みなさんこんにちは、鷹です!
はじめてカブトムシを飼育する方にとっては『一体エサは何をあげればいいの?』『あげていいエサとダメなエサはあるの?』ということが、すごく大きな疑問になっているようです。
もちろんこれは経験がなければピンとこないことなのかもしれませんが、カブトムシの生態をよく考えてみれば自然と答えは出てくるものです。
そこで今回はカブトムシのエサについて、私の過去の経験も交えながらご説明していきたいと思います。
目次
カブトムシは普段何を食べている?
まずカブトムシのエサとして最適なものを考えるには、単純な話、自然界でカブトムシが普段食べているものが最も最適であるのは言うまでもありません。
その中で私が過去に実際にこの目で見たことがあるのは、
- 樹液
- スイカ
この2つです。
樹液に関しては今更説明するまでもありませんが、スイカにカブトムシが集まってくるのを採集していたのは、私が小学生の頃のことです。
スイカに集まるカブトムシを採集していた
私の父親は鹿児島県の出身で、小学生の頃は夏休みになるとほぼ毎年のように里帰りに連れて行ってもらっていました。ここがまた鹿児島県とは言っても『隣の家まで数十メートル』といったいわゆる田舎で、カブトムシ・クワガタムシに関しては『取り放題』といった環境でもありました。
子供の頃から昆虫好きだった私の里帰りの目的は、もちろんカブトムシ・クワガタムシ採集なのですが、その方法が現在住んでいる大阪とは全く違うものでした。
当時、親戚の方々は畑や酪農を営んでおりました。牛・豚・ニワトリ、本当にそこら中動物だらけです。そして畑では夏になると決まってスイカを作っていました。それらは質のいいものは市場へ持ち込むのですが、売り物にならないものはそのまま畑近くの廃棄場所へ捨てられます。
実はこの廃棄場所に、夜になれば数え切れない程のカブトムシ・クワガタムシが集まってくるのです。つまり夜になれば懐中電灯と虫かごを持って廃棄場所へ向かうだけです。その気になれば一晩で50頭の採集なんて楽勝です。
さらにもう一つの方法として、切ったスイカを家の前の庭に置いておく。これだけでも毎晩のようにカブトムシ・クワガタムシが集まってくるのです。
また昼間でも近くの林に行けば必ずカブトムシ・クワガタムシが採集できる。今から思えば何ともうらやましい環境であったのです。
子供の頃のカブトムシのエサ
こんな環境でカブトムシ・クワガタムシを採取・飼育していたものですから、私が子供の頃はカブトムシのエサと言えばスイカを与えていました。もちろん父親からそうするように言われていたというのもあります。
その他にはメロン・ブドウ・モモなども与えていた記憶があります。
ただしエサとして与える場合は実の大部分は私たちが食べ、その残りを飼育ケースの中に入れておくというものでした。
またちょうどその頃、『カブトムシのエサ』としてこのようなものが市販されていました。
私の友人達はこれを使っていることもありましたが、確か中身は黒砂糖を使った砂糖水だったと思います。現在でもこれと似たようなものを見かけることもありますが、あまり数は多くなく少数派のようですね。
カブトムシのエサとして使用できるものは?
このような私の過去の経験やいろいろな方々の経験・知識をまとめてみると、現在カブトムシのエサとして使用できるものは以下のものが挙げられます。
- 昆虫ゼリー
- リンゴ
- バナナ
- トウモロコシ
- モモ
- ブドウ
- スイカ
- メロン
- 水・黒砂糖・焼酎・ハチミツで自作
カブトムシのエサは昆虫ゼリーが最適な3つの理由
この中でやはり一番のおススメと言えば昆虫ゼリーですが、その理由をご説明していきたいと思います。
理由その1:最も手軽に利用できる
まずはじめは、やはりその手軽さです。使用する際は封を開けてエサ皿に置くだけ。もちろん取り換えや食べ残しの処分にも困ることがありません。
また袋に入っていることから保管もしやすく、一度購入すれば長期に渡って使用することができます。
理由その2:マットやケースを汚しにくい
昆虫ゼリーは小型のカップに入れられているため、しっかりとしたエサ皿に設置すればマットを汚してしまうことが少なくなります。
またこれは後にもご説明させて頂きますが、水分が多すぎるエサを与えるとカブトムシが排泄する頻度が高まります。カブトムシの排泄物は液状であるため、この回数が増えてしまうとどうしても飼育ケースが汚れてしまったり、マットの劣化が早くなってしまいます。
また悪臭やコバエの発生も助長してしまいます。
昆虫ゼリーではほとんどの製品が適度な水分を調整して作られているため、このような事態をごく自然な状態に保つことができます。
理由その3:栄養面とコスト
基本的にカブトムシの食用として作られているため、ほとんどの製品において栄養面では全く問題ありません。昆虫ゼリーは主に大別すると『黒糖ゼリー』と『高タンパクゼリー』があります。
通常の飼育では特にこだわる必要はありませんが、産卵を控えたメスはタンパクを好む傾向があります。これは産卵が相当なエネルギーを消費するということでしょうか?そのため産卵を控えたメスには『高タンパクゼリー』を与えるとより良いでしょう。
また一袋30個~50個入りで売られており値段も数百円から販売されているので、他のエサを用意したり自作するより経済的です。
昆虫ゼリーのデメリット
これだけ万能でおススメな昆虫ゼリーですが、実はデメリットもあります。
シーズンが終わると売られていない
7月~8月いっぱいまでは、大抵どこのホームセンターでも売られていますが、シーズンを外れてしまうと売られていない場合があります。
その際は『買いだめ』しておくか通販で入手しなければなりません。特に通販で購入する際は送料もかかってしまうため、その際は送料無料の商品を選ぶか、マットなども一緒に購入するのがおススメです。
ただしペットショップがあれば、大抵は冬場でも入手することができると思います。
好き嫌いがある
これは私の経験でのお話ですが、実際昆虫ゼリーの種類によって食べ方に差が出ることもあります。
例えばこのような2種類の商品。
マルカン 昆虫ゼリー フルーツ農園 50 昆虫ゼリー カブトムシ クワガタ【HLS_DU】 |
マルカン 昆虫ゼリー サムライ BIG48 (50個入) 昆虫ゼリー カブトムシ クワガタ【HLS_DU】 |
上が『フルーツゼリー』で下が『黒糖ゼリー』です。
私は過去に両方とも使用した経験があるのですが、時には『フルーツゼリー』の方をよく食べたり、時には『黒糖ゼリー』をよく食べたりといったことが見られます。
そのため私は毎年両方とも購入し、食べ方を見ながら与えていくようにしています。
ただし『全く食べない』といったことは見られませんでしたので、あくまでも参考としておいて下さい。
カブトムシに与えてはいけないもの
差て次に、カブトムシに与えてはいけないものについて見ていきたいと思いいます。
代表的なものとしては『スイカ』『メロン』『ブドウ』など、水分の多い果物や野菜が一般的には良くないものとして挙げられています。これらの理由として『栄養分が低い』『カブトムシが下痢をする』などと言われることが多いようですが、実際はどうなのでしょうか?
栄養分が低い
これは確かに、樹液や昆虫ゼリーに比べると低いことは間違いないでしょう。カブトムシはエサを口で食べるのではなく、ブラシのような口で吸い上げているのです。
そのためエサには水分が欠かせませんが、当然同じ量を吸うのであれば水分が多い方が摂れる栄養分は少なくなってしまいます。これが栄養分が低いと言われる理由でしょう。
カブトムシが下痢をする
これは基本的に間違いです。先にも記載しましたが、カブトムシは元々液体状の排泄物しか出しません。ただ水分の多いスイカなどを食べていると、当然のことながら排泄の回数は増えてしまいます。
また樹液を吸うのと同じだけの栄養を摂ろうと思えば、それだけ多くの食事をとらなければなりません。そうするとさらに排泄回数が増える。それが全て液状であるため、以前からカブトムシがスイカを食べると下痢をすると言われているようです。
与えてはいけない理由は?
実はこれらは与えてはいけないというものではありません。しかし与えることによって以下のデメリットも発生します。
- 飼育ケース内の衛生が保てない。
- コバエの発生が増えてしまう。
- エサそのものの劣化(腐敗)が早い。
などです。
そのため結果として飼育ケース内が多湿になったり(排泄物によって)、良好なコンディションが保てなくなったり、より細かいエサの管理が必要とされてしまいます。
そのためカブトムシのエサとしてはあまりおススメではない、というのが本当のところです。
寿命が縮まる?
また一説によれば、これらを与えることにより寿命が縮まるとの意見もあるようですが、実際私はそのような経験をしたことはありません。
子供の頃はスイカしか与えていませんでしたが、それでも当時でも大半は9月まで、長いものは10月に入っても生きているケースがほとんどでした。
冷静に考えてみれば、自然界では9月も後半になるとカブトムシの姿はほとんど見ることができません。カブトムシは夏が終わるとその一生を終えるのです。10月になっても活動してるというのは、飼育下の例外であると考える方が妥当なのかもしれません。
昆虫ゼリーを使用する際の注意点
最後に昆虫ゼリーを使用する際の注意点についてご説明させて頂きます。
こまめに取り換える
暑い夏に使用するものなので、さすがに昆虫ゼリーも数日も経過すれば腐ってしまいます。理想は毎日取り換えることですが、減り具合が少ないようであれば最低でも3日に一度は取り換えるようにした方が良いでしょう。
大きさを選ぶ
現在市販されている昆虫ゼリーは、主に口の広いタイプと狭いタイプの2種類があります。
例えばカブトムシのオスは口の小さいタイプでは角が邪魔で食べにくかったり、クワガタのオスも同様、顎が邪魔で食べにくかったりもします。その際は口の広いタイプ入れてあげる方が良いでしょう。
しかしカブトムシ・クワガタムシ共にメスであれば口の小さいタイプでも問題ありません。
それぞれの個体の大きさによっても変わってしまうため、食事の様子をよく観察して入れてあげるのが良いでしょう。
人が食べてはいけません!
実はこれがとても重要です。特にカブトムシやクワガタムシは小さなお子様がいらっしゃる家庭で飼育されるケースも多いと思われるので、これだけは絶対に守って下さい。
昆虫ゼリーは人の食用ではありません。つまり人が食べることを想定した衛生管理下では作られていないのです。さらに高タンパクゼリーの多くは乳酸が使われていることがあります。
またこれらの製品の多くは海外(特に中国)で作られており、製造からそれなりの日数が経過していることは言うまでもありませんね。
これらをよく理解し、決して口に入れるようなことはしないで下さい。またできる限り小さな子供の目につかない、手の届かない場所に保管することをおススメします。
最後に
長くなりましたがこれらを総合して考えてみると、カブトムシのエサは昆虫ゼリーがあらゆる面で最適だと思われます。
飼育する際は十分な食事を与えてあげて、カブトムシが自然な最期を迎えられるようにしてあげて下さいね。
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