難抑止アラームが標準装備されている機種があり、実際この機能を有効活用されている方は盗難被害に遭いにくいといった傾向が見られます。(鷹の体験談)
しかし先にも記載しましたが、例えそのような状況に遭遇しても、慌てて飛び出すような真似は絶対に避けて下さい。相手は『犯罪者』であり、いざとなれば何をしでかすか分かりませんからね。
置く場所にも一工夫を
これも今までの内容の関連することなのですが、わざと狭い場所に置いたり車をバリケードにしたりして、バイクの横に入りにくい状況を作ってしまうというのも有効な手段で、さらに前後まで塞ぐことができれば、なお理想的であると言えます。
バイクを盗む際には必ずバイクの周囲に人が入り、さらにある程度の作業ができるスペースが必要になってきます。これを極力なくしてしまうことは有効な盗難防止対策となります。
場合によっては家の壁などを利用するのも有効です。現在あなたがバイクを置かれている場所を再度確認してみて、一工夫してバイクを置く方法を考えてみて下さい。
余談ですが、数年前大阪では日本橋の路上でバイクの盗難が多発した時期がありました。置かれていた状況や場所などから推測すると『バイクの横にトラックを横付けして、そのまま荷台に持ち上げて持ち去った』という状況が考えられました。
そこで私は被害者の方々に相談を受け、トラックが横付けできない場所、例えば『歩道橋の下』『電信柱や並木のすぐ側』にバイクを置くようにおススメした経験があります。(もちろん現在では駐車違反になってしまいます)
ほんの少しのことですが、窃盗犯はその少しの隙を狙ってくるのです。
バイクの盗難保険(補償)
しかし残念ながらどれだけの盗難防止対策を多額の費用を費やして行っても、信じられないような状況下で窃盗犯はバイクを盗んで行きます。そしてそのような悲しい報告を、私はこれまでに数え切れない程聞いてきました。
そこで最終手段としては、やはり盗難保険(補償)に加入せざるを得ないでしょう。特にバイクが新しかったり高額であった場合は、盗難に遭ってしまえばその経済的損害は非常に大きなものになってしまいます。
今も日本では毎日100台のバイクが盗難被害に遭っているのです。そしてこれは交通事故に遭ってしまうのと同様に捉えておかなければ、後になって後悔してしまう結果となってしまいます。
皆さんはバイクの事故に備えて、ほとんどの方が任意保険に加入されているのではないでしょうか?いくらバイクの盗難件数が減少していると言っても、社会情勢の変化等により今後増加することも考えられるため、やはり保険(補償)への加入は必要であると感じます。
大昔はバイクの盗難保険(補償)というものはほとんど普及していませんでした。しかしその後、各二輪メーカーが盗難保険(補償)を扱うようになりましたが、加入できたとしても『新車で購入後1年間のみ』というものでした。
しかし現在は新車だけではなく、中古車や既に皆さんが所有しているバイクで加入することができる盗難保険(補償)というものも存在しています。
それがこちらJBR Motorcycleが運営しているZutto Ride Clubです。
Zutto Ride Clubについてはまた次の機会に詳しくご説明させて頂きますが、ご興味がある方は一度ご覧になってみて下さい。
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