みなさんこんにちは、鷹です!
カブトムシを飼育する醍醐味は、なんと言っても成虫の鑑賞ですよね?やはり大きくて立派な成虫は、見ているだけでなんとも言えない感動があるものです。
カブトムシの成虫を入手する方法は採集・購入が主ですが、自分の手で卵から成虫まで育てるとその感動もさらに大きくなるというものです。
そこで今回はその第一歩となるカブトムシの繁殖、特に交尾から産卵までについてより本格的な方法についてご説明していきたいと思います。
これを知ればより多くの卵が産まれるかもしれませんよ?
目次
カブトムシの交尾
カブトムシの交尾の時期
カブトムシは地上に出てきてすぐに交尾をするわけではありません。体の内部が交尾をできるまでに成長した状態(成熟と言います)になって初めて、交尾活動をはじめます。
カブトムシはさなぎから羽化してすぐは、体内の消化器官を完全に出来上がっていないためマットの中から出てこなかったり、出てきてもすぐにはエサを食べないことがあります。この期間は約1週間前後で、その後初めてエサを食べることを後食(こうしょく)と言います。
そして初めてエサを食べてから概ね1~2週間で十分に交尾ができる体に成長していき、これを成熟(せいじゅく)と言います。
ただし厳密に言えば体が十分に成熟していなくても交尾を行うこともあり、その場合は無精卵ばかりを産卵したり、ほとんど孵化しないといったことが起こります。
屋外採集の場合
屋外でカブトムシを採集してきた場合は、ほとんどが成熟していると考えて差し支えないと思われます。
そのため最初から産卵を想定した飼育ケースで飼うのも一つですが、まずはその行動を良く観察してみることです。
オスの場合
オスは基本的に夜になればエサに集まってくると思います。そしてその周辺を自分の縄張りとして過ごす習性があるため、暗くなれば食事、日中はマットの中に潜っているか木陰、葉っぱの下などで休んでいることが多いです。
いずれにしてもオスの場合は、体が成熟すると自分からメスを求めて交尾するようになりますし、元気なうちは何度でも交尾しようとするので、そんなに気にする必要はないでしょう。
メスの場合
しかしメスは少し話が変わってきます。採集した時点で既に交尾を済ましている可能性も高いのです。
そのため少し注意して観察する必要があるのですが、すぐにマットの中に潜り夜になっても出てこない場合は、既に交尾を澄ましている可能性があります。
逆に夜になればエサを食べに出てくる場合は、交尾をしていない可能性があります。
詳しくはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
購入した場合・自宅で羽化させた場合
この場合はほとんど間違いなく交尾をしていることはないと思われます。
そのため最初はオスとメスを別々の飼育ケースで飼育し、その後ペアリングさせると良いでしょう。
購入した場合
購入してきた場合は、その動きや様子を見ながら2,3日~1週間以内にペアリングさせればいいと思います。
もし購入時にいつ頃羽化したのか店員さんに聞けるなら、それも参考になるでしょう。これは交尾・産卵だけではなく、その後どれくらい飼育できるかの目安にもなりますね。
自宅で羽化した場合
自宅でさなぎから羽化した場合は、先に説明した後食を良く観察し、ペアリングのタイミングを見つけて行きます。
マットから地上に出てきてすぐは、オスとメスは別々の飼育ケースで飼育し、後食が見られてから10日前後でペアリングするのがベストかと思われます。
いずれにしてもオス・メス問わず、元気にエサを食べているというのが絶対条件になります。
カブトムシのペアリング
さて、時期が来ればいよいよカブトムシをペアリングしていきますが、この時はペアリング専用の飼育ケースを用意します。
基本的には上の画像のように、エサ皿・のぼり木・転倒防止用の小枝等を入れておけば問題ありませんが、マットだけは少し深めに入れておいて下さい。これは言うまでもなくメスがマットの中で産卵するためです。また生まれた卵を成虫から守る役割もあります。
こちらは私がセットした産卵用飼育ケースですが、マットの深さは最低でも10㎝以上にしておくのがお勧めです。
また自分でいろいろ揃えたり、飼育ケースの大きさやマットの分量などがいまいちよく分からないという方には、このようなセットがお勧めです。
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これなら必要なものが全て揃っており、セット方法なども詳しく説明されていますので、初心者の方でも分かり易いのではないでしょうか?
同居による自然交尾
さて、このような産卵用の飼育ケースに、十分に成熟したオスとメスを入れてあげます。もちろんここにはオス・メス、1頭づつです。間違っても複数入れるようなことはしないで下さいね。
そしてここで約1週間ほど同居させるのですが、この時カブトムシが交尾している姿を見ることができれば、それが1番なのは言うまでもありません。より自然に近い形で交尾・産卵が行われるのに越したことはありません。
もし見ることができなければ約1週間ほど経過した後、オスとメスが並んで仲良くエサを食べていれば、その時は交尾完了と考えてほぼ間違いないでしょう。
ハンドペアリング
また交尾の様子を確認したい場合や、手っ取り早く産卵をさせたい場合には、ハンドペアリングという方法もあります。
これはその名の通り意図的に交尾を行わせることで、その方法としては、
- エサを食べているメスの背中の上にオスを乗せる。
- オスにメスの小循板のあたりのに匂いをかがせその気にさせる。
などの方法があります。またこの時、メスが嫌がって逃げようとする場合は前へ逃げようとすると思うので、頭の額の部分を手で軽く押さえてあげます。
いずれにしても交尾が確認できればオスは飼育ケースから取り出し、メスは産卵用飼育ケースの中で十分なエサを与えて産卵に備えます。余談ですがこの時のエサは、栄養が高いバナナがお勧めです。
カブトムシの交尾についての疑問点
交尾は何回もするのか?
基本的にカブトムシのオスは自分が交尾可能な状態である場合、メスを見つければ何度でも交尾をしようとする傾向があります。
ただしメスは一度交尾を済ませると、その後の交尾は避けようとする傾向があります。
いずれにしても交尾自体が体力を消耗するのは間違いありませんので、少しでも長生きさせたいのであれば、交尾を済ませたカブトムシはその後別々に飼育する方がいいでしょう。
交尾の時間は?
短ければ5分程度、平均的には10分~30分が多いようです。長い場合は1時間以上行っている場合もあるようですが、交尾についてはカブトムシの好きにさせてあげた方が良いでしょう。
ちなみに10分以上交尾をしているようであれば、交尾に関しては成功であると考えて間違いないでしょう。
交尾の時に音がする?
カブトムシはご存知の通り甲虫であり、オスの生殖器も柔らかいものではありません。そのため交尾の際にある程度の音は出てしまいます。
だからと言って特に問題はありません。
交尾をすると死んでしまう?
交尾そのもので死んでしまうことはありませんが、交尾がうまくいかず自らの体にダメージを追ってしまう場合があります。
パターンとしては
- オスの生殖器がメスの体から抜けなくなってしまう。
- オスがメスから生殖器を抜き出す際に、メスの体内の一部が一緒に出てしまう。
- オスの生殖器が体から取れてしまう。
などといったことが起こってしまう場合があります。
しかしこれらに対する具体的な対処法は見つかっていないため、もし起こってしまった時はあきらめるしかなさそうです。
カブトムシの産卵
産卵の時期
交尾を済ませたメスはその後産卵を行うのですが、この時期については個体差があります。交尾後すぐにマットに潜って産卵を行うメスもいれば、10日程経ってから産み始めるメスもいます。
ただ一般的には一週間前後が多いようですが、これには先にも述べたように個体差があります。
すぐに産卵をはじめないからと言って焦らずに、最低でも一週間は産卵用飼育ケースでたっぷりと栄養を与えてあげ、様子を見るようにしてあげて下さい。
産卵の回数
カブトムシの産卵は平均すると1日に1~5個、これを毎日繰り返して行われています。決して一気にたくさんの卵を産むわけではなく、少しづつコツコツと卵を産んでいくのです。
そのため時にはマットの中から何日も出てこなかったり、またある時には地上に出てきてエサを食べ、再度産卵を始めるということもあります。
産卵する卵の数
カブトムシのメスは毎日のように産卵を行い、基本的にはその寿命が尽きるまで産卵を続ける傾向があるようです。その総数に関しても個体差があるのですが、ほとんどの場合は100個前後は産卵することが多いようです。
そのためある程度の産卵が確認できた時点でメスを産卵用飼育ケースから取り出し、マットの替わりにハスクチップやホダオガなどを敷き詰めた飼育ケースで、のんびりと最期の時間を過ごさせてあげるのもいいかもしれません。
採卵について
メスが産卵した卵は、そのまま産卵用飼育ケースに入れておけば自然と1齢幼虫へと孵化していきます。ただしメスが産んだ卵の数を把握したい場合や、ある程度数を制御して幼虫の飼育を行いたい場合は、採卵することをおススメします。
その際は決して素手で触るようなことは避けて、このようなプラスチック製のスプーンなどを使い、慎重に集めるようにして下さい。
カブトムシの産卵については、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
卵の孵化
産み落とされた卵は平均すると10日前後で1齢幼虫へと孵化します。
また卵は産み落とされてすぐは、このように真っ白な色をしています。
しかし孵化の直前になると、船体的に黄色っぽい色がついてきます。
また卵の孵化率については白くてまん丸の卵は高くて、茶色っぽくてきれいな円形をしていないものは少し低い傾向があるようです。
直接産卵用飼育ケースに入れてみる
先日こちらの記事でご紹介したように、カブトムシを採集していると交尾中のカップルを捕まえることができることもあります。
カブトムシを飼育する目的が繁殖なのであれば、このような場合は捕まえたメスを直接産卵用飼育ケースに入れてあげればよいでしょう。
野生の環境下で交尾を行っている際は、熟成していなかったり無精卵を産卵する確率は極めて低いため、より多くの産卵、幼虫の誕生を期待することができます。
最後に
今回はより本格的なカブトムシの繁殖方法についてご説明させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?ご紹介させて頂いた方法を実践すれば、驚くほど多くの幼虫が誕生するのは間違いないでしょう。
しかしここで最後に一つだけ付け加えさせて頂きます。
基本的にカブトムシは少し深めにマットを入れた飼育ケースでオスとメスを同居させて飼育しているだけで、ほとんどの場合はそれなりの産卵をしてくれます。
今回ご紹介させて頂いたように、意図的に産卵を促し多くの幼虫を誕生させるのも楽しみの一つですが、自然界と同じように成り行きに任せてみるのもいいかもしれません。
幼虫が生まれ過ぎて手に余ってしまう、というのも考え物ですので、あなたに合った方法を選んでみて下さい。
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