ポケモンGOで日本の交通事故件数は増えるのか?

大きな期待と不安を抱え、7月22日から日本でも配信が開始された『ポケモンGO』

海外では日本より18日早い7月4日から配信が開始されましたが、直後から事件・事故・トラブルなどが多数報じられていました。

そのため日本でも同様の事態が懸念されていましたが、残念ながら予想通り各地でトラブルが相次ぎ、連日のように各メディアで取り上げられています。

そんな中最も恐れていた事態、ポケモンGOに起因する交通死亡事故が発生してしまいました。

スポンサーリンク

目次

1件目の交通死亡事故

事故が起こったのは8月23日の午後7時25分ごろ。場所は徳島県徳島市上町の県道でのことでした。

散歩中に県道を横断していた女性2人が走ってきた軽ワゴン車にはねられ、1人が死亡、1人が重傷を負ってしまいました。

軽ワゴン車を運転しており自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の容疑で逮捕されたのは、徳島市南二件屋町の農業・五王啓治容疑者(39)。

五王容疑者は警察の取り調べに対し「ポケモンGOをしていた。前を見ていなかった」などと供述しており、警察は容疑を過失運転致死傷に切り替えて、詳しい事故状況を調べています。

現場は片側1車線の直進道路で信号はありませんでした。事故当時五王容疑者は、時速約50㎞程度で軽ワゴン車を運転していたと見られています。

なおこの事故が日本国内におけるポケモンGOで遊んでいたことが原因で起こった初めての交通死亡事故となってしまいました。

2件目の交通死亡事故

そしてもう1件の事故が起こったのは8月11日の午後7時45分ごろ。場所は愛知県春日井市藤山台の路上でのことでした。

自転車で横断歩道を渡っていたベトナム国籍の女性(29)が、岐阜県土岐市の会社員の男(26)が運転する軽自動車にはねられ、頭を強く打つなどして病院に運ばれました。

しかし懸命の治療も及ばず事故から2週間が経った25日、搬送先の病院で帰らぬ人となってしまいました。

この事故で軽自動車を運転していた26歳の男は「ポケモンGOをしながら車を運転していたところ、スマホの充電残量が少なくなったため充電しようとして脇見をしたところ事故を起こした」と供述しています。

日本国内で起こったポケモンGOに起因する交通事故数

配信から1か月が経過し、立て続けに2件もの交通死亡事故が起きてしまいました。(正確には交通事故が起こったのは11日と23日ですが、被害者が死亡されたのが23日と25日のため、ここではこのように表現させて頂きます)

それではポケモンGOが配信された7月22日以降、日本国内で一体どれだけのポケモンGOに起因する交通事故が起こっているのか?

警視庁は8月23日にこのような数字を発表しています。

  • 交通事故=79件
  • うち人身事故=22件
  • うち物損事故=57件

またこの中で自転車運転中に起きた事故は

  • 人身事故=4件
  • 物損事故=25件

さらに交通違反での摘発件数は1140件となっています。

注)7月22日~8月21日まで

ポケモンがGOは車を運転しながらプレイできてしまう

ところで配信前から様々な注意喚起も行われ、交通事故に対する危険性もさんざん指摘されていたポケモンGOですが、配信当初はその対策として『車の移動速度には反応しない』とされていました。

しかし全国で交通事故や交通違反が多発した背景を受けアップデート。しかしそこには2回警告メッセージが出てくるだけです。

Screenshot_2016-09-01-00-30-12

OKタップ

Screenshot_2016-09-01-00-31-32

OKタップ

これだけで普通にプレイできてしまいます。

また実際に私が車を運転、息子にスマホを持たせてプレイさせてみたところ、普通にポケモンは出現し、ポケストップでの操作も可能です。

つまりポケモンGOは車を運転しながらでもプレイすることができてしまうのです。

でもまあ少し考えてみれば『ポケモンGOをプレイしている人がどんな状態であるか?』これを完璧に把握し、制御することは不可能に近いことなのかもしれません。

高速道路ならまだしも市街地、特に私の住む大阪のような交通事情の地域であれば、朝晩の通勤ラッシュ時になると車よりも自転車の方が目的地に早く到着しているなんてザラですから。

そこまで厳しく制限をかけてしまうとポケモンGOの本来の目的『移動しながらポケモンを探し集める』ということすら不可能になってしまいます。

ポケモンGOで日本の交通事故件数は増えるのか?

ところでこのような状況下、ポケモンをGOが配信されたことによって今後日本の交通事故件数は増加してしまうのでしょうか?

これに関する私の意見は『NO』ですが、それには以下のような理由があります。

理由その1:死亡事故が起きたことにより車の運転者の意識が変わる

既に2名もの尊い命が『運転者がポケモンGOをしていた』という事実によって奪われ、そのことが大々的に報道されています。

つまり『運転しながらポケモンGO=悪』という意識が芽生え始めています。

ちょうどこれは飲酒運転による重大事故と同じような背景です。そのため今後増々、運転者の中でこのような認識が根付いていくと考えられます。

理由その2:ポケモンGOの普及

すでに配信開始から1か月以上が経過しています。もちろん興味にあるプレイヤーは配信当初からダウンロードし、中にはコンプリートしてしまっているユーザーもいるようです。

今後もある一定の人気は保っていくでしょうが、ほとんどはルールを守ってプレイする常識あるユーザーであると予想できます。

もちろん中にはこのような事態が起こっても運転しながらプレイをするユーザーも存在するでしょうが、一時ほどの流行は既に落ち着きを見せているようです。

理由その3:結局は人間性ではないのか?

そして最大の理由はこちらです。

ポケモンGOに限らず車の運転中にスマホを操作する、画面を凝視するなどの行為は今更言うまでもありません。

またこれに限らずカーテレビナビゲーション運転しながらの食事、飲食運転しながらの喫煙・等々。運転者の気をそらす要素は数え切れない程存在しています。

しかしほとんどの人はモラルも持ち、その欲求を押さえて運転に集中しているのです。

つまりポケモンGOをしていたことにより事故を起こした人、交通違反を起こした人は『スマホを操作しながら運転する』ということに抵抗のない人、もしくは日常的にそのような行為を繰り返していたと考えられます。

ポケモンGOはあくまでもきっかけとなってしまっただけであって、多かれ少なかれ交通事故を起こす確率をかなり高いところで持っていた人達であったと考えられます。

最後に

ポケモンGOはこれまでのスマホゲームになかった新しい要素を兼ね備えたゲームです。

『ゲーム世界と現実世界の融合』

これを良きものにするのも、悪いものにするのも結局は人間であるということです。

もちろんゲームに限らず、バイク自転車、どれも正しく安全に使えば非常に便利なものですが、一歩間違えれば簡単に人の命を奪ってしまう凶器にもなり得ます。

モラルを持って正しく楽しまなければ、スマホゲーム初とも言える新しい要素もこの世の中から姿を消してしまうかもしれませんね。

Screenshot_2016-07-23-23-13-32

おすすめ記事(広告含む)
おすすめ記事(広告含む)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする