スマトラオオヒラタの幼虫、菌糸ビン飼育とマット飼育の経過⑫

飼育日記

みなさんこんばんは、鷹です!

ようやくこの時期らしい陽気が訪れましたね。^^

これからはどんどん暑くなってくるでしょうが、典型的な『夏男』の私にとっては、ようやく『活動時期がやってきた!』という感じです。なんせ冬の間は身も心も『冬眠状態』でしたから。^^;

さて長きに渡ってご報告してきた『スマトラオオヒラタの幼虫、菌糸ビン飼育とマット飼育』も、いよい最終段階へ突入してまいりました。

『S-2ライン』『S-3ライン』共に残すところは菌糸ビン飼育組のオスのみとなりましたが、今回は約2カ月振りのご報告になります。

目次

S-2ライン

それではS-2ラインから。

スマトラオオヒラタの産卵セット、爆産なるか? その①
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S-2ラインではこれまでにマット飼育組で2018年9月19日に67㎜、9月30日に75㎜のオスが羽化していますが、菌糸ビン飼育組ではまだ1頭も羽化していません。

ちなみに67㎜のオスはブリードの種親として活躍中!^^

スマトラオオヒラタの本命ラインと新規ブリードライン
みなさんこんばんは、鷹です! 気が付けば2019年もあっという間に1ヶ月が過ぎ、2月に突入していましたね。^^; この週末も寒波が到来し、まだまだ寒い日が続きます。というよりこれからが冬本番といったところでしょうか? 寒さは生物の活動を抑制...

75㎜のオスは活動を開始する前に☆となってしまいました。

スマトラオオヒラタの幼虫、菌糸ビン飼育とマット飼育の経過⑪
みなさんこんばんは、鷹です! ちょっとブログ記事を振り返ってみたのですが、 『スマトラオオヒラタの幼虫、菌糸ビン飼育とマット飼育』 の最初の投稿は、昨年の1月30日でした。 ブリード開始時は比較飼育のことなんて思いもしてみませんでしたが、い...

ということで残りはこちらの5頭

前回の記事でもご紹介させて頂きましたが、こちらの5頭は孵化時期(2017年12月初旬)から推測すると、そろそろ蛹化準備を始める頃です。

そのためできるだけ暴れずに完品羽化していただこうと考え、2月の初旬から自作温室にて24℃~25℃で管理していました。

すると、

3月に入った辺りから徐々に蛹室を作りはじめ、中にはすでに蛹化している個体もいます。

こちらの11月29日に51gで2300㏄へ投入した幼虫も、

ご覧のように蛹室を作り、

4月3日に無事蛹化してくれました。

そして4月9日の時点では、

1頭が4月7日にすでに羽化しており、残りの4頭も全てさなぎへと蛹化しています。

と思った矢先、

4月11日にさらに1頭が羽化してくれました!^^

ここまでくればゴールデンウィーク中に全て羽化してくれるものと思われます。

あくまでもビンの外からの判断にはなりますが、おそらくこれまでのマット飼育組よりは一回り~二回りぐらい大きいように感じます。

掘り出しは羽化後3週間~4週間を予定していますので、こうして観察していると非常に楽しみになってきました。^^

S-3ライン

続いてS-3ラインです。

スマトラオオヒラタの産卵セット、爆産なるか? その②
みなさんこんばんは、鷹です! 前回の記事では11月に組んだスマトラオオヒラタの産卵セットのうち、『S-2』ラインの割り出しについてご報告させていただきました。 で今回はその続き。 同時に組んでいたもう一つのライン、『S-3』ラインの割り出し...

こちらは右端の1400㏄が1月29日に羽化しており、800㏄投入分の3頭は2月13日に1頭が羽化、残りの2頭はすでにさなぎに蛹化しています。

上の画像では『11/29 2300』と書いたシールが貼ってありますが、実はこれ『1400』の間違いです。^^;

成虫の掘り出し

そこでまずは1月29日に羽化した2300㏄のオスを掘り出してみたいと思います。

とりあえず蛹室を潰してしまわないように気を付けながら、慎重にマットを取り除いていきます。

そしてここまでくれば、あとは少しづつ蛹室に穴を開けていきます。

まずは『大顎』がチラリ。

ここまで見えれば一安心です。^^

とりあえず元気なようですね。^^

ただ2300㏄に入れていた割にはそんなに大きくありませんが、とりあえず体長測定を、

約81㎜ということで大きさ的にはオス親と同寸法となりましたが、ご覧のように左中足の符節が欠けております。

非常に元気があるため特に差支えはないようですが、これはおそらく羽化時に欠落してしまったものと思われます。

とりあえず後食を開始するまでは、こちらでゆっくり休眠して頂きたいと思います。

痛恨のミス

そして先程ご紹介した1400㏄投入分の3頭ですが、1頭は2月13日に羽化しておりますので後日掘り出すことにしたいと思います。

たださなぎの2頭。

こちらは2頭ともビンの底に蛹室を作っており、さらに先程取り出した成虫の符節が欠損していたこともあったため、大事を取って『人口蛹室』へ移動させることにしました。

まず使うのはこちら、

ダイソー等で販売されている、園芸用の給水スポンジです。

これを飼育ケースの大きさに合わせて切り、中央をくり抜いて蛹室を作ります。

ここまで準備ができたところでさなぎを掘り出していきますが、、、、

やってしまいました。

少し分かりにくいかと思いますので角度を変えてみると、

十分に注意していたつもりなのですが、蛹室に穴を開ける際にさなぎの大顎に引っかかってしまい、すでに体液が流出しています。

結局この個体は間もなく☆に。

本当に可哀そうなことをしてしまいましたが、今後このような事故は2度と起こさないよう、さらに注意していきたいと思います。

残念な事故もありましたが、もう1頭のさなぎは無事に掘り出しに成功。

人口蛹室へと移動させました。

S-3ライン、最後の羽化

さて、そんなわけでS-3ラインも残り2頭ですが、まずは2月13日に羽化したこちらを掘り出してみたいと思います。

以前のさなぎの事故の件もあるため、いくら羽化しているからといってもここは慎重に掘り進めて行きます。

無事ご対面ですが、さすがに羽化から1カ月が経過しているためかなり元気が良いですね。

ちなみにこちらの体長は、

約82㎜でした。^^

この個体は特に大きなディンプル等もなく、もちろん符節欠け等もありません。無事に完品羽化してくれて何よりです。^^

ゆっくり休んでいてくださいね。^^

そしていよいよS-3ライン最後の1頭です。

2月14日に人口蛹室へ移動させたのですが、約1カ月となる3月11日にはこの状態です。

そして、

ちょうど1月目の3月14日

さらに、

もういつ羽化してもおかしくありませんね。

などと思っていたところ翌日にはすでに羽化しており、頭部もまっすぐに伸びていました。

少し上翅にディンプルがありますが、それ以外は奇麗な個体です。

その後も順調に体色が変化し、お決まりの光景も見せてくれました。

そして4月11日にはこの状態。

ということでいよいよ体長を測定してみたいと思います。

約87㎜ということで僅かながら親越えは達成!

そしてこの個体が『S-3ライン最大』となりました。

90㎜には届かなかったものの、このサイズになるとそれなりに迫力も出てきます。

ちなみにこの記事でご紹介した3頭の成虫を並べてみると、

左から87㎜・82㎜・81㎜ですが、単に体長だけではなく横幅や大顎の大きさにも違いがあり、たった数ミリの差でこんなに印象が変わってしまうものなのですね。

最後に

これでS-3ラインは全て羽化が終了いたしましたが、メスに関してはマット・菌糸で羽化時期の差(約4カ月)はあったものの、大きさは目に見えて差はありませんでした。

ただオスに関しては、

  • マット飼育=最大77㎜
  • 菌糸飼育=最大87㎜

ということで、約10㎜もの差が出たということになります。

またマット飼育組の羽化時期に関しては昨年の7月に58㎜、9月末に羽化不全の55㎜、そして今年1月1日に77㎜という結果になっております。

7月の58㎜が例外的な早期羽化のように思われますので概ね半年のずれと考えられそうで、この期間の成長度合いが、成虫の大きさの差に繋がったということでしょうか?

これまでも何度か記載してきましたが、今回の比較飼育は管理温度も違ったためその影響も大きかったかと思われます。

しかしやはり世間でも言われている通り、ある程度以上の大型個体を目指すのであれば、

  • 低温飼育
  • 菌糸飼育

は必須であることは間違いなさそうです。

これまでの一連の結果を踏まえ今後のブリードの参考にしていきたいと思いますが、とりあえずは『S-2ライン』です。

現時点では全て菌糸ビンの中ですので、掘り出しが非常に楽しみになってきました。^^

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