大阪でも採れる!カブトムシ・クワガタムシ採集のポイントと注意点

基礎知識

2016年もいよいよ6月に突入しました。気温もずいぶん高くなり夏本番といった雰囲気が感じられます。

この時期になると毎年頭に浮かんでくるのは、『カブトムシ・クワガタムシ採集』。以前の記事にも記載しましたが、私はカブトムシ・クワガタムシを飼育しながら、夏になると採集に出かけています。

ちなみに私の採集歴はざっと40年!!

実は子供のころから父親に連れられて採集に出かけ、その経験を元に自分が親となった今も、子供を連れて採集に出かけているんです。

そこで長年の経験から得た、採集のポイントと注意点についてご紹介していきたいと思います。皆さんも採集に出かける際は、ぜひ参考にしてみて下さい。

2016年の採集情報はこちらからどうぞ⇒採集記録

目次

カブトムシ・クワガタムシが採集できる場所は?

プロフィール欄にも記載していますが、私は大阪府在住です(少し南の方です)。そして私がカブトムシ・クワガタムシを採集している場所も大阪です。

本当はここで地図でも載せれば分かり易いのかもしれませんが、これはやはり乱獲山荒らしの原因となってしまう恐れもあるため、控えさせて頂きます。

ただ市街地は別として山間部に出かければ、大阪府内であっても至る所にカブトムシ・クワガタムシが採集できる場所は存在しています。本当にびっくりするぐらい簡単に採集できてしまうものなのです。

重要なのは『カブトムシ・クワガタムシが生息している場所』を知っているか知らないのかということなのです。

そこで次にカブトムシ・クワガタムシが生息している場所を探す方法についてご説明していきます。ちなみに私が採集に出かけるのは大阪市から南へ30分程度の場所です。

カブトムシ・クワガタムシが集まる樹を探す

ご存知の通り、カブトムシ・クワガタムシは樹から出る樹液を食料としているため、自然と樹液の出る場所に集まってきます。これは他の昆虫でもいえることですが、食料のないところに昆虫は集まってきません。つまりカブトムシ・クワガタムシが集まってくる樹がないところでは、どれだけ探しても採集することは不可能なのです。

つまりこれを逆に考えると単純なことで、カブトムシ・クワガタムシを採集するには、これらが集まってくる樹を探し樹液が出ている場所を探せばいいのです。そしてそれらはそんなに種類が多いわけでもなく、特徴さえとらえてしまえば比較的簡単に見つけることができます。

それではカブトムシ・クワガタムシが集まる樹をご紹介していきます。

クヌギ

クヌギの樹
クヌギ

クヌギの樹皮
クヌギの樹皮

クヌギの葉
クヌギの葉

出展:http://kawasakimidori.main.jp/webzukan/kunugi.html

コナラ

コナラの樹
コナラ

コナラの樹皮
コナラの樹皮

コナラの葉
コナラの葉

出展:http://kawasakimidori.main.jp/webzukan/konara.html

シラカシ

シラカシの樹
シラカシ

シラカシの樹皮
シラカシの樹皮

シラカシの葉
シラカシの葉

出展:http://kawasakimidori.main.jp/webzukan/sirakasi.html

クヌギの樹を探せ!

代表的なものは上の3種ですが、これ以外にもミズナラ栗の樹などにもカブトムシ・クワガタムシは集まってきます。

ただ大阪でカブトムシ・クワガタムシを採集する際は、間違いなく『クヌギの樹』を重点的に探すことをお勧めします。これは私のこれまでの経験はもとより、圧倒的に他の樹よりも見つけやすく、なおかつ樹液を出している確率が高いためカブトムシ・クワガタムシに出会える確率が高いためです。

上の画像と山で見られる樹をしっかり見比べて、カブトムシ・クワガタムシが集まる場所を探してみて下さい。

日中の下見は欠かせません

さて先程のカブトムシ・クワガタムシが集まる樹ですが、探すのは必ず日中に行いましょう。そして樹液が出ている場所も同じように抑えておきます。

ご存知の通りカブトムシ・クワガタムシは夜行性で、採集はほとんどの場合、暗い時間帯に行いますが、暗くなってからこれらの樹を探すのは、非常に困難で効率が悪くなってしまいます。

いきなり出かけて→樹を探して→樹液が出ている場所を探して、というのは、予備知識でもない限り、まず100パーセントうまくいきません。

そのためカブトムシ・クワガタムシ採集の初心者にとっては、『日中に下見』というのは欠かせないものなのです。しっかり下見をして、本番に備えて下さい。

カブトムシ・クワガタムシが採集できる時期と時間帯

時期は?

大阪でカブトムシ・クワガタムシが採集できる時期は、おおむね6月中頃~8月下旬ごろまでです。もちろんこの時期を少し外れても採集は可能ですが、早すぎればほとんど採集できなかったり、9月に入ってから採集すると、すぐに死んでしまったりしてしまいます。

ちなみに私が採集しているポイントでは、特に梅雨明けの7月20日ごろから急激に増加し、8月の20日ごろまでの約1か月間がピークです。

時間帯は?

カブトムシ・クワガタムシは夜行性のため、日中はほとんど出会えることはありません。一部のクワガタムシは日中でも見られることがありますが、カブトムシに限っては皆無と言っても過言ではないでしょう。

そのため大まかに分けると、以下の時間帯ということになります。

  • 夜7時過ぎ~9時ごろまで
  • 朝4時ごろ~6時ごろまで

もちろん深夜でも採取することは可能ですが、夜の山は思っている以上に多くの危険が付きまといます。注意点については後に記載しますが、私は『夜7時過ぎ~9時ごろまで』に採集に出かけるようにしています。

これの一番の理由は『スズメバチ』です。
カブトムシ・スズメバチ

出展:http://similar-image.com/photo/detail/6274

スズメバチもカブトムシ・クワガタムシ同様、樹の樹液に集まってくるのですが、圧倒的に早朝の方が活動が活発なのです。せっかくカブトムシ・クワガタムシを発見しても、スズメバチがいるために近づくことさえできない。それどころか遭遇してしまえばこちらが危険に晒されてしまいます。

ただこれは長年の経験で得た知識なのですが、日没~夜の時間帯は比較的スズメバチの出現率が低下します。よろしければ参考にしてみて下さい。

ちなみに私はそばにスズメバチがいてもカブトムシ・クワガタムシを採集することが可能なのですが(父親直伝の秘儀です)、あまりにも危険が伴うため、ここでの記載は控えておきます。

天候は?

実はこれもカブトムシ・クワガタムシ採集の際には重要なポイントとなります。

『雨の日にはまずいません!』

カブトムシ・クワガタムシは、雨が降っているとまず飛び回りません。その理由は説明するまでもありませんね?人間にとってはそれほど影響がなくても、カブトムシ・クワガタムシにとっては雨粒の一つ一つが大きな水の塊になってしまいます。

人間に例えるなら、はるか上空からバケツ一杯分の水が降り注いでくるようなものです。それが飛行中に羽に直撃でもすると、簡単に撃ち落されてしまいます。

これだけが理由なのかは定かではありませんが、私の経験上でも雨天時はまず採集できたためしがありません

ただし湿気は好むようで、夕立の後湿気が多い日は、好んで樹液に集まってくるようです。

そのため天候に関しては、

  • 雨が降っている時は、まず採集は不可能
  • 湿気が多い日が狙い目

この2点に注意して採集に出かける日を選びましょう。

カブトムシ・クワガタムシ採集の注意点

本当はこれを最初に書かなければいけなかったのかもしれませんが、カブトムシ・クワガタムシを採取する際の注意点についてご説明していきます。

立ち入り禁止場所などになっていないか?

これは案外、ついついといった感じで見落としてしまうこともあるのですが、カブトムシ・クワガタムシが集まる樹探しているうちに、うっかり立ち入り禁止場所個人の所有地に立ち入ってしまうことがあります。

ただこれはやはり、最低限のマナーです。その場所が立ち入り禁止になっていないか?個人さんの所有地ではないか?これは必ず事前に確認しておきましょう。

ちなみにこれは私が子供のころ父親と採集に出かけていた時期の話ですが、採集できる樹が山の田んぼのそばにあり、父親はそちらの所有者さんに声をかけ、採集の許可をもらっていました。そのため夏休みになれば毎週気兼ねなく、採集に出かけていたものです。

出向いて丁寧に声をかけ、採集の許可をしてもらう。こういった田舎で生活している方々は温厚な方も多く、案外認めてもらえるものです。

危険な生物

実はこれが一番注意しなければいけないことかもしれません。全て私が遭遇した生き物でありその経験も踏まえてご紹介していきます。

スズメバチ

スズメバチ

出展:http://parkinsect.exblog.jp/10057697/

先程も紹介しましたが、刺されると大変なことになってしまいます。もし遭遇した場合は、静かにその場を離れるのが賢明です。

またスズメバチが多くみられる地域では地中に巣を作っている可能性もあり、騒いだり走ったりすると、スズメバチが敵が来たと思い込んで集団で襲ってくる可能性もあります。とにかく山の中では静かに行動するというのが鉄則です。

あとはよくあるケースで、スズメバチが頭上を飛び回ることもあります。この時もあわてずに騒がないように注意してください。かなり恐怖を感じるとは思いますが、じっとしていれば、まず襲ってくることはありません

さらにポイントとして『黒っぽい服装は避けて下さい』。スズメバチにとって黒=熊(巣を壊す天敵)とも言われていおり、過去の事例を見ても刺された人が、黒っぽい服装をしていたケースが多数見られます。

マムシ

マムシ

出展:http://www.insects.jp/kon-hebinihonmamusi.htm

これもあまりにも有名な毒ヘビですね。カブトムシ・クワガタムシが集まる樹の上にいることも多いので、たとえ昆虫も見つけたとしてもすぐに採集することは危険で、周囲にマムシがいないか確認することが必要です。ただ地面や崖などにいる場合もあるので、やはり山道を歩く際は注意が必要です。

私は過去に何度も遭遇していますが、そこで私が取る手段は『とりあえず静かに後ずさり』。とにかくマムシを刺激してはいけません。マムシが人間に襲い掛かってくる理由はただひとつ『マムシは自分の身を守ろうとしている』のです。そのためこちらが静かにしていれば、まず襲ってくることはありません。

また日中にカブトムシ・クワガタムシを採集する方法として、『樹を蹴って落とす』という手法を目にすることがあります。実際私も経験があるのですが、よっぽど山に慣れていない限りこの方法はお勧めできません。『マムシが落ちてくる』可能性があることをしっかり覚えておいてください。

写真をご覧になればわかるように、マムシは樹や地面の色と非常によく似ています。特に樹の上にいる時は、よほど目を凝らさなければなかなか発見できません。そのため十分に注意が必要です。

ムカデ(百足)

ムカデ

こちらも樹の上にいることがほとんどですが、こちらから触ったり掴んだりでもしない限り、噛まれることはほとんどないでしょう。ただ稀に地面を歩いていることもあり、知らずに踏んでしまうと足首などを噛まれてしまう恐れもあります。また樹の上から落ちてくることもあるため、樹を揺らしたりするのは、極力避けるべきです。

イノシシ

イノシシ

嘘のような本当の話、大阪の山中でもたまに見かけます。実際私も2度ほど遭遇した経験があります。ただし基本的にはイノシシの方から逃げていきます。もしくは人間の気配を察知し、こちらの知らない間に遠ざかっているというのがほとんどです。

ただ運悪く親子連れに出会った時は要注意です。親が子を守ろうとして襲ってくる可能性もあります。この時は他の動物と同様、静かにその場を立ち去るというしか方法はありません。

以上、カブトムシ・クワガタムシ採集の際の注意点についてまとめてみましたが、重要なのは自然の中に入っていくという認識です。そこを住処にしている生き物にとっては、人間は紛れもない侵入者なのです。そして彼らは自分の身を守ろうとして人間に襲い掛かってきます

カブトムシ・クワガタムシの採集に出かける際は、このことを忘れないで下さい。

カブトムシ・クワガタムシを採集する際の服装と装備

服装

ここまでの説明で今更いうまでもありませんが『長袖・長ズボン』これは鉄則です。さらにできれば上は白っぽい服装を心がけて下さい(下はジーンズでOKです)。先にも説明しましたが、これはスズメバチ対策蚊対策です。

特に山に生息する蚊は侮れません。時と場合によっては服の上からでも血を吸われる場合があります。さらにそのかゆみと腫れ具合は半端じゃありません。できるだけ厚めの生地の長袖がお勧めです。

靴はできれば、長靴が最も適していると思います。(足首を守るため)

少し暑い格好にはなってしまいますが、トラブルが起こってしまっては楽しいはずの採集も、最悪の事態となってしまいます。

『カブトムシ・クワガタムシ採集し、安全に帰宅する』

これを第一に考えた服装を心がけましょう。

装備

次にカブトムシ・クワガタムシ採集の際に必要な装備についてご紹介していきます。

LEDヘッドライト

通所の懐中電灯でも使えないことはないのですが、やはり両手が使えた方があらゆる面で便利です。これは使ったことのある方ならお分かりかと思いますが、カブトムシ・クワガタムシ採集にヘッドライトは欠かせません。

また現在ではより明るく、長い時間使えるLEDがお勧めです。

虫取り網

カブトムシ・クワガタムシは少し高い樹の上にいることもあるので、こちらのような伸縮式がお勧めです。また網の入口(円の部分)が大きすぎると、障害物に引っかかって届かなかったり網の部分が短いと、せっかくの獲物を取り逃がしてしまう場合もありますので、理想は画像のような虫取り網です。

虫かご

実は非常にシンプルで安っぽいようですが、採集の際は肩から掛けることができ、カブトムシやクワガタムシが四方にへばりつくことができるこちらのタイプがお勧めです。よくあるプラスチックケースは、ひっくり返ったり昆虫同士が絡み合ったりするので、あまりお勧めではありません。私はこのタイプを愛用しています。

軍手

もちろんカブトムシ・クワガタムシ採集に素手で挑むのは無謀であり厳禁です。必ず軍手を着用しましょう。スベリ止めのついているものがお勧めです。

虫よけスプレー

これも説明するまでもありませんね。首筋や素肌が出ている部分だけではなく、服の上からも降っておくことをお勧めします。山中で虫に刺されると大変なことになりますよ。

その他

タオル飲料水などもお忘れなく。カブトムシ・クワガタムシの採集は、夜や早朝といってもそれなりに動き回るため、汗もかけば喉も渇きます。また人間の汗はさらに蚊を呼び寄せてしまうものです。

以上、私の経験を元に、必要な装備をご紹介させて頂きました。カブトムシ・クワガタムシ採集の際は、万全な装備を心がけて下さい。

お勧めの採集方法

それではここで、実際に私が行っている採集方法についてご説明していきたいと思います。

手の届くところ

基本的には『手づかみ』です。

ただしカブトムシ・クワガタムシを見つけたら、慌てずに周囲の安全を確認してください。

  • 必ず『樹全体』を確認する。ひょっとすると上の方にマムシやムカデが潜んでおり、頭上から降ってくるかもしれません。
  • カブトムシ・クワガタムシ周辺の確認。ここにもムカデやスズメバチがいる可能性があります。

安全を確認したら、後は軍手をはめて採集するのみです。

手の届かないところ

もし樹の上の方にカブトムシ・クワガタムシを発見したら、まずは先程と同様、周囲の安全チェックは欠かせません。

次に私が行っているのは『虫取り網を2本使う』という方法です。

厳密に言えば1本は樹の枝などでも構いません。『カブトムシ・クワガタムシの下に虫取り網を構え、もう1本の網の柄の部分を使って上方から落とす』これが一番確実だと思います。

カブトムシは少し手こずるかもしれませんが、クワガタムシは面白いほど簡単に網の中に落ちてきてくれます。

また一般的には、『樹を揺らす』『樹を蹴る』という方法も紹介されていますが、先にも記載した通り、私はあまりお勧めしていません。特に夜間は絶対に避けた方が無難です

最後に

もう少しで夏本番。カブトムシ・クワガタムシはペットショップなどでも入手することができますが、私は子供たちに『本来、自然で生きている姿』を少しでも教えようと、毎年採集に出かけるようにしています。

もしこれから採集にチャレンジしようとしている方は、この記事を参考にして十分に注意してチャレンジしてみて下さい。私もまた気付いたことがあれば、このブログで報告、記事の編集という形でご報告させて頂きます。

夏休みの思い出作りにいかがでしょうか?

2016年 採集の記録

2016年のカブトムシ・クワガタムシの採集情報はこちらからどうぞ。
 ⇓   ⇓   ⇓ 

・2016年 大阪 今年初めてのカブトムシ・クワガタムシ採集に行ってきました!

・カブトムシ・クワガタムシ採集で出会ったあり得ない生物

・2016年大阪で初のカブトムシ採集なるのか?

・カブトムシ・クワガタムシ採集の現状

・カブトムシ・クワガタムシも恋の季節です

・8月11日『山の日』の採集は?

・哀川翔さんの88ミリのカブトムシは偉大です

・今年最大のコクワガタのオス

・2016年 今年のカブトムシ・クワガタムシ採集もそろそろ終わり?

 

コメント

  1. なかたに あきふみ より:

    おはようございます。
    初めまして。大阪の和泉市に住んでおります仲谷と申します。

    早速なんですが、5歳の息子と私の友人が教えてくれた場所にカブトムシを捕りに行こうと計画してましたが、数年入っていない山らしく下草がいっぱいで入れないと友人から連絡があり、落胆しているところです。
    特に息子が、幼稚園でも夏休みはカブトムシ捕りに行くと張り切ってましたのでかわいそうで・・・。

    率直に言いますと南大阪でカブトムシがいるポイントをご教授頂けないでしょうか。
    下見等をされて、見つけられた大切な場所であることは重々承知しております。
    もし仮に教えて頂いた場合は、
    他人には秘密にすることをお約束致しますので、何卒ご検討お願い致します。

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