スマトラオオヒラタクワガタの産卵セットはマットのみ?産卵木は必要?

みなさんこんばんは、鷹です!

早いもので2017年もついに3月へ突入してしまいました!

ほんの2週間ほど前までは雪がちらついたり最高気温が5℃にも満たない日が続いていましたが、さすがにここ数日は陽ざしの元では少しづつ暖かさを感じられるようになってきました。

ところで昨年12月末に2つセットしたスマトラオオヒラタクワガタの産卵セットですが、WDのメス 45㎜の方はこちらの記事でもお伝えしたように、『ボウズ』で終わってしまうという残念な結果でした。

みなさんこんばんは、鷹です! ここ数日は急激に気温が上がったり下がったりして、非常に過ごしにくい日々が続いていますね。 大阪では2月20...

そのため残されたWD 81㎜オスとCBF1 47㎜のメスをペアリングしたセットに期待したいところなんですが、このところ観察しているとどうも状況が思わしくありません。

そこで本来は望ましくないとは思ったのですが、かなり日数も経過していることもありますので、掘り出して中の様子を見てみることにしてみました。

目次

産卵セットの経過

まずはこれまでの産卵セットの経過について、簡単にご説明させていただきます。

・12月30日

産卵セットにて同居開始。

みなさんこんにちは、鷹です! パラワンオオヒラタとほぼ同時に飼育をはじめたスマトラオオヒラタですが、こちらはちょっとした手違いから現在、2...

・1月4日

産卵セットよりオスを取り出し、それぞれ個別飼育へ。

みなさんこんにちは、鷹です! 12月の末からペアリングをするために、産卵セット内で同居生活をさせていたスマトラオオヒラタとパラワンオオヒラ...

・その後の様子

そしてその後の様子はこちらの記事で。

みなさんこんばんは、鷹です! 12月の末にセットしたスマトラオオヒラタとパラワンオオヒラタの産卵セットですが、スマトラオオヒラタはセットか...

これまでの流れをまとめてみると、

  • 12月30日=産卵セット内で同居開始
  • 1月4日=産卵セットよりオスを取り出し
  • 1月4日よりメスは単独で産卵セット内で生活している

ということになります。

つまり1月4日からメスはずっと産卵セット内で単独で生活しているわけですが、冒頭にも記載した『思わしくない状況』というのは、以下の内容になります。

産卵セット内の様子

1.ゼリーの減り方

以前の記事でご紹介させていただいたように、同居生活の終盤ではゼリーの減り具合が尋常ではありませんでした。

画像でもお分かりいただけるでしょうが、このように容器の奥まできれいに食べることはメスにしかできません。

そしてこれは交尾を終えたメスが産卵に備えて栄養を補給していると考えられるのですが、実はオスを取り出して以降、ほとんどゼリーには手を付けていないのです。

当初はこの様子を見て『産卵に集中している』と思っていたのですが、オスを取り出して以降、ずっとこの状況が続いており、さすがに2か月近くこの状態が続くと、

  • 実は交尾していなかったのではないか?
  • 卵や幼虫を捕食してしまっているのではないか?

といった可能性も否定できなくなってしまいました。

2.産卵の痕跡

本来、スマトラオオヒラタは多産であり、マットにも産卵木にも良く産むと言われています。

そして産卵セットにメスを投入して無事産卵活動を行っていれば、飼育ケースの側面や底面に卵や幼虫の姿を確認できることがほとんどのようです。

しかし今回の産卵セットでは、幼虫の姿どころか卵を産んだ形跡すら全く見られませんでした。

そのため産卵している可能性は、限りなく低いと思うよになってしまったのです。

産卵セットの掘り出し

このような理由からここは一度産卵を諦め、産卵セットからメスを取り出し、少し時間を置いてから再度、ペアリングからはじめてみようと思います。

というわけでこちらが掘り出し前の産卵セットの様子です。

『まずはメスを探してみよう』ということで、ほとんど掘り起こされた産卵木を取り出してみます。

すると早速メスを発見!

産卵木を削って潜り込んでいるではありませんか。^^;

しかし産卵木の底面はそこそこ削っているのですが、どう見ても産卵の痕跡があるようには見えません。そのためメスを産卵木から取り出そうとしたのですが、なかなかしっかりと潜り込んでいるようでちょっとやそっとのことでは出てきそうもありません。

そこでメスはとりあえずこのままにしておき、念のためマットの中を調べてみようと産卵セットをひっくり返してマットの中を丹念に調べてみましたが、やはり予想通り卵も幼虫も見つけることはできませんでした。(スイマセン、画像はありません^^;)

そのため予定通りメスを取り出し、しばらく単独飼育にて時間を置いてから、後日ペアリングをしてみよう、ということでメスの取り出しにかかります。

しかしやはりかなりしつこく、全く出てきそうな気配がありませんでしたので、

『それならば回りの木を切り崩して取り出してしまおう』

という作戦を思いつき、メスの上側の木を引っ張ると、簡単にバラバラと崩れてしまったのです。

そしてなんと、メスのすぐそばに卵があるではありませんか!

これにはさすがに驚いてしまい、画像を撮ることも忘れて卵の取り出しにかかります。

そして無事取り出せたのがこちら、

スマトラオオヒラタクワガタの卵です!

ということで急遽、予定変更です。

すぐにマットを詰め直し、産卵木もメスが潜り込んだまま再度、埋め直すことにしました。

先程の様子からメスはまだまだ産卵活動を行う可能性がありますので、今度は少し深めに産卵木を埋め込んでみました。

こちらの産卵セットはもうしばらくこのまま様子を見ていきたいと思います。

スマトラオオヒラタはマット産み?産卵木産み?

さて、少し長くなってしまいましたが、ここからがこの記事の本題です。

私はスマトラオオヒラタクワガタを飼育するのもブリードするのも全くはじめての経験でしたので、事前にネットで情報を集めて今回のブリードに挑みました。

その中で様々な飼育経験者の方々の情報を見てみると、ほとんどの方がスマトラオオヒラタクワガタのブリードは、マットのみの産卵セットで行っておられました。

しかし中には『メスの足場として産卵木が必要である』という意見もあり、私はそれらを参考に今回の産卵木を使った産卵セットでブリードに挑んでみました。

そして結果はと言うと『マットには全く産卵せず、産卵木のみに産卵していた』ということになります。

もちろんこれはあくまでスマトラオオヒラタクワガタのブリードの一例であって、全ての個体に当てはまるというものではありません。

本来、ヒラタクワガタの仲間は『根食い』と呼ばれており、幼虫は朽ち木の幹の部分や枝の部分よりも根っこの部分を好み、そこで育つことが多いようです。

そのためメスの産卵もよりマットの状態に近い木の根付近で行われることが多く、これが多くの飼育者の方々がマットのみでブリードを行っている要因の一つでもあります。

しかし今回の経験を通して感じたことは、

『クワガタにも個体差があり、より自然環境に近い状態を作り出して上げることができれば、それに応じた産卵を行ってくれるのでは?』

ということです。

クワガタもやはり生き物であって、例え同じ種であっても全てが同じように行動してくれるとは限りません。

そのため飼育期間を通して、それぞれの個体に合った飼育方法やブリード方法を考え、試みていく。

それもまたクワガタのブリードの難しいところであり、楽しいところであるのかもしれませんね。