みなさんこんばんは、鷹です!
ふと振り返ってみるとパラワンオオヒラタクワガタの飼育を始めてから、すでに2年以上が経過していたんですね。^^;
1期目のブリードは何もかもがはじめて尽くしで、試行錯誤しながら頑張ってみたものの結局オスは1頭も羽化できず。(厳密に言えば羽化はしたものの、後食までは辿り着くことができませんでした)
メスも蛹化から羽化までの管理がうまくいかず、無事に羽化し後食まで辿り着けたのは1頭のみという不甲斐ない結果に終わってしまいました。
そして昨年は雪辱を晴らすべく新たなペアを迎え入れ、2ライン体制でブリードにチャレンジしていますが、両ラインともメスはほぼ羽化し終わり、オスの幼虫もいよいよ最終段階へと突入してまいりました。
目次
2つのライン
私が現在幼虫飼育しているパラワンは2ラインなのですが、まずは改めてパラワンのブリードラインについてご説明させて頂きたいと思います。
P-2ライン
こちらは2017年11月に我が家へやってきた98㎜のオスと47㎜のメスをペアリングしたラインになります。
この2頭はCBF3の同腹姉弟で、次世代のP-2ラインはCBF4ということになります。
ペアリングを開始したのは2017年12月1日。
ハンドペアリングに成功したため3日後の12月4日にメスを産卵セットに投入し、約1か月後の1月1日に産卵セットの割り出しを行ったところ、幼虫5頭と卵5個を回収することができました。
P-3ライン
そしてP-3ライン。
こちらは私にとっては『本命ライン』となるのですが、その理由がこちら、
何度もご紹介させて頂いておりますが、このメスは私が生まれて初めて飼育したWD92㎜のパラワンの血を受け継いでおり、我が家で初めて誕生したパラワンオオヒラタになります。
オス親はP-2ラインと同じCBF3 98mmで、2018年3月8日にハンドペアリングに成功!
メスには3月15日から産卵セットに入って頂き4月18日に割り出しを行ったところ、幼虫12頭と卵6個を回収することができました。
メスの羽化
さてこれまでの記事でもご紹介させて頂いた通り、両ラインともメスは10月下旬から次々と羽化がはじまっています。
上の記事でもご紹介させて頂きましたが、CBF4となるP-2ラインでは50㎜・53㎜の大型のメスが羽化しています。
それではその後のメスの羽化状況です。
P-2ライン
まずはP-2ラインから。
すでに蛹室を取り出した後の画像ですが、こちらは12月5日に羽化を確認しています。
約47㎜、標準的な大きさですね。
続いてこちらの2頭、
共に9月21日に菌糸ビンに投入してから久しく幼虫の姿を拝見していません。特に右の1400㏄はオスだと思い込んでいたのですが、このパターンは実はメスですでに蛹化、もしくは羽化している可能性が大です。
ということで掘り出してみることに。
まずは800㏄から、
やはりすでに羽化していましたね。^^
こちらは約45㎜でした。
続いてこちら、
こちらも以前の例と同じで、9月の時点で20gあったため少しダイエットしてしまったオスかと思っていたのですが、どうもメスだったようです。
やはりこちらもすでに羽化していましたが、この状態でもかなり大きく見えますね。
ここまで掘り出すと体長を測定する前からその大きさが実感できます。
で実際は、
なんと記録タイの53㎜ありました!
残念ながら右中足の符節先がありませんが、とても元気なメスです。
ちなみに先程の45㎜と並べてみると、
大きさ、ボリュームの違いは一目瞭然ですね。^^
この時点でP-2ラインのメスは全て羽化し、残すはオスの幼虫のみとなりました。
P-3ライン
続いてはP-3ラインです。
こちらは12月20日に羽化を確認しております。
う~ん、標準ぐらいかな?
約46㎜です。
お次は、
先程のP-2ラインと同じく、10月に800㏄へ投入してから全く姿が見えません。
こうなれば『羽化』もしくは『☆』のどちらかですので、とりあえず掘り出してみます。
『羽化』で一安心です。^^
こちらは幼虫時代にも少し小さかったですが、やはり小ぶりで約43㎜でした。
ということでP-3ラインのメスは残り2頭。
画像はありませんが1頭は羽化直前で、残りの1頭は1月25日にマットへ移動させました。
メスの羽化のまとめ
まだP-3ラインでは2頭の羽化を控えていますが、それほど大きくはなさそうです。
そこでここまでのメスの羽化状況を振り返ってみると、
- P-2ライン=50㎜オーバーが3頭(50㎜・53㎜・53㎜)
- P-3ライン=42㎜~46㎜
というような状況です。
P-3ラインはほぼメス親(47㎜)と同じくらいの大きさですが、P-2ラインはメスの大きさが際立っていますね。
これも血統の力なのでしょうか?
オスの幼虫、最終段階へ
それでは最後にオスの幼虫たちです。
P-2、P-3ラインの幼虫は数が少なかったこともあり、振り返ってみればオスの幼虫は、
- P-2=2頭
- P-3=2頭
の飼育状況となりました。
数が少ないこと、前期ブリードのトラウマもあり益々緊張してきましたが、時期的にそろそろ最終段階に入っていきますので、しっかりと管理していきたいと思います。
P-2ライン
まずはP-2ラインです。
こちらの2頭は昨年の10月18日にそれぞれ38gと36gで1400㏄に投入し、少し低めの温度(20℃前後)で管理していました。
さすがに菌糸もいい感じで食い上げてくれています。
で、ここからは2300㏄のマットで管理していきたいと思います。
それでは幼虫を掘り出していきます。
まずは1頭目、
こちらは前回、36gだった幼虫です。
約4カ月経過しましたが果たして体重の方は?
まあまあかな?
46gありました。^^
続いて2頭目、
明らかに一回り大きいですね。^^
やはりなんとか50gはオーバーしてくれていました。^^
このラインは50㎜オーバーのメスが3頭も羽化していたため期待していたのですが、そこまで大きくは育っていませんでした。
先程も記載したように2300㏄のマットへ投入し、今後は少し高めの温度(24℃前後)で管理していきたいと思います。
もうお気づきかもしれませんが、これは飼育環境を変えることによって、故意に蛹化を促す作戦です。
というのも過去の失敗があったため無理に大型個体を目指して幼虫期間を長くするより、『変に暴れたりして体力を消耗する前に成虫になって頂こう』、という考えからです。
まあ生き物のことですので全てがうまくいくとは限りませんが、とりあえずはこの作戦で様子を見ていきたいと思います。
P-3ライン
最後にP-3ラインのオスたちです。
こちらは左が10月18日に35gで1400㏄へ投入、右は11月29日に47gで1400㏄へ投入しています。
実は右の幼虫は菌糸ビンのストックがなかったため10月25日に33gで800㏄へ投入していたのですが、さすがに800㏄では食い上げペースも早く、11月29日に1400㏄へ投入していました。
この2頭は4月18日に産卵セットの割り出しを行っていますので、もう少し羽化までは時間がかかりそうです。そのため最後のひと伸びを期待して、2300㏄の菌糸ビンへお引越しです。
それではまずは1頭目、
明らかにP-2ラインの幼虫より大きく、体色もまだまだ白いですね。
やはり体重も軽く50gをオーバーしてくれていました。^^
続いて2頭目、
こちらも負けじといい感じではありませんか!
現時点のパラワンでは最大の57gありました!^^
ちなみにここまで大きくなると、2300㏄でもこんな感じです。^^;
おそらくまだ3~4か月は幼虫ですので、もうひと伸びを期待したいと思います。
ただ以外だったのはこのラインはメスが小型だったことです。
血統と雌雄の大きさは比例しないものなのでしょうか?
まあオス親が98㎜とそこそこ大きかったため、その血を引き継いでいるのかもしれませんね。
最後に
そして最後にこちら、
この2ラインの種親として頑張ってくれたCBF3 98㎜のオスですが、少し前から活動が鈍ってきたと思ったらこの日、もう一段と動きが鈍くなってしまいました。
そして2日後には、
ついにひっくり返って自力では起き上がることもできなくなってしまいました。
ただまだかすかに動いていたため元の体勢に戻してあげましたが、
2日後に息を引き取ってしまいました。
このオスは2017年8月羽化ですので、約1年半活動してくれたことになります。
我が家へやってきて2ラインのブリードで活躍してくれました。
パラワンにしては少しおとなしく、以前のWDのオスに比べればペアリングもし易く、非常に思い出深い個体となりました。
本当にご苦労様でした。安らかに眠ってくださいね。<m(__)m>
いよいよ今期のパラワンのオスも大詰めですが、このオスに報いるためにもとにかくサイズより何より、
『完品羽化と後食の開始(時期ブリード)』
これを最優先にしっかりと管理していきたいと思います。
コメント
鷹さん今晩は。ご無沙汰しております。
最近は仕事が忙しくて今帰りです。
西九条から天理までは結構有るので、日付は変わります。
そのせいか、最近まともに世話が出来ておりません
ちまちまとブログは書いてますが、大がかりな作業はほぼ平日は無理なのですが
しかしパラワンは大きくてカッコいいですよね❗️
うちはなかなかパラワンがうまくいかず、手探りです。
また成果が出たらまた来ますねぇ
ちっきー様
こんばんは。
特にコメント等はさせて頂いておりませんが、
ちっきー様のブログは常に拝見させて頂いております。
結構こまめに更新されているので順調なのかと思っていましたが、
『日付が変わる』とは、お疲れ様です。
あまり無理はしないで下さいね。
私もパラワンに関してはここから気が抜けません。
スマトラはそこそこ順調なのですが、
パラワンは成功例がないために余計に構えてしまいます。
でもやはり大きなパラワンは魅力的ですので、
なんとか羽化までもっていきたいと思います。
お疲れ様ですm(uu)m 小生やはりパラワン中心ですが、最近外産ハナムグリやサイカブト系に少し浮気気味ですw
当方も同時期にブリードしましたが、今回はなぜか少し早めに蛹化が始まっております。当方の個体は孵化から一年程度で蛹になったということになります。今回はワインセラー導入にて前回以上にきちんと温度管理ができたと思うのですが、なんか少し早い気がします。ちなみに現在蛹となった個体2匹の蛹の体重は41グラムと39グラムで、蛹でこの位だと106ミリ前後は行くらしいです。
このまま順調にいけば、鷹さんの個体の羽化は6~7月となるのでしょうか?現在の重量やもう一伸びも含めて期待値の高い個体ですし、次のご報告がますます楽しみです
(^^)
征様
こんばんは。
カブクワはどうしても目移り、浮気癖が出てしまいますよね。^^;
私もブリードをはじめたころはパラワンとスマトラに絞ろうと思っていたのですが、
今はタランドゥスとオウゴンオニクワガタにもかなり肩入れしてしまっています。
まあこれは『好きだから仕方ない』ということで終わらしていますけど。^^
征様のお宅のパラワンは1年ほどで蛹化ですか?
確かに少し早いような気もしますね。
ただ本来、自然界ではそれぐらいなのかもしれませんね。
飼育下では温度管理をしたり菌糸ビンを使用したりして、
できるだけ大きく育てようと様々な外的要因を与えています。
ただ自然界のパラワンはある程度成長すれば(蛹化できる大きさまで育てば)、
それ以上大きくなろうとはせず、すぐに蛹化へと進んでいくと考えられます。
今回征様はワインセラーで温度管理をされたということですが、
温度変化の少ない環境がパラワン島の環境に近かったのかもしれませんね。
私もパラワンはワインセラー度温度管理しているのですが、
実はこの記事でご紹介したマットへ投入した2頭はすでに蛹室を作っています。
ひょっとするとマットへ投入しなくても、そのままま蛹化していたのかもしれません。
なかなか大きなさなぎでうらやましい限りです。
100㎜オーバーは確実なようですね。^^
我が家のパラワンもまだまだ伸びしろがありそうで期待はできますが、
それより何より、とりあえずは『完品羽化』を目指していきたいと思います。
こんばんは。
血統のお話、とても興味深く拝見しました。
初めて血統の話を聞いた時には、虫にも血統!?と驚きましたが、やはり同じ生き物として、1つの遺伝子の系統があるのでしょうね。(餌や温度などの要因もありますね)
昆虫飼育の奥深さ、楽しいです。
私も、そろそろパラワンのブリードにチャレンジしてみようと思います!
オスが、ケース越しにメスを威嚇している姿を見ることがあるので、若干緊張します
まろ様
連続でこんばんはです。^^
私自身、クワガタの本格的なブリード開始から2年以上の月日が経ち、
『血統』というものを改めて実感する機会が増えてきました。
これはただ大きさだけではなくて、
現在飼育しているタランドゥスのホワイトアイなどにも表れていますね。
大型を目指すブリードにおいては、その血統を持った個体を使用するのが近道かもしれませんが、
様々な個体の組み合わせによって血統を作り出していくのも、ブリードの醍醐味なのかもしれません。
(非常に険しい道のりですけど^^;)
パラワンのオスは興奮状態であれば、動くものには見境なく攻撃を仕掛けてくる傾向がありますね。
そのためペアリングの際は成熟の見極めも必要ですが、
それ以上にオスを興奮させないことも重要になってくると思います。
ただペアリングさえうまくいけば、産卵にはそれほど苦労することもないかと思います。
ぜひ頑張ってブリードにチャレンジしてくださいね。^^