クワガタ用の自作温室パートⅡ

飼育方法

みなさんこんばんは、鷹です!

ここ数日、急激に冷え込んできましたね。秋から冬にかけて気温が下がる時期は、特に体調を崩してしまいがちです。またインフルエンザが流行りだす時期でもありますので、体調管理には十分注意して下さいね。

ところでちょうど昨年のこの時期だったと思いますが、本格的なクワガタのブリードを始めたこともあって『自作温室』を作成しました。

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あれからほぼ1年が経過し、四季を経験することや飼育環境の変化によって、様々な改善点も見えてきました。

そこで以前から計画していたのですが、先日、自作温室を新たに作成し直しましたので、今回はその様子をご報告させて頂きたいと思います。

目次

自作温室パートⅡ作成の理由

自作温室パートⅠはちょうど昨年の今頃、気温の低下と共に保温の必要性を感じたため、短時間で計画し急遽作成しました。

その後、冬の寒い時期は難なく乗り越えたのですが、春を過ぎたあたりから今度は逆に『冷却』が必要となったため、ペルチェ冷却ユニットを取り付け、夏は『保冷庫』として活躍してくれました。

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しかし自作温室の構造やペルチェ冷却ユニットの性能から限界があり(27℃ほどまでしか下がらない)、低温管理が必要なクワガタの幼虫たちのためにワインセラーを導入。

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その後は

  • 自作温室(保冷庫)は成虫管理
  • ワインセラーは幼虫管理

という風に使い分けてきました。

このようにして約1年が経過したわけですが、暑い夏を経験したりワインセラーを導入することによって、自作温室パートⅠの欠点が見えたり、その使用目的が変化してきたのです。

そこで自作温室パートⅡの制作となったわけですが、具体的な理由は以下の通りです。

理由その1:保温性の向上

保温庫であれ保冷庫であれ、最も求められるのは『保温性』です。

これは温める場合も冷やす場合も同じですが、理想は庫内が希望する温度に保たれることです。つまり極力外気温の影響を受けにくい空間を作り出すということが必要になってきます。

単に温度を『上げる』『下げる』ということであれば、ヒーターやクーラーをより出力の強いものに交換したり、増設するという方法もあります。

ただそれだと異様にコストがかかってしまったり、システム自体が非常に複雑になったりしてしまいます。

また頻繁に冷暖房器具が『作動』『待機』を繰り返すことによって、庫内の温度が頻繁に上下してしまうことにもなります。

自作温室パートⅠはどうしても急いで作ったということもあり、前面を全て扉にして取り外せる設計になっていますが、こうすることによって逆に気密性が低下してしまいました。

また加工のし易さから断熱素材として利用しているカネライトフォームは3㎝のものを使用していましたが、断熱素材は厚ければ厚いほど能力が上がるのです。

理由その2:形状の見直し

自作温室パートⅠ作成時は、この中で成虫・及び幼虫を一緒に飼育する予定でした。

そのため元々あったアルミラックを収めることができるように設計していたのですが、夏にワインセラーを導入したことにより、自作温室では成虫のみを飼育するようになりました。

また私は成虫の飼育にはメインでクリアースライダー を使っており、積み重ねることも可能なのですが、アルミラックがあるとどうしても『積み重ねる』という置き方がし難くなってしまいます。

そうすると逆に『収容個体数』が減ってしまいます。

そのため私の飼育環境では、内部にラックや棚を置かない形状の方が使い勝手が良くなってきたのです。

理由その3:自作温室の置き場所

以前は自作温室そのものを部屋内へ単独で置いていたのですが、飼育部屋を変更したことにより、夏ごろには『飼育棚』なるものを作ってみました。

ただ市販されている素材を極力加工しないで作ったため、自作温室とはかなり寸法の差がありました。

周囲に物を置いたりするには便利だったのですが、よくよく見てみるとかなり無駄な空間が目についてしまいます。

そこで少しでも無駄なスペースを無くすように、『飼育棚に合わせた自作温室』を設計してみました。

以上のような理由から、『自作温室パートⅡの作成』に取り掛かった次第です。

自作温室パートⅡの作成

それでは次に作成ですが、まずは使った素材や道具など。

カネライトフォーム

素材は今回もカネライトフォームを使いますが、少しでも保温能力を上げるため、今回は厚み4㎝のものを使います。

断熱素材としてはカネライトフォームの他にスタイロフォームも有名ですが、性能的には大差はないようです。

私はただ『近所のホームセンターで手に入る』という理由で、カネライトフォームを使用しています。

断熱材カッター

カネライトフォームは厚み2㎝ぐらいまでなら普通のカッターでも問題なく切れるのですが、それ以上になるとなかなか手強いです。

そこで今回はこのようなものを用意してみました。

断熱材カッター

こちらはホームセンターで見つけることができなかったため、Amazonで購入です。

今回は4㎝のカネライトフォームということで、少し大きめの物を選んでみました。

シリコンシーラント

本来は隙間に塗り込んで気密性を高めるためのものですが、接着能力も高いことからカネライトフォーム同士の接着に直接使います。

少し多めに使用することで、後から隙間を埋める手間も省けます。

こちらはコーキングガンと一緒にホームセンターで購入しました。

スチロールカッター

先程ご紹介した断熱材カッターを使用しても、厚さ4㎝もあるカネライトフォームは綺麗に、さらに平行に切り出せるものではありません。

そこで今回はこちらも導入。

HAKKO スチロールカッター

こちらは乾電池式で、ニクロム線に電気を通して高熱にし、その熱を利用して発砲素材を焼き切っていくというものです。

で、こちらはどのように使うかと言うと、先程のカネライトフォームの画像の中に、木の棒が2本写っていたのにお気付きでしょうか?

この2本の棒をスチロールカッターの『ガイド』として利用します。

イメージ的にはこんな感じ。

木の棒の両サイドは、このように輪ゴムで止めてあるだけです。

実際に使ってみるとこんな感じです。

大まかに切り出したカネライトフォームの切り口を、これで平行に仕上げていきます。

そして出来上がりがこちら。

力の入れ具合や焼き切っていく速さによって若干の凸凹はできてしまいますが、シリコンシーラントを使用すれば、全く問題のないレベルです。

また左右の平行は、ほぼばっちり作り出すことができます。

これらは利用し、まずはカネライトフォームを設計図に合わせて切り出していきます。

そして各パーツをシリコンシーラントを使い接着していきます。

こちらは『底版』『側板』『背板』を接着しているところですが、全て4㎝のカネライトフォームを使っています。

後は『天板』と『正面扉』を取り付ければ完成なのですが、

ここで一気に完成画像です。^^;

画像を撮る暇もなく作業に没頭してしまいました。

自作温室パートⅡ

この後、細かい部分を手直しし、現在使用している状態がこちらです。

先程の画像でもお分かりいただけるかと思いますが、全面は3分の2を取り外し式の扉とし、3分の1を取り外しのできない『壁』として接着してあります。

これには理由が2つあって、

  1. 少しでも気密性を高める
  2. 1日中、薄暗い場所を作る

という目的がありました。

で、その場所を何に利用するかと言うと、

主に産卵セットを置いておく場所ですね。^^

また全面扉とはめ込み部分はこんな感じで、

断熱アルミを利用し少しきつめにすることで密着度を上げています。

そしてこちら天板ですが、

実は2㎝のカネライトフォームを2枚重ねた二重構造になっています。

これには少し理由があるのですが、それはまた実際に使い始めた時にご報告させて頂きます。

ちなみにこの2枚は、保温性を上げるために、シリコンシーラントを全面に広げて接着しています。

中の様子を正面から見るとこんな感じですね。

さらに中に設置してある機器類は、

セラミックヒーターは昨年に引き続きの使用で、ニッソーシーパレックス iconというサーモスタットで作動制御しています。

またUSBファンとナノイー発生器は自宅で使われずに放置されていたもので、温室内の空気を循環させるために使っています。

ちなみにこのナノイー発生器、本来は車内で使うもので、電源がシガーソケットになっています。こちらは画像はありませんが、使わなくなったACアダプターから電源を取り出して作動させています。

最後に

さて、このようにして自作温室パートⅡが完成しました。

パートⅠでも保温性は全く問題ありませんでしたが、パートⅡでも全く同様で、温度の下がり具合を観察しているとさらに性能は上がっているようです。

大きさ的にも私の飼育数からすれば十分なようですが、これは来年の夏になってみないと何とも言えない部分もあります。

また『保冷性』についても同様ですが、今回のパートⅡはそのあたりも考えてあえて『横長』の構造にしてみたのですが、こちらについても来年の夏にかけてじっくりと煮詰めていきたいと思います。

新しい飼育環境を得て、更に日頃の世話もやり易くなりました。

後は頑張ってブリード活動に励んでいきたいと思います。

参考

昨年作成した『自作温室パートⅠ』については、こちらの記事を参考にして下さい。

クワガタの幼虫飼育用に自作温室を作りました!
みなさんこんばんは、鷹です! 私は今年、屋外採集したコクワガタが産卵・孵化した幼虫8頭と、知人から譲ってもらったヒラタクワガタの幼虫6頭を飼育していまが、先日『コクワガタの幼虫を簡易温室へ』の記事にも記載しましたが、クワガタの幼虫を菌糸ビン...

コメント

  1. 都内40歳お父さん より:

    鷹さんこんにちは。
    私も最近スタイロフォームに銀マット張り付けてハウス作りました。カッターと木工ボンドと定規でなんとか仕上げました。でも窓が無いので参考にさせてもらいます。それとサーモがないので、ピタリ適温で23度前後を保つようにしてますが、やはり暑すぎたりムラが出ます。一定の温度って難しいですよね。
    我が家のパラワン幼虫はどうやらブヨブヨ病の様です。まだ卵が3つ残ってますが、これもどうなることやら。
    ブログ頑張って下さい。

    • taka より:

      都内40歳お父さん様

      こんばんは。
      自作温室作られたようですね?

      窓は昨年作った自作温室パートⅠの物を流用しています。
      スタイロフォームの中央部を切り抜いてアクリル板を張り付けるだけなので
      そんなに難しいことはないですよ。^^
      ただ接着剤は発泡スチロール用を使えば、早く確実に接着ができます。
      よろしければ昨年の記事を参考にしてみて下さいね。

      また私の温室でもある程度の温度ムラは出てしまいます。
      そのため少しでもムラを少なくするためにファンを利用しています。
      ファンを使う前は約4℃(25℃~29℃)の温度差がありましたが、
      現在は約2℃(25℃~27℃)で落ち着いています。

      ただ人工的に温室を作る限り、
      常に一定温度を保つというのは至難の業かと思われます。

      また更に温度差を無くそうと思えば
      より細かい制御のできるサーモスタットを用意すればいいですし、
      私がワインセラーに使っているサーモスタットはそれが可能ですが、
      私はあえてある程度の温度差が生じるように設定しています。

      元々クワガタが住んでいる自然界では、
      当然のごとく気温の変化がありますよね?
      温室に窓を付けて日中は少しでも明るくなるようにしているのも
      同様の理由からです。
      クワガタたちにしっかり1日の変化を感じさせるためです。

      ところでパラワン、ブヨブヨ病ですか?
      こればっかりは私もさんざん苦しめられまだまだ検証中ですが、
      現在組んでいるスマトラの産卵セットは
      ブヨブヨ病を考慮し、マット・水分・スペースの確保などに気を遣ってみました。

      今後どのような結果になるかわかりませんが、
      色々と考え工夫しながらブヨブヨ病を克服していきたいと思います。

      残りの卵だけでもなんとか無事孵化してほしいですね。
      パラワンは孵化してマットを食べ始めれば、その後は比較的丈夫なようです。

      なんとかうまくいくように願っています。

  2. 都内40歳お父さん より:

    一個の卵が無事に孵化してました。
    新品の産卵一番マットに入れたので頑張って欲しいところです。前回の失敗を踏まえて、水分を少な目にしました。ブヨブヨ病は色々意見を聞きましたが(Twitterで)、産卵マットの使いまわし、古いマットの使用、古い親昆虫、加水等の色々な原因があるようですね。
    ちなみに、Twitterで知り合った方からのご好意で血統パラワンの幼虫を少し分けて頂きました。うちのブヨブヨと違って元気いっぱいにマットを食べてるので、今後が楽しみです。
    今年からブリードを始めた超初心者なので、これからくる菌糸瓶飼育というのにビビってます(笑)。頑張ります。

    • taka より:

      都内40歳お父さん様

      無事に孵化されたようで何よりです。
      なんとか無事に育ってほしいですね。^^

      ブヨブヨ病は本当に謎だらけですが、
      今後もできるだけ詳しく飼育状況を報告していきますので、
      よろしければ参考にしてみて下さいね。

      『血統パラワン』、羨ましいです。

      私も大型を目指してはいますが、
      現在飼育している幼虫たちの父親はWDです。
      ただ『どんな成虫が羽化してくれるのかな?』
      と言う楽しみもあります。

      私も本格的なブリードはやっと2年生と言ったところです。^^;
      菌糸ビンを使い始めたのもほんの1年前です。

      最初は『ビビる』かもしれませんが、
      経験を重ねるごとに、その魅力に飲み込まれています。

      お互いに飼育を楽しんでいきましょうね。

  3. より:

    お疲れ様です。

    昨年は熱帯魚キャビネットで事足りましたが今年は幼虫が多かったので我が家でもメタルラック&段ボール&マルチパネルヒーター(最大4枚までセット可)で作りました。マルチパネルヒーターでも現在低温時は18度くらいで大丈夫なんですが、逆に日中は室温に影響を受けて22度くらいまでなってしまいまして・・・出勤前に扉を開けておいてるのですが、やはり暴れ個体が4匹ほど出ております。やはり温度が高めな所為なんですかね・・・

     パラワン幼虫は3令初期くらいまでが25度程度の飼育が良いと聞きました。よって次回は初夏から晩秋の期間に孵化~3令になるようタイミングを計って5~6月頃にペアリングさせようと思っています。現在優良個体確保してるので、予定時期まで我慢できないかもしれませんがw

    • taka より:

      征様

      こんばんは。

      『暴れ』の件ですが、22℃~24℃ぐらいまでであれば、
      それほど影響があるとも思えませんが、、、
      となると、何か他の原因があるのかもしれませんね?

      またある方から聞いた情報では、
      パラワンの別血統(ライン)を同じ環境で飼育していたところ、
      一つのラインでは暴れが多発し、もう一つのラインは全く暴れず
      と言ったこともあるようです。

      もしかすると『暴れやすい血統』と言うのも存在するのかもしれませんね?

      『優良個体』、気になりますね~。^^

      私なら予定時期までは確実に我慢できないでしょうが、^^;
      日本の気候に合わせて飼育するというのは、
      とても効率が良いと思われます。

      うまく合わせることができれば、
      より大型個体を目指せるかもしれませんね。^^

  4. より:

    早速のコメありがとうございますm(uu)m

    温度については鷹さんのおっしゃる通り、本来は暴れる温度と思えないのです。あとは酸欠もあり得ますが、底に開口&フィルター仕様の換気性の高いビンでも起こったので、どうかなぁと。菌糸が強すぎる可能性はあるかもしれません(DDA+添加剤少量)が。血統もkuni血統縁種、kuni新血統(ワイルド109mm使用)、無名血統とバラバラです。なので、どうも理由が思いつかないのです。以前暴れた時はドルクスオーナーズショップさんの菌糸ビンに変えて見たところ収まったことがあります。菌糸が変更となりましたが、食痕もあり多分存命してると・・・。今回はとりあえず温度管理と酸欠対策で様子を見ます(ビン交換はします)。

    あとブリード予定時期ですが、やはりエアコンでもいい室温になり切らなかったこともあり、本命は6月産卵と行きたいと思ってます。ですが・・・正直・・・我慢できるか当然あまり自信はありませんね(^^)

    • taka より:

      征様

      こんばんは。

      既に色々試され、検証されているようですね。
      拝見させて頂いた限りではこれと言った理由が思いつきません。

      ただ仰る通り、少しでも可能性が考えられることから
      少しづつ改善して様子を見ていくしかなさそうですね。

      ブリードは、、、、
      お気持ちは痛いほどわかりますが、
      本命だけは取っておいて下さいね。^^

      条件さえ合わすことができれば、
      きっと素晴らしい成虫が羽化してくれると思いますよ。^^

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