カブトムシの幼虫の飼育方法はいろいろありますが、できれば動いている様子や幼虫からさなぎ、そして成虫になるまで見てみたいというのが本音です。
しかし実際に飼育してみると飼育ケースでは思ったように中の様子が見えなかったり、幼虫やさなぎを人口蛹室に移して観察しようにも、やはり何かと不安が残ってしまうものです。
そんな時おすすめなのが『身近にある、あるもの』を使った、カブトムシの幼虫の飼育方法なのです。
目次
カブトムシの幼虫をペットボトルで育てよう
カブトムシの幼虫を観察しながら飼育したい方におすすめなのが、『ペットボトル』を使った飼育方法なのです。
(サイズは2リットル以上をおすすめします)
実はこのペットボトル、カブトムシの幼虫を飼育するのに適した要素を幾つか兼ね備えているのです。
- 単独で飼育できる
- 適度な空間を確保できる
- 深さがある
さらに飼育する側からしてみれば、
- 中の様子が観察しやすい
- マットの交換時期が把握しやすい
- 幼虫は『壁』を好むため、さなぎ・成虫へと成長する姿を観察することができる可能性が高くなる
などのメリットもあります。
ペットボトル飼育の方法
それでは次にペットボトル飼育の手順についてご説明していきますが、カッターやお湯を使うので十分に注意して作業して下さい。
ペットボトルの加工
まずはペットボトルを2つに切断します。これはペットボトルを『飼育容器』と『ふた』に分けるためですが、切断する箇所はペットボトルの形状によって差があると思いますので、おおよその位置は以下の画像を参考にしてみて下さい。
またカッターを入れる時、最初はちょっと固いですが、ペットボトルはカッターの刃が貫通すると一気に切れてしまうことがありますので、十分に注意して下さいね。
切断するとこんな感じです。
次に『飼育容器』となる方に、少し加工を加えます。これは飼育容器の上部を少し変形させ、ふたを開け閉めし易くするためのものです。
まずは普通にそこら辺にある鍋でお湯を沸かします。
別にカブトムシの幼虫を煮るわけではありませんよ^^;
沸騰したら火を止め、飼育容器の上部を少しづつお湯につけて変形させていきます。
この時の注意点は、ペットボトルを少し斜めにして、少しづつ周囲を変形させていくことです。ほんの2~3秒ほどお湯につければ内側に向かって変形するので、画像を参考にして作業をしてみて下さい。
また絶対にしてはいけないのがこの方法。
これをしてしまうとペットボトル内の空気が膨張し、ちょっとした爆発が起こってしまいます。またペットボトル本体も熱を持ってしまうので、やけどしてしまう恐れもあります。
そして完成するとこんな感じです。
ふたをするとこんな感じになります。
最後にペットボトル内の通気性を確保するため、『キャップを外しておく』『ふたに空気穴をあける』などの対処を行って下さい。
これには『はんだごて』や『きり』などを使う方法がありますが、私は手っ取り早くキャップを外しています。
マットをセット
次にこちらにマットを入れるのですが、幼虫が馴染みやすいように新しいマットとそれまで飼育していたマットを3:1ぐらいの割合で混ぜて入れてあげると良いでしょう。
もちろんガス抜き・加水は済ませておいて下さいね。
マットの量は上の画像を参考にして下さい。ポイントは上いっぱいまで入れず、上部に少し空間を作っておくことです。これは何らかの理由で幼虫がマットの上に出てきてしまった場合を考えて、空間を確保しておくためです。
またマットを入れる際は、少しづつ入れながら手で軽く押し固めてあげた方が良いでしょう。
幼虫をセット
次に幼虫をペットボトルに移します。
上に乗せてあげるだけでOKです。
カブトムシの幼虫は冬眠前(およそ11月くらい)は非常に活発ですので、マットの上に置いてあげるだけで自らマットの中に潜っていきます。
ふたをして完成
最後にふたを閉めれば完成ですが、この時下の画像のようにティッシュペーパーを挟んであげれば良いでしょう。
これはコバエの侵入を防ぐためで新聞紙などでもOKです。
また画像では上部のキャップが付いていますが、私は通気性の確保のためキャップを取り外しています。
後は暗い静かな場所に置いてあげるだけ。ポイントとしては、
- できれば室内
- 冷暖房の影響がない場所
- 雨風が当たらなければ屋外でもOK
という点に注意して下さい。
ペットボトル飼育の注意点
さてペットボトルを使ったカブトムシの幼虫の飼育ですが、いくつか注意してほしい点があります。
ペットボトル飼育を始める時期
幼虫をペットボトルへ移動させる際、避けた方がいい時期があります。それは、
- 冬眠中
- さなぎになる直前
- 外気温が30℃を超える
です。そのためペットボトル飼育を始めるには、
- 9月~10月中ごろまで
- 3月~4月初めごろまで
この時期がベストかと思われます。
マットと水分の管理
狭い空間だけにマットと水分の管理には、飼育ケース以上に注意が必要です。
幼虫の糞が目立って来たらすぐにマットの交換。
また水分に関しては特に与え過ぎに注意して下さい。たとえ表面が乾いていても少しマットを掘ってみれば、十分な水分が行き渡っていることもあります。また外気温が20℃を下回るようになれば、底の方に水が溜まってしまうこともあります。
これを避けるためには、
- マットの表面から5㎝程を目安に軽く掘り返し、加水状態を十分に確認する
- 特に水分の与え過ぎには要注意
つまり飼育ケース以上にこまめに観察しておく必要があり、特に水分の与え過ぎには十分に注意が必要です。
しかし飼育スペースが狭い空間であるため、逆に気温が高くなると水分が蒸発(乾燥する)し易いという側面もあります。
カブトムシの幼虫は乾燥にも弱いため、この点にも注意が必要です。
通気性の確保
こちらは先程のマットの水分とも関連していますが、特に気温が高い時期には
ペットボトルの中が蒸れてしまう
↓ ↓ ↓
ペットボトル内部の気温が上昇してしまう
↓ ↓ ↓
カブトムシの幼虫は高温を嫌うため、マットの上に出てきてしまう
このような状況に陥ってしまう可能性が高くなります。
これを避けるために
- ペットボトルのキャップは外しておく
- 上部のふたに空気穴をたくさん開ける
などの対処を行って下さい。
ペットボトルのふたの内側に水滴ができているようであれば注意が必要です。
ペットボトルを置く場所
先程も記載しましたが、やはり小さいが故に外部から受ける影響も大きくなってしまいます。
とは言っても、そこまで神経質になる必要もありません。
- 玄関
- 廊下
- 雨風の当たらないベランダ
- 屋外の物置の中
要は直接雨風の影響を受けなければOKです。冬場は段ボール箱に入れておくのも一つの方法です。
暗さを確保する
カブトムシの幼虫は本来土の中で生活しているため、暗い場所を好み明るさを嫌う傾向があります。
しかしペットボトルでの飼育では限られたスペースということもあって、幼虫がペットボトルの側面にいることが多くなってしまいます。
そこで明るさに晒されてしまうと幼虫がストレスを感じ体調を崩したり、最悪の場合は死に至ってしまうこともあります。
こちらの対処としては暗い場所に置ければ一番良いのですが、それができない、設置場所が室内である場合は、
- ペットボトルの周囲を新聞紙で覆う
- ペットボトルを段ボールケースなどに入れて保管する
などの対処を行って下さい。
最後に
いかがでしたか?
意外と簡単にできて幼虫の様子も観察しやすい『ペットボトル飼育』。初心者の方にもおすすめですよ!
この方法で幼虫・さなぎ・成虫まで飼育することが可能ですので、特にさなぎから成虫になる姿を観察したい方は、ぜひともチャレンジしてみて下さい。
またカブトムシの幼虫の飼い方・飼育方法全般に関しては、以下の記事も参考にしてみて下さい。
コメント
大変ためになりました。やってみます。