カブトムシの寿命が野生と飼育で違う3つの理由

みなさんこんばんは、鷹です!

今日帰宅してカブトムシの成虫を飼育しているケースの中を見ていると、とうとう最後の1頭が☆になってしまいました。これで今年のカブトムシの成虫の姿も見納めです。

先日『カブトムシ・クワガタムシの成虫の近況』でお知らせした時には2頭が生き残っていたのですが、その後まもなく1頭が☆になってしまいました。

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(最後まで生き残っていたのは画像左側の赤い個体です)

この個体を採集してきたのは8月15日のことで、実に採集してから丸々2か月生きていたことになります。本当に長生きしてくれたものです。

そこで今回は、カブトムシの寿命について少しお話しさせて頂きたいと思います。

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カブトムシの一生

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普通『カブトムシ』と言えばほとんどの方が成虫の姿を思い浮かべると思いますが、実は成虫の姿で活動している時間はカブトムシの一生で言うと半分もありません。

そこでまずはごく一般的な自然界におけるカブトムシの一生についてご説明していきたいと思います。

7月~9月

この時期はカブトムシの成虫が屋外で活動する時期になります。自然界を樹液を求めて飛び回り、そこでオスとメスが出会い交尾をします。

そしてカブトムシの一生の始まりである『卵』がこの世に産み落とされます。

10月~4月

卵が産み落とされる時期によって多少のずれは生じてしまいますが、ほとんどの場合カブトムシは『幼虫』としてこの時期を土の中で過ごしています。

彼らの仕事は基本的に『食べること』です。たくさん食べて栄養を摂り、翌年の夏、元気に活動のできる体の基礎を作らなければなりません。

またこの後さなぎになって羽化する際にも、相当のエネルギーを消費してしまいます。

そのため幼虫はひたすら食べて、無事成虫になれるように準備をしているのです。

5月~6月

秋口に幼虫として活動をはじめたカブトムシは、その後の冬眠(一般的には11月~3月くらい)を経て春になると活動(食事)を再開します。

そしてこの時期になるといよいよ成虫になる前の最終形態、『さなぎ』へとその姿を変化させます。

カブトムシはさなぎの間は全く行動をしません。もちろん食事も摂らず、ひたすら成虫の体が形成されていくのをじっと待っているのです。

7月~8月

さなぎになってから約3週間~1か月すると、カブトムシがいよいよ『成虫』になる時期がやってきます。

羽化のシーズンの到来です。

しかしさなぎから成虫へと羽化したカブトムシは、すぐに活動をはじめるわけではありません。これは羽化したばかりの頃はまだ十分に体が出来上がっておらず(固まっていない)、屋外で活動できる状態にになるまで少し時間を要するためです。

こうして羽化から約3週間~1か月ほどして、ようやくカブトムシは屋外に出て『成虫』として活動を開始するのです。

8月~9月

成虫として屋外に出て活動した成虫は、やがてその寿命が尽きる時を迎えます。

これは野生下では概ね8月~9月です。

こうしてカブトムシはその一生を終えることになるのです。

野生下におけるカブトムシの寿命はどれくらい?

これらのことから野生下におけるカブトムシの寿命は、およそ1年(12か月)前後であるということが言えます。

実際に私がカブトムシ採集を行っている場所では、例年カブトムシの成虫の姿が見られるのは7月20日前後から8月の終わりぐらいまでです。

長い採集歴の中でも9月に入ってカブトムシの姿を見たことは、今まで一度もありませんでした。

参考⇒採集記録

しかしこれが飼育下になると少し話が変わってきます。またオスとメスでも少し違いがありますので、次にそれらについてご説明していきたいと思います。

飼育下におけるカブトムシの寿命はどれくらい?

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実際に今回ご紹介させて頂いたように、私が飼育していたカブトムシは10月23日までは生きていました。また過去の事例を調べてみれば、11月12月、中には2月半ばまで生きていたというものも見られます。

これらは野生下では到底あり得ないことであり、飼育下だからこその事例であると言えます。

また一般的にカブトムシは、オスとメスでは比較的オスの方が長生きをします

これは言うまでもなくメスが『産卵』という、一生の中で最も体力を消耗する大仕事をこなしているためです。

これらを考えていくと、カブトムシの寿命が野生下と飼育下でこれほどまでに大きく違う理由が見えてきます。

カブトムシの寿命を縮める要因

それはカブトムシの寿命を縮める要因にあり、それには様々な理由があるのですが主なものを順に挙げていくと、

  1. 体力の消耗
  2. 外気温の低下
  3. 外敵の存在

などがあります。

カブトムシが寿命を迎える兆候

またカブトムシが寿命を迎える兆候としては、

  1. 飛ばなくなる
  2. 動きが鈍くなる
  3. 頻繁にひっくり返ってしまう
  4. 普段ではありえないような行動(例えばオス同士で交尾しようとする)をとる

などが見られるようになります。

カブトムシの寿命が野生と飼育で違う3つの理由

さてそうすれば、カブトムシの寿命が野生下と飼育下で違う理由が見えてきますが、これには大きく分けて次の3つの理由があります。

理由その1

まず一つ目は『温度』です。

カブトムシは変温動物であり気温の低下に対応する能力を持っていないため、外気温が下がると冬眠・越冬をすることができず必ず寿命を迎えてしまいます。

しかし飼育下では温度管理をすることができ、例えそれを行っていなくても室内飼育であれば屋外ほど早くに気温低下の影響を受けることもありません。

理由その2

そして次に考えられるのが『食事』です。

野生下においてカブトムシが主食としているのは木が出す樹液です。カブトムシがこれを得るためには他の生物との戦いに勝ち残り、エサ場を確保する必要があります。つまり弱いものは満足な食事を摂ることができない(十分な栄養が得られない)ことになります。

また木々は外気温の低下と共に樹液を出す量が減り、冬場にはほとんど出さなくなってしまいます。

これは『気温が下がるとカブトムシが食べるものが無くなる』ということを意味しています。

理由その3

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そして最後に、実はこれが一番大きな原因なのかもしれませんが『体力の低下』です。

これは先程の『寿命を迎える兆候』にも関係してくるのですが、カブトムシは体力が低下すると、まず飛ぶことができなくなります

カブトムシの成虫を飼育された方は経験があるかもしれませんが、さなぎから羽化して地上に出てきた直後や屋外で採集してきたばかりのカブトムシは、飼育ケースの中に入れていても夜になれば頻繁に飛び回ろうとしています。

しかし時間が経つにつれてやがてその羽音が聞かれなくなります。また動きそのものもだんだんと鈍くなっていくのを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。

飼育下においてはこれらはさほど大きな問題になりませんが、野生化においてこれらはカブトムシにとって命取りになってしまうのです。

カブトムシが夜行性なのは、外敵から身を守るためとも言われています。つまり天敵の少ない夜間に活動し、明るくなれば安全な場所に移動して身を隠しているのです。

しかし体力が低下してしまえばどうでしょう?身を隠すことができなくなってしまうのです。さらに飛ぶことができなければ、1本の木から移動することさえ困難になってしまいます。

つまり野生下では自然に寿命を迎えるより、体力の衰えにより外敵によって命を落とすケースの方が多いと考えられます。

カブトムシを長生きさせるコツ

さて、以上のようにカブトムシの寿命に影響を与える要因を把握していれば、飼育下においては少し気を遣うだけでカブトムシを想像以上に長生きさせることができます

1、温度管理をする

カブトムシが好む温度は20℃~28℃と言われています。

飼育する場所の温度管理を行うことによって、カブトムシの体力低下を抑えることができます。

もちろん適度な湿度も必要になります。カブトムシは乾燥に弱い生き物です。

2、エサに気を遣う

やはりカブトムシを少しでも長生きさせるためには、より栄養価の高いエサは不可欠です。

普段の飼育では昆虫ゼリーでも問題ありませんが、バナナリンゴを与えることによってより多くの栄養を摂ることが可能です。

特にバナナは植物性タンパク質が豊富なため、10月以降に成虫を飼育されている方は使用されていることが多いようです。

3、できるだけ体力を消耗させない

カブトムシが多くの体力を消耗する原因としては、

  • オス同士のケンカ
  • 転倒してもがいてしまう
  • 交尾・産卵

などがあります。

これらを避けるためには、

  • 単独(1頭)で飼育する
  • 転倒防止のため小枝や止まり木を多く入れる
  • 静かな環境に飼育ケースを置く

などの方法があります。

上記3つに気を遣って飼育してあげれば、カブトムシはより長生きしてくれるでしょう。

最後に

以上、カブトムシの寿命や長生きさせるコツについてご説明させて頂きましたがいかがでしょうか?

ところで私はこれらにそれほどまでに気を遣わず『自然飼育』という方法を取っています。もちろんあえてケンカさせたり、弱らせるようなことをするわけではありません。

飼育に対するスタイルや考え方は人それぞれでしょうが、より自然に近い環境の中で寿命を迎えるというのもいいんじゃないかと?

『その代わり』というわけではありませんが、現在はこの夏を精一杯生き抜いてくれたカブトムシの子供たちの世話に全力を注いでいます。

飼育する者のせめてもの責任として、遺伝子は受け継いでいかせてあげたいと思うのです。

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