みなさんこんばんは、鷹です!
先日こちらの記事でご紹介させて頂きました、
新たに我が家へやってきた3頭のパラワンオオヒラタクワガタ。
こちらは『お得意?』のヤフオクで落札させて頂いたのですが、オスが8月羽化でメス2頭はいずれも7月羽化ということです。特に有名血統というわけではありませんが、親は♂105㎜、♀48㎜で、そこそこの大きさの血を受け継いでいるようです。
目次
パラワンのブリード計画
今回、この3頭を新たに補強した目的は、
- 現在、飼育中であるパラワンの羽化状況が思わしくなかった
- 継続的にブリードを続けるために、血統の異なるラインが必要であると感じた
この2つの理由によるものです。
パラワンの飼育状況
①については過去の記事を参照していただければお分かりいただけると思いますが、私は約1年前からパラワンの飼育をはじめました。
飼育開始時はWDのペアのみでしたが、その後すぐにメス2頭を加え、オス1頭・メス3頭の組み合わせでブリードを開始しました。
しかし幼虫を取り出せたのはWDのオスと後から加えた50㎜のメスのペアからのみで、WDのメスと47㎜のメスは、産卵することなく☆になってしまいました。
またWDのオスも8月に☆になってしまい、結果、残されたのは幼虫のみで、成虫は全く飼育していない状況が続いていました。
さらに幼虫飼育においては5頭のメスのうち4頭が☆になってしまい、1頭は先日、何とか無事に成虫へと羽化してくれました。
残る幼虫4頭は全てオスで、おそらく来年の2月~3月頃に羽化してくれるものと思われます。
血の弊害
当初はオス1頭・メス3頭を組み合わせて、それぞれ異なるラインを構築していこうと考えていたのですが、誤算だったのはWDのメスが早々に産卵することなく☆になってしまったことです。
みなさんご存知かと思われますが、カブトムシ・クワガタムシのブリードに関しては、同じ血統同士を組み合わせる『インブリード』と違う血統同士を組み合わせる『アウトブリード』があります。
ある血統の特徴(大きさであったり形状・色など)を受け継がせたい場合は、もちろんインブリードが効果的ですが、生物である以上、血縁の近い個体同士の交配を繰り返すと『血の弊害』を引き起こすリスクもあります。
そのため長期にわたってブリードを続けていくには、いずれどこかでアウトブリードが必要になってくると私は考えています。
これはかなり以前、数年にわたり国産カブトムシのインブリードを繰り返した時の、私自身の実体験からも言えることです。
このような理由から新たなパラワンを迎え入れたわけですが、現在私が飼育している幼虫たち、そして羽化したばかりのメス、さらに迎え入れた3頭の羽化時期等を色々考えた結果、とりあえず一つのラインはインラインでチャレンジしてみることにしました。
パラワンオオヒラタのペアリング
パラワンの成熟
ということで、今回新たにやってきたオス(98㎜)と、メス(47㎜)をペアリングしてみることにしました。
ただ先日の記事でもお伝えした通り、メスは7月羽化ということで問題なく成熟しているようですが、オスは8月羽化で、観察していても今一つ分かり難い感じです。
少しパラワンのオスにしてはあの独特な狂暴性が見られないと言うか、、、、確かに好戦的ではあるのですが、心なしかおとなしいような気もします。
そこで再度、パラワンオオヒラタの成熟時期について調べてみたのですが、
- 羽化から3か月
- 羽化から6か月
- 後食開始から3か月
- 後食開始から1か月
- 後食開始後すぐ
など、様々な事例が見られます。
ただどこを見ても言われているのは、『成熟には個体差がある』ということです。さらにオスとメスをペアリングさせる際、成熟していればほとんどの場合は成功し、成熟していなければ興味を示さないか、オスがメスを攻撃してしまうということです。
もちろん羽化から十分な時間(およそ6か月)が経過していれば、間違いなく成熟しているでしょうが、それ以外はある程度オスとメスを近づけて観察するしかなさそうです。
そのため『非常事態』に備えつつ、とりあえずハンドペアリングを試してみることにしました。
パラワンオオヒラタのハンドペアリング
今回は少しリスクもありますので、もしもの時のために以下の2点を事前に用意しておきました。
- 木の棒
- 水の入った容器
画像はありませんが、①はもちろんオスがメスを挟みそうになったら、すかさずオスの大顎の間に入れるための物です。そのため少し太め(約4㎝)くらいの物を用意しておきました。
そして②はもし仮にオスがメスを挟み離さないような気配が見られたら、すかさずこの中にオスを入れてしまいます。
理由はわかりませんが、クワガタのオスは大顎で相手を挟んでいる最中であっても、大量の水をかけたり水の中に入れてしまうと、意外とあっさりと離してくれることが多いのです。
そのため水の入った容器は、パラワンのオスがしっかりと入ることができる大きさの物を用意しておきます。
ということで万全の準備?を終え、早速ハンドペアリングの開始です。
まずはオスを単独でペアリングセットに入れますが、万が一を考えてエサ皿も一緒に入れておきます。
入れてから約1時間ほど様子を観察していたのですが、特に興奮することもなく意外と落ち着いた様子です。
これは案外いけるかも?
ということで続いてメスを投入します。
するとメスがエサ皿の反対側から側面へ降りていきます。
これはいつものメスが逃げてしまうパターンでしょうか?
今までの経験ではこの状態のオスとメスが近づくと、たいていオスがメスを攻撃してしまいます。しかもどうやらメスがオスの方に近づいていくようです。
少し緊張し、木の棒をいつでも出せる態勢で見守っていると、
メスがオスの下に潜り込んでしまいました。^^;
しかもオスが攻撃する気配が全く見られないどころか、何やらいい雰囲気です。^^
この後、しばらく様子を観察していましたが、どうやらこの2頭、なんとか交尾しようとしている感じです。
ただ中途半端な大きさのエサ皿の側面のため、どうもいまいち態勢がしっくりこない模様。
それならば、ということで2頭には一旦離れて頂き、エサ皿を撤去して再度ハンドペアリングを試みてみました。
するとやはりメスの方からオスに近づいていきます。
この状態でも、もちろんオスがメスに襲い掛からないどころか、
またしてもメスがオスの下に潜り込んでしまいました。
と、ここまで観察して『オスがメスを襲うことはないだろう』と判断し、少し用事があったため、そのままの状態で30分ほどこの場所から離れていました。
そして戻ってすぐにペアリングセットの中を覗いてみると、
見事、パラワンオオヒラタのハンドペアリング、成功です!
その後、30分ほどして2頭が離れたため、それぞれ元の飼育ケースへ戻って頂きました。
産卵セット
それから3日ほど十分にゼリーを与え、メスには用意してあった産卵セットに入ってもらいました。
早速マットの中へ潜って行きます。
ちなみに今回の産卵セット、以前こちらの記事でご紹介させて頂いた、スマトラオオヒラタの産卵セットと同様の方法で組んでみました。
ただパラワンはこれまでも産卵木には産卵せず、マットにばかり産卵していたため、この産卵セットには産卵木は入れておりません。
マットのみでチャレンジしてみたいと思います。
最後に
今回のパラワンオオヒラタのハンドペアリングは、拍子が抜けるほどあっさりと成功してしまいました。
オスは後食を開始してから3か月も経過していませんが、どうやら無事に成熟していたようです。
クワガタの成熟に関しては目安はあるものの、やはり個体差があり、よく観察してみないと分からないものです。
もちろんメスが無事産卵し、その卵が孵化してくれないことには『成功』とは言えませんが。
しかし実は先日、エサ交換の際に飼育ケースを見てみると、無事産卵しているのを確認できました!
あとはどんどん産卵していただいて、無事幼虫へと孵化してくれるのを祈るばかりですね。^^
コメント
鷹さんこんばんは。
いつも参考になってます。爆産祈願ですね。実は私は2セット目を組んでるのですが、一回目は5匹(生き残ってるの2匹)という結果でした。今回の2セット目に期待してますが、約1ヶ月経ち底面側面全く卵が見えません。ゼロはないでしょうが、上手な方々の様に20~40は期待出来ない様です。
私的に色々な方から意見を聞きましたが、マットが合わなかったのでは?という指摘を貰いました。私は大きめのケースにフォーテック社の産卵一番のみ固詰めしてますが、同社のヒラタノコ一番をブレンドさせると良いらしいです。今はネットで遠方から色々なマットが購入出来る時代になりましたが、日中商品を受けとる嫁さんがあまり良い顔をしないのと、ネットだと必要以上に大量購入してしまいそうなので中野のむし社さんで現物買いしてます。お店の人の意見も聞きながら3セットは爆産させたいです。
ちなみに、マット以外の問題だと温度かなと思うのですが、何℃くらいで飼育してますか?
都内40歳お父さん様
こんばんは。
爆産してくれればいいのですが、、、、
こればっかりはメスにお祈りするしかありません。
マットについてですが、
以前、私は本土ヒラタのブリードに『ヒラタノコ1番』を使っていたのですが、
ある方から『産卵1番がおすすめですよ』と、助言を頂いたことがありました。
そのため今回の産卵セットについても使用マットの候補には上げていたのですが、
色々と情報を集め、評判の良かった月野夜きのこ園さんの『くわマット』を使用しています。
聞くところによると『ヒラタノコ1番』は卵や若齢幼虫にとっては刺激が強すぎるらしいです。
もちろんブレンドすれば話は別でしょうが、私が知っている情報はそれくらいです。
ちなみに温度に関しては、基本25℃に設定しています。
ご存知のように自作温室にセラミックヒーターですので厳密に言いますと、
『24℃付近でヒーターが作動し、最高温度は約26℃まで上がる』
これを繰り返すことによって『平均25℃』と言った感じです。
ちなみにこれまでの観察からすると、
27℃以上になるとパラワンやスマトラはあまり産卵しない傾向があるように思えます。
(あくまで私の少ない経験からですが、、^^;)
やはりクワガタの飼育には家族の理解も必要だと思いますが、
そこは『ほどほど』にして、頑張って継続してくださいね。^^